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『G20』対ロシアで分断の危機も「制裁の抜け道を認めない」米国の思惑を記者解説(2022年4月20日)
G20=主要20カ国の財務相・中央銀行総裁会議がアメリカ・ワシントンで開かれます。
新型コロナウイルスからの経済回復や、格差是正などが話し合われるはずだったのですが、議題の中心はロシアのウクライナ侵略に起因する諸問題になるのは避けられそうにありません。
財務省幹部:「これまで取り組んできたものがロシアでめちゃくちゃになった。プーチンがもたらした難しくなった世界経済を少しでもいいものにしなければならない」
そもそも、この会合、G7などからは「ロシアを排除すべき」との声も上がっていました。結局、ロシアからは、シルアノフ財務相が参加することになりましたが、対立構図は残ったままです。
ロイター通信は「アメリカのイエレン財務長官やイギリスのスナーク財務相は、ロシアが出席する一部の会議を欠席する方針だ」と伝えています。
G20には、ロシアへの経済制裁に参加していない国も多く、ウクライナ侵略に対する立場も個々で異なります。共同声明という形で、G20での議論の成果をまとめるのも難しい状況です
野村総研・木内登英主席研究員:「ウクライナ侵攻前後、エネルギー価格が大幅に上がって、食料品価格も大幅に上がる。低所得国にとっては、もっと深刻な話。価格が急騰することで食料が確保できなくなる危険性が高まっている。今、G20は、そういった深刻な問題を積極的に対応すべき局面だが、ロシアへの対応をめぐり、先進国と新興国が分裂することになると、議論が進まなくなってしまう」
◆布施哲ワシントン支局長の報告です。
いま、世界各国は「ロシアに対して、どの程度、強硬姿勢で臨んでいくのか」「どういった距離感を保っていくのか」と大きく揺れています。ロシアをめぐって“分断のミシン目”が入るかどうかの瀬戸際です。G20でも大きな影を落としています。
この会議で、アメリカ政府としては、一部の新興国の慎重論をよそに何とか経済制裁を維持したい考えです。特に、中国、インドが重要で、アメリカは根回しをしてきました。中国に対しては、武器の提供をしないように強いプレッシャーをかけてきました。インドについては、ロシア製の武器への依存度が大きいので、2+2といわれる外務・防衛閣僚会合を今月頭に開いて、軍事的にインドを取り込みつつ、経済制裁の抜け道のような動きをしないよう釘をさしました。
このアメリカの必死の動きの背景には「経済制裁がロシア軍の作戦行動、軍事活動に打撃を与えられている」という手ごたえを持っているからです。
ハイテク製品の禁輸、具体的には、半導体や精密機械の全面禁輸をしていますが、これによって、ロシア軍が兵器の部品の調達が難しくなっているといわれています。これにより、兵器の稼働率が低下、つまり、戦闘力が低下しているとアメリカは分析しています。
今後、ドンパス地方で、大攻勢が予想されています。アメリカ政府は、今後のウクライナの未来を決定づける重要な戦いになるとみていて、アメリカ政府としては、経済制裁を維持しながら、ロシアの軍事作戦に打撃を与え続けたい。そのために、このG20で経済制裁の抜け道になるような動きは認めないという姿勢を徹底する構えです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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