「地獄そのもの」再編ロシア軍がドンバスで戦闘開始 ※動画視聴の際はご注意ください(2022年4月19日)
ゼレンスキー大統領はロシア軍が「ドンバスの戦い」を開始したと述べ、新たな攻撃が始まったことを明らかにしました。戦争の第二段階が始まったという見方もあり重大な局面を迎えています。
ウクライナ東部のドンバス地方。戦いの最前線でロシアの攻勢に備えるウクライナ側の兵士たちの姿です。
ウクライナ軍の兵士:「ロシア軍がこの土地へ侵入すれば、彼らは永遠に、国へ戻ることはできないでしょう。見知らぬ場所に埋葬されることになるが、自業自得だ」
塹壕(ざんごう)や周辺の地形などを確認し、決戦に臨む作戦を考えているようです。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「今、ロシアは長い間準備してきたドンバス地方での戦いを開始したと言えます。ロシア軍の、かなりの数の部隊がこの攻撃に投入されているようです。どれだけ多くのロシアの兵士が来ようとも、私たちは戦います」
ウクライナ国防省によりますと、ロシア軍は東部制圧に向けた部隊再編を完了。航空機の離陸回数が1.5倍以上増え、空爆が増強されているなどと分析。新たに11個分の大隊を東部や南部に投入し、1万人規模に相当するとみられます。
ドンバス地方に隣接するハルキウも広範囲にわたり激しい攻撃を受けています。
ウクライナ軍とロシア軍の断続的な戦闘状態に突入し、戦況は「地獄そのものだ」と市民は表現します。
砲撃により、目の前で父親を亡くした女性。
何度も何度も振り返りながら遺体から引き離され、安全な場所へ連れて行かれました。
住民:「避難って言うけど、一体どこへ逃げればいいの?ウクライナ全土が攻撃を受けているのです。他の土地だっていっぱいミサイルが飛んできている。どこにでも」
傘をさして歩いている時に被弾したのでしょうか。道路には、大量の血の痕も・・・。
住民:「亡くなった男性は水を受け取りに行く途中でした。発砲音がして、2回銃声が聞こえました」
昼夜を問わずロシアの絶え間ない攻撃にさらされているハルキウ。
公園も被弾し、遊具などに直撃・・・。文字通り戦場と化しています。
市長が「街に安全な場所はない」とし、引き続き住民に遠くへ避難するよう呼び掛けます。
「ドンバスの戦い」に先駆け、1カ月以上も包囲を受ける港町のマリウポリでは、攻防がまさに最終段階。
破壊された集合住宅の前で住民は、砲撃のない束の間に食事などしています。
薪を割って火を起こし、スープやパンケーキを作ったり、散髪したりする人の姿も・・・。
住民:「水道を何とかして復旧しなければいけません。水なしでどうやってきれいにするの!本当にひどい」「空爆が本当に怖いです。今は、もう飛行機の音を聞いただけで逃げ出してしまいます。海に近いこの街が大好きでした。でも、この先どうなるか分からないことがすごく不安です」
そのすぐそばの通りでは、遺体が所々で目につく惨状・・・。
マリウポリには、最大12万人が残っているとされ、市長は「最悪の場合、死亡者が2万人を超える可能性がある」とも述べています。
また、比較的安全とされてきた西部リビウでも砲撃が再開。
ロシア国防省は、軍事物資の補給輸送センターを誘導ミサイルで攻撃し、西側諸国から支援された大量の兵器などを破壊したと発表しました。
ロシア国防省・コナシェンコフ報道官:「わずか一日で16カ所のウクライナ軍の拠点や、兵器が集結していた市街地を重点的に狙いました」
一連の砲撃で民間人7人が死亡、11人が負傷した模様です。欧米などからウクライナに供与される武器の運搬は攻撃対象になるとロシア軍は警告しています。
また、こちらの映像は、首都キーウ近郊にあるイルピン。急ごしらえの墓には、次々と棺(ひつぎ)が運ばれてきます。
地元メディアによりますと、イルピンでは269人が殺害され、周辺でロシア軍によって作られた7つの処刑場所が見つかったそうです。
親ロシア派の政治家・メドベチュク氏:「ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領にお願いです。私をマリウポリの兵士や市民たちと交換して下さい」
男性は、ウクライナ政府に拘束されている親ロシア派の政治家、ビクトル・メドベチュク氏。プーチン大統領の盟友とも言われる人物です。
自ら呼び掛ける動画が公開され、戦闘に参加しロシアの「捕虜」となった男性らと交換を望んでいます。メドベチュク氏は、ウクライナ侵攻が始まる前に自宅軟禁となり、侵攻後、軟禁を破って逃亡を図ったためウクライナ保安局に拘束されたそうです。
一方、プーチン大統領はその“盟友”について言及しなかったものの、 日本など欧米諸国がロシアに課した経済制裁については「失敗した」と強気な主張を繰り返します。
ロシア、プーチン大統領:「対ロシア対策は失敗したと自信を持って言えます。経済的な電撃作戦は効果がないことが証明されたのです」
ロシアは、前例のない圧力に耐え、状況は安定しているとし、そのうえで「むしろ欧米諸国の方が経済は悪化している」と皮肉を口にしていました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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