ウクライナ側拠点に“突撃作戦” 内部に“市民1000人超”も|TBS NEWS DIG
ロシア軍の包囲が続くウクライナ南東部マリウポリ。
ウクライナ側が拠点とするアゾフスタリ製鉄所付近では18日も爆発音が聞こえ、攻撃が続いているとみられます。
ロシアのインタファクス通信は先ほど、親ロシア派「ドネツク人民共和国」の軍事担当の報道官の話として、この製鉄所に対し、親ロシア派の部隊が突撃作戦を開始したと報じました。
この製鉄所の内部とする映像は、ロシアとの戦闘に参加しているウクライナの軍事組織「アゾフ連隊」が公開していました。そこには
「銃撃のときに、あわてないようにしています」
子どもたちや赤ちゃんを抱く女性の姿も見られ、「アゾフ連隊」は「ロシア側は市民がいることを知りながら攻撃を続けている」と非難していました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシア軍は長い間準備してきた“ドンバスの戦い”を開始したと言える」
ゼレンスキー大統領が強調したロシアによるウクライナ東部の完全制圧に向けた動き、「ドンバスの戦い」。
一方、北部の首都キーウでは、ロシア軍による攻撃が再開され脅威が続く中でも、なんとか日常を取り戻そうという市民の姿がありました。
ウクライナの首都キーウ。侵攻の直後に比べると街は少しずつ日常を取り戻しつつあるようにも見えますが、15日からロシア軍がミサイル攻撃を再開させていて、脅威は続いています。
再び市民生活へ影響が出る懸念もありますが、JNNの取材チームは首都の「復活」に向けた思いを目撃しました。
記者
「キーウでは劇場での公園の再開も始まりました。きょうはこのように超満員です」
舞台の公演が再開したのです。ただ、開演前のアナウンスでは。
劇場アナウンス
「観客の皆様。空襲警報の場合、地下鉄の駅にある避難所に移動してください。サイレンが鳴った場合は駅に避難してください」
この日の公演は、第二次世界大戦下での男女の許されざる恋愛を描いた作品。150を超える席は超満員で、観客たちは、舞台を熱心に見つめていました。チケットの収益は、ウクライナ軍に寄付されるということです。
観客かけ声
「ウクライナに栄光あれ!」
2時間ほどの公演が終わると、観客は総立ち。出演者たちはロシアの軍事侵攻のため、公演の練習をオンラインで続けてきたということで、観客からは割れんばかりの拍手が送られていました。
観客
「素晴らしかったです。(劇場のおかげで)少し不安な気持ちを忘れることができて、人生は(戦争の)前に戻ることができると感じられました
「戦争の時にこうした公演はとても大切です。家に閉じこもって、暗いニュースもあるし、ストレスがたまるので」
砲撃の音が響く街での芸術活動。舞台監督はこんな願いを込めています。
舞台監督
「劇場は人が一時的に戦争を忘れることのできる場所です。そして、戦争が始まるまでに我々が感じていた共感や愛情、優しさといった感情を感じて欲しいです」
しかし、侵攻前の状態にはほど遠いのがウクライナの現実。東部マリウポリでは市民らが避難する拠点に、親ロシア派部隊が突撃作戦を開始したと報じられています。
ただ、ウクライナ側は徹底抗戦の構えを崩していません。
ウクライナ軍の参謀本部報道官
「この24時間でドネツク州・ルハンシク州でウクライナ軍が敵の攻撃を7回撃退した」
ただ、ウクライナ国防省は空爆が強化されたとの見方を示していて、戦闘の激化と市民も含む被害の拡大が強く懸念されます。
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