「食料や水、あと数日・・・」マリウポリ“封鎖”製鉄所内部の新映像公開(2022年4月25日)
ロシア軍の封鎖が続いているマリウポリの製鉄所の新たな映像が公開されました。地下に避難している市民は「食料や水があと数日でなくなる」と窮状を訴えています。
十字架に掛けられたイエスが3日後によみがえったことを祝う復活祭。今年は苦しみのなかで行われました。
マリウポリ市民:「復活祭を待ち望んでいました。生き残れて本当に良かった」
しかし、ロシア側が「制圧」を宣言したにもかかわらず、ウクライナ東南部のマリウポリでは、いまだ攻撃が続きます。
アゾフ大隊副司令官:「きょうはキリスト復活祭なのにロシア軍は攻撃を続けている。銃撃や砲撃が続いている」
海外メディアによりますと、ウクライナ側は復活祭に合わせて「イースター停戦」を呼び掛けましたが、ロシア側が拒否したといいます。
戦火のなかでイースターのプレゼントを受け取るのは、アゾフスタリ製鉄所の地下シェルターで暮らす子どもたち。ロシア軍が完全封鎖を発表するなか、“マリウポリ最後の砦(とりで)”として兵士や市民、数千人が生活を続けています。
アゾフ大隊が新たに公開した24日撮影とみられる映像では、限界を訴える避難者の声が聞こえます。
女性:「皆、飢えています。水も食料もほとんどなく、数日分の食料しかありません。子どもたちに何をあげればいいんですか?」
ロシア軍が意図する“兵糧攻め”にギリギリの生活を強いられる人たち・・・。幼い子を持つ女性が部屋を見せてくれました。
幼い子を持つ母親:「汚れたベッド、カビ、ひどい湿気。私たちはこの中で寝たり、呼吸をしています」
ベッドで寝ているのは1歳になる息子。
幼い子を持つ母親:「おむつがないので、自分で作ったものを使っています」
はいているのはビニールで作ったおむつです。
幼い子を持つ母親:「(Q.外には出られない?)何を言っているんですか。無理、絶対無理です」
地下で暮らす人たちは一刻も早くここから逃げ出したいと話します。
女性:「無事に外に出たいです。生き残りたいです。でもロシア軍に掌握され、破壊されたマリウポリから逃げられない」
包囲が続くマリウポリは今どうなっているのか・・・。脱出できた、わずか1%の男性が悲惨な状況を訴えました。
ウクライナのキーウに住むゾロタリョーヴァ・アナスタシアさんは・・・。
アナスタシアさん:「マリウポリの街は破壊されていて、市民は地下室で生活せざるを得ない」
先日、マリウポリから脱出してきた祖父に、その現状を聞いたといいます。
祖父がマリウポリ脱出・アナスタシアさん:「ロシア軍はウクライナ側の食料を強奪して、それを我が物顔で配布していたみたいです」
困難を極めるマリウポリからの脱出。アナスタシアさんの祖父がマリウポリを離れたとされる20日も元々6000人が避難する計画でしたが、脱出できたのは、わずか79人でした。
ロシア軍による侵攻が続くなか、迎えた24日の復活祭。ゼレンスキー大統領は首都キーウの聖ソフィア大聖堂でビデオ演説を行いました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「きょうの祝日は光は闇を、善は悪を、生は死を克服し、ウクライナは必ず勝つという希望を与えてくれます」
その希望となり得るのでしょうか・・・。
アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官が24日遅くにキーウに到着し、ゼレンスキー大統領と会談しました。
ロシアによる侵攻が始まって以来、アメリカ政府高官がウクライナを訪れるのは初めてのことです。
アメリカ・ブリンケン国務長官:「キーウは通常の生活を取り戻しているように見えるが、東南部では状況が大きく違う。ロシアの作戦はすでに失敗している。ウクライナは成功している」
アメリカ・オースティン国防長官:「長距離弾などウクライナの要望を聞いている。我々は引き続き、ウクライナの勝利のために必要なものを提供していく」
アメリカとウクライナが連帯を強める背景には、ウクライナ東部や南部での戦闘の激化があります。
東部のドンバス地方では、プーチン大統領に忠誠を誓うチェチェンの民兵組織「カディロフ部隊」がプレスツアーを公開しました。
参加しているのはトルコやイタリア、中国などだといいます。
映像では、カディロフ部隊に感謝する姿も映されています。
ドンバス地方に住む女性:「私たちを本当に助けてくれたのはチェチェン人です。私自身、カディロフと話しました。大佐と呼んだんですが、将軍だと直されたんです。自分の言葉をきちんと守る人です」
本当に住民の心をつかんでいるのか定かではありませんが、南部ではロシア側は投票の準備も進めています。
ウクライナ国防省の報道官:「占領者はヘルソン州とザポリージャ州をロシアに併合するため、住民投票の準備をしています」
ウクライナ側が警戒するのは、来月1日にも行われるとされるヘルソン州とザポリージャ州の独立の是非を問う“住民投票”。
ウクライナ侵攻直前、プーチン大統領は親ロシア派が実効支配する人民共和国の独立を一方的に承認しました。
今回、新たに第3、第4の人民共和国を作り、ロシアに併合しようというのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く