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危険“ゴーストギア” 海洋生物に迫る脅威【SDGs】(2022年4月17日)
海洋プラスチック問題の原因の一つ「ゴーストギア」
その正体は、幽霊のように海中を漂う、廃棄された漁網やロープなどの漁具です。
ウミガメや魚、海鳥などを絡め取り、その命を奪っています。
その実態を取材しました。
沖縄・石垣島。
海中清掃をする平尾 一也さん
「このエリア、ごみが結構落ちているので探しながら」
有志のダイバーが2カ月に1度ほど集まり、
海中清掃を行っています。
「いきまーす!」
すると・・・
ウミガメです。海をきれいにしてくれるダイバーたちを出迎えてくれているようです。
しかし、そのすぐ近くには・・・
大きなロープが岩に深く食い込み絡まっています。3人がかりでナイフやハサミを使いようやくとれました。
さらに、岩に埋まるタイヤ。先端が尖ったいかりもあります。美しいサンゴ。
その下にも・・・釣り糸が絡まっていました。
こうしたものがいわゆる“ゴースト・ギア”。
幽霊のように海中を漂う廃棄された漁網やロープなどの漁具です。
その後も続々と回収される“ゴースト・ギア”。
作業時間およそ1時間でとれたのが、数えきれないほどのロープ、多くの漁網、うき、イカリが2つなど、これだけの量になりました。
海中清掃をする平尾 一也さん
「段々海が汚れてきていると僕自身も感じてきて、胸が苦しくなります」
実は“ゴースト・ギア”は世界で毎年50トンから100トンもの量が新たに流出しているといわれ、海洋生物の大きな脅威となっています。
WWF、世界自然保護基金は去年7月、「早急な対策を」と訴えました。
WWFジャパン浅井 総一郎さん
「漁具、漁網ですとか仕掛け網ですとかそういったものは魚を取るために設計されています。海に流出した後もずっと形状をとどめている無作為に海洋生物を取り続けてしまう“最も危険な”海洋プラスチックゴミの一つ」
海外では漁網が全身に巻きつき、痛々しい姿のアザラシ。メキシコ沿岸に生息するコガシラネズミイルカは“ゴースト・ギア”などの影響で絶滅寸前まで減少したといいます。
石垣島でも、太いロープが巻きついたジンベイザメの姿が・・・
WWFジャパン浅井 総一郎さん
「日本の沿岸水域でも相当量のゴーストギアが存在する身近な問題だと思います」
海中清掃をするダイバーも・・・
海中清掃をする平尾 一也さん
「サンゴに巻き付いて、成長をとめたり、ロープがゆらゆら水中で漂うことで魚が来なったりとか、次の世代にすばらしい景色を残したいのが僕らを動かしている。コストがかかるものなので、限界がある。終わりは見えないと思うんですけど・・・」
増え続ける“ゴースト・ギア”の解決には、有志の活動だけでは限界があります。
そんな中、この現状を打開しようと、新たな取り組みが動きだしていました。
海洋ごみのリサイクル・製品化を行う、サステイナブルファッションブランドのエコアルフ。
独自に“ゴースト・ギア”のリサイクルに挑戦することにしました。
まず、“ゴースト・ギア”を回収するため・・・
志摩市 当時プロジェクトを担当した佐々木りえさん
「こちらが海洋ごみの専用ストッカー(回収ボックス)になります」
三重県志摩市などと協力し、回収ボックスを設置。
賛同した企業とリサイクル商品の製品化を目指します。
しかし、大きな課題が・・・
エコアルフ 下川 雅敏課長
「貝とかカルシウムとか違う成分のものが入っていたり」
“ゴースト・ギア”は原料が不明であったり、不純物が付着していて、単純に溶かすだけではリサイクルできないというのです。
この日は原料がわからないうきを“あるもの”にリサイクルできるか実験です。
うきを熱で溶かし型に流し込んでいきます。
その結果は・・・
エコアルフ 下川 雅敏課長
「成功じゃないですか?」
きれいなボタンが完成!
リサイクルへの第一歩となりました。
まだ課題は多いですが、これを足がかりに、リサイクル技術を発展させ、独自に衣類などの製品化に向けた取り組みもおこなっていきたいといいます。
エコアルフ 下川 雅敏課長
「国からの支援とか機械の設備とかそういったものが不足している。色々な企業とか行政の力を借りて、今まで難しいと思っていた海洋ごみの中でも出来ない部分をより加速していく」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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