旧ソ連時代の製鉄所がマリウポリの「最後の砦」に 地下には大きな居住空間も|TBS NEWS DIG

旧ソ連時代の製鉄所がマリウポリの「最後の砦」に 地下には大きな居住空間も|TBS NEWS DIG

旧ソ連時代の製鉄所がマリウポリの「最後の砦」に 地下には大きな居住空間も|TBS NEWS DIG

旧ソ連時代に作られたという製鉄所が、ウクライナ東部・マリウポリの「最後の砦」になっています。マリウポリの関係者が示した資料によると、その地下には、園芸場、居住空間、発電室などもあるそうです。またマリウポリ市議会は、この製鉄所の地下シェルターに1000人を超える市民が避難しているとしています。この製鉄所に関連しロシア軍は「最大400人以上の傭兵がいる。抵抗が続けば全員殺害することになる」としています。一段と激しさを増す東部の争い。専門家にききました。

■ロシアが攻撃強める“ドンバス地域”とは?

南波雅俊キャスター:
ロシア軍がウクライナ東部2州で大規模な攻撃を開始しました。

ゼレンスキー大統領も4月19日未明に「ロシア軍は長い間準備してきた“ドンバスの戦い”を開始した」と発言しています。また、このドンバスに多くの兵士を投入していると言います。

ドンバス地方とは、ウクライナの東部のルハンシク州とドネツク州の二つの州を中心とした地域を呼びます。
元々親ロシア派が多くいた地域で、ロシア軍はドンバス地方を攻撃し“完全制圧”を目指しているのですが、まだ制圧されていない部分もいくつか残っています。

そんな中、アメリカの国防総省の高官は、ドンバス地方などでロシア軍部隊が増強していると言います。4月14日の時点では▼65だったロシア軍の部隊が、19日の時点で▼76と11増えています。1つの部隊というのは約800人から1000人ですので、兵士の数としては約9000人から1万人が増員されているということなんです。

アメリカ国防総省高官
「うち12の部隊がマウリポリを奪おうとしている」

■要衝マウリポリのカギ握るのは「製鉄所」

南波キャスター:
要衝マリウポリの状況です。
ウクライナ軍やアゾフ連隊の拠点でもある「アゾフスタリ製鉄所」は、旧ソ連時代に作られたものです。
偽のフロアや研究室、診療所、また、園芸場やカフェ・バー、居住空間もあるという場所です。
この「アゾフスタリ製鉄所」内部とされる映像が公開されていて、特に居住空間の中には1000人を超える市民が避難しているということです。その中には、子供や女性の姿もあります。また、製鉄所を攻撃するという示唆もありました。

ロシア軍
「最大400人の外国人傭兵がいる。抵抗が続けば全員殺害することになる」

ロシア軍から降伏をするようにという要求があったようです。

ホラン千秋キャスター:
ロシア軍はこの施設の詳しい内容、構造については把握しているんでしょうか?

笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
元々ロシアに近いオリガルヒ財閥が持っていた工場ですので、ある程度把握はしていると思います。ただ、こういう構造になっているということはロシアが急襲するのは難しく、ロシア側も相当損害を被る可能性が高いと思います。

ホランキャスター:
この施設があるマリウポリを含め、東部の2州を制圧することを目指しているということですが、ロシア側はこの制圧が成功しないとどうなるんでしょうか?

畔蒜 主任研究員:
現時点の増強レベルだと、圧倒的にウクライナ側を制圧して、この地域を完全にコントロールするのは難しく、膠着状態が続く可能性が高いと思います。そうなってくると、5月9日の「第二次世界大戦でドイツに勝利した日」にプーチン大統領はどういった声明を出すのか注目ですが、当面は5月9日に向けて、可能な限り支配地域を増やしていくということなんだと思います。

井上貴博キャスター:
ロシア側は軍隊にダメージがある中で、マリウポリは絶対に落としたいんだと。そこで勝利宣言を出して、止まってくれるのか。またその先に向かうのか、この辺りどう分析していますか?

畔蒜 主任研究員:
仮にロシア側が一定の目標を達成したとしても、ウクライナ側は、ロシア側の要求を全て飲む形で停戦合意を結ぶことにはならないと思います。その支配地域を維持するだけでも、一定の軍を置き、戦闘が続くという形にならざるを得ないと思います。

■地下鉄にロシア兵募集の広告・・・ロシアも厳しい?

南波キャスター:
ロシア国内でも動きがあります。ロシアの地下鉄内にある、ロシア兵募集の広告の写真に書かれている文字には・・・

「人ごとではない」
「短期契約」「18歳以上」

この広告以外でも、ロシアの求人サイトでは、「月収約4万8000円~8万円」「迫撃砲兵などの軍務」「経験不問」というような募集もあるようです。

井上キャスター:
かなりの人手不足と言われている中、こういった広告を打たざるを得ないほど、ロシアも厳しい状況なのかもしれません。

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