- 【ライブ】12/25 昼ニュースまとめ 最新情報を厳選してお届け
- 【ウクライナ】涙・怒り・悲劇… ゼレンスキー大統領の言葉と振り返る侵攻一年
- 給食のニラ・・・実は“スイセン” 園児12人が食中毒(2022年4月12日)
- 【ニュースライブ 9/28(土)】“キングメーカー“は誰?石破新総裁誕生のウラ側/斎藤知事 セレモニーなく退庁/大和川で“保険金殺人”か ほか【随時更新】
- “黒ずくめの男”消火器噴射し60万円を奪って逃走(2022年10月28日)
- 【日テレ今週のニュース】すし店店長“なた”で切りつけ/侍ジャパン凱旋 成田に約1200人集結/岸田首相ウクライナ電撃訪問 など――(日テレNEWS LIVE)
【独自】ソ連時代の巨大“地下要塞”に市民1000人超避難 マリウポリ“最後の砦”とは(2022年4月19日)
激戦が続くマリウポリでウクライナ側の「最後の砦(とりで)」となるのがアゾフスタリ製鉄所です。場所はマリウポリ市の中心部から東へ約5キロに位置する製鉄所で、本来であれば、鉄道のレールなどを作る場所でした。しかし、今はウクライナ軍とともに子どもや女性を中心に1000人以上の市民が避難する場所となっています。
この製鉄所にどうやって1000人を超える市民が避難しているのでしょうか。実はアゾフスタリ製鉄所には旧ソ連時代に建設された巨大な“地下要塞(ようさい)”があるのです。
マリウポリの市長顧問がSNSで公開した見取り図などによりますと、診療所、それからバーやカフェ、そして居住空間などがまるでアリの巣のように地下深くに広がっています。
番組はアゾフスタリ製鉄所の現状を良く知るウクライナ軍の司令官を取材しました。広大な地下要塞で今、何が起きているのでしょうか。
“最後の砦”を守る司令官は、悲壮な決意を語りました。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「諦めず、捕虜にはならないし、ロシアに対して絶対に降伏しない」
日本時間の19日深夜1時、番組のインタビューに応じた“アゾフ大隊”の司令官。
降伏勧告の期限から、まもなく2日が過ぎようとしています。
そのアゾフ大隊が、マリウポリでの戦闘を撮影したとされる映像です。木陰からロシア軍を射撃。Zマークの付いた車に手投げ弾を投げ、応戦しています。
ロシア軍の攻撃も、日に日に激しさを増しています。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「空爆は毎日どころか1時間ごとに受けている。砲兵に至っては30分ごとに攻撃されている」
噴煙が高く舞い上がり、激しい空爆にさらされるこの場所こそマリウポリの“最後の砦”です。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「この場所は我々にとって重要な拠点です。英雄であるウクライナ軍は、製鉄所をなんとしても守る。死守します」
激戦にさらされる、アゾフスタリ製鉄所。これは侵攻以前に撮影された製鉄所を紹介する映像です。
東京ドーム235個分の広さを持ち“ヨーロッパ最大級”の製鉄所とも言われています。
ロシアの政府系メディアでも、こう評されています。
ロシア政府系メディア:「親ロシア派の指揮官は、その場所を『都市の要塞・中世の壁』と表現した」
キーウ解放後、マリウポリに移動したアゾフ大隊。
マリウポリの包囲は日に日に狭まり、この製鉄所に追い込まれたとしています。
市当局者は、四面楚歌となった製鉄所に1000人を超える民間人も潜んでいると明らかにしています。
ウクライナ・アゾフ大隊、デニス・プロペンコ中佐:「避難所には子どもたちや女性、高齢者などの民間人がたくさんいます」
製鉄所を守る“アゾフ大隊”が撮影した製鉄所内部とされる映像です。
子どもや女性、高齢者も多くいる部屋はベッドが所狭しと並んでいます。電気はあるようで、服が干され、洗濯もできるようです。
パックで作った工作を見せる子どもたち。笑顔も見られ、とても空爆を受けているようには見えません。
乳児と避難した母親:「兵士たちのおかげで何とか私たちの食料はあります。赤ちゃんの食事まで用意してくれました」
空爆に耐える秘密は、この製鉄所の造りにあるといいます。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「地下室は幅広く枝分かれして、部屋がとても多いのが特徴です。空や海からのミサイルや化学兵器にも耐えられます。隠れ家として使うには都合よく作られています」
マリウポリ市長顧問が、SNSで公開したイラストをもとに作った、地下のイメージ図です。
軍事機密も多く、明らかにされていない部分も多くありますが、地下深くまであり、36の大きな防空壕(ごう)があるとされています。
この製鉄所の社長は、その重厚な守りをアピールしています。
アゾフスタリ製鉄所・ツキティシュビリ社長:「防空壕の上部には4.5から5メートルのコンクリートのパネルがあります。場所によっては厚さが7メートルにもなります」
冷蔵庫や医療施設もあり、バーやカフェもあるようです。園芸場らしきものもあり、植物を栽培し、簡単な自給自足ができるという情報もあります。
なぜこれほどの設備を、製鉄所に備えたのでしょうか。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「元々は第1次世界大戦の時に建てられたものです。避難所と防衛のためにも使われています」
正式には、1930年に完成したアゾフスタリ製鉄所。
現在までも、鉄道のレールや道路などインフラに関わる製鉄を担い、海外にも輸出をしています。
一方、度重なる戦禍により、要塞としての性格を色濃くしていきます。
アゾフスタリ製鉄所・ツキティシュビリ社長:「2014年以降、何かが起こるのは分かっていた。36の防空壕を設置し、有事に備えた」
2014年のクリミア併合を機に、爆撃にも耐えられるよう軍事施設としても、重要な役割を果たすようになります。
一カ月以上に及ぶ激戦を耐え抜く大きな要因には、ある通路の存在があると言われています。
ロシア政府系メディア:「親ロシア派はモスクワの軍事支援を受け、2014年以降、何度か製鉄所を襲撃しようとした。工場の下には誰にも見られず移動できるトンネルがあるといいます。街の中心につながっている可能性がある」
街の中心部につながるともされる“秘密の通路”。その存在は本当なのでしょうか。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「他の市内の地下室とつながっているのか、ロシア軍も知りたがっているだろうから、答えられない。ロシア軍は今もそれを探している」
ただ、いくら鉄壁の要塞とはいえ、攻撃は1カ月以上に及び、兵士も民間人も限界を迎えています。
ウクライナ・アゾフ大隊、ジョリン・マキシム司令官:「包囲は50日以上に及んでいる。食べ物や水が不足してきた」
避難した民間人:「下の息子は寝ている時に足が震えている。上の息子もストレスを抱えている」「ストレスを抱えているし、攻撃も受け続けて食料もなくなってきている。私たちには人道回廊が必要」
子どもたちも、地上に戻れることを夢見ています。
避難した子ども:「ここから出たら食べたい物のリストを作ったよ」「この前は誕生日だった。ここを出たら、ママとパパにきれいな誕生日プレゼントを買ってもらう約束をした」
ゼレンスキー大統領は、兵士たちを称えています。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「私はすべての兵士に感謝します。マリウポリとドンバスにあるすべての都市と戦い続けるハルキウ地域の都市に感謝します。彼らは侵略者の勢力を抑え、ウクライナ全土の運命を守っています」
そのアゾフ大隊は、世界のリーダーに呼び掛けています。
ウクライナ・アゾフ大隊、デニス・プロペンコ中佐:「私たちは世界の政治家たちに適切な人道回廊を作り、民間人と負傷した兵士を保護し、亡くなった兵士の遺体を丁重に葬ることを強く求めます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く