「運命分ける戦いの始まり」ロシア軍がウクライナ東部へ“総攻撃”・・・街を一気に制圧か(2022年4月20日)
ロシア軍が、ウクラナイ東部への大規模攻撃を開始しました。市民も避難しているとされるマリウポリの製鉄所も、激しい攻撃にさらされています。
■製鉄所に「民間人数百人」
アゾフ連隊副司令官:「アゾフスタリ製鉄所は爆撃され、ほとんど完全に破壊された。強力な爆弾に空爆され、たくさんの人々が、がれきの下敷きになっている」
20日未明に公開されたインタビュー映像。惨状を訴えるのは、ウクライナ軍の精鋭部隊「アゾフ連隊」の副司令官です。
アゾフ連隊は先日、製鉄所の地下のシェルターに民間人およそ数百人が避難している映像を公開。兵士と合わせ2000人ほどがいたということです。
アゾフ連隊は、SNSで状況を明かしていました。
プロコペンコ中佐:「今、アゾフスタリの工場には、数百人の民間人がいます。その中に、様々な年齢の子どもたちがいます。女性や高齢者、マリウポリを守る家族の者たちです。ロシアは、ここに民間人がいることを知りながら、防空壕(ごう)用の爆弾を投下しています」
ロシアの侵攻開始以来、アゾフ連隊は、この製鉄所から市街地に出撃し、押し寄せるロシア軍と交戦していました。
しかし、この1週間ほどは、製鉄所内での籠城(ろうじょう)戦を余儀なくされていました。
■降伏勧告拒否に“総攻撃”
ロシア軍は籠城するウクライナ兵に対し、日本時間の19日午後8時から午後10時までの間に、製鉄所から出てくるよう、降伏勧告を出していました。
親ロシア派「ドネツク人民共和国」報道官:「私の知る限り、製鉄所を襲撃するために特殊部隊が、すでに活動を開始した。ウクライナ国民とアゾフ連隊らが、近々投降することを願っている」
降伏勧告の期限を過ぎて、ウクライナ軍が降伏したという情報はありません。
ロシア国防省は、20日中にウクライナ軍に対し、武器の廃棄を提案。ロシアメディアは、およそ120人が人道回廊で、製鉄所から脱出したと報じています。
■「運命分ける戦いの始まり」
18日から始まったウクライナ東部への攻撃は、苛烈を極めていました。
CNN:「ウクライナの命運を分ける戦いの始まりでしょうか。ロシア軍が満を持して、東部への攻撃を開始した模様です。数百マイルに広がる前線で戦闘が激化しています」
ルハンシク州のルビージュネでは、街の郊外でも砲撃音が絶えず鳴り響きます。
ルハンシク州知事テレグラムから:「激しく煙っている。怖い。ルビージュネの通りの様子だ」
「最初は、あっちから飛んでくると思った。ここで、ウクライナ軍が防衛していたから。そしたら、あっちのほうから飛んできて、あらゆる方向から撃ってきた」
■制圧で“内陸進軍”も可能か
ルビージュネのすぐ西側にあるクレミンナ。18日夜からロシア軍が猛攻を仕掛け、街を一気に制圧。ロシア軍は民間人の車を銃撃し、4人が死亡したといいます。
ルハンシク州・ガイダイ知事:「2カ月間で、ロシア軍は、我々の兵士の位置をすべて把握し、爆弾や大砲など、あらゆる手段で攻撃してきました」
クレミンナの制圧によって、ロシア軍は内陸への進軍も可能になったとの見方も出ています。街の南側に、戦車が集まっているという情報もあります。
■ロシア外相「作戦は新たな段階」
煙が立ち上るのは、今月8日に避難する人たちがあふれ返った駅が、攻撃されたクラマトルシク。新たな攻撃を受け、少なくとも1人が亡くなっています。
ロシアのラブロフ外相は、次のように話しました。
ラブロフ外相:「今回の作戦は、新たな段階が始まりつつあり、今回の特別作戦全体で、極めて重要な時期になる」
■ゼレンスキー大統領「状況厳しい」
ロシアの国営放送も、東部での戦闘激化を伝えています。
「ルハンシク地方の戦線です。市役所の建物にウクライナ軍たちが入り込んだ情報があり、調査が行われています」「ウクライナ軍は、無人となった幼稚園や学校を占拠し、利用することがあります」
“ウクライナ軍が東部の住民を標的に攻撃している”というロシアのプロパガンダです。
対するウクライナ側、ゼレンスキー大統領は日本時間の20日午前4時すぎ、声明を出しました。
ゼレンスキー大統領:「マリウポリの状況は、相変わらず厳しいです。ロシア軍は住民を人質にするため、人道回廊を阻止しています。また、ロシアに連行された数万人の安否は不明です。この戦争で、ロシア軍は最も野蛮で、非人道的な軍隊として、永遠に記憶されるでしょう」
(「グッド!モーニング」2022年4月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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