“支援拒否”のマリウポリ 3時間泳いで脱出した住民も(2022年4月16日)

“支援拒否”のマリウポリ 3時間泳いで脱出した住民も(2022年4月16日)

“支援拒否”のマリウポリ 3時間泳いで脱出した住民も(2022年4月16日)

(ウクライナ・ゼレンスキー大統領)
『ロシアはウクライナ国民の命を何とも思っていない。ロシアが核兵器や化学兵器を使用する可能性は常にある』

15日、CNNの単独インタビューに答えたウクライナのゼレンスキー大統領。
ロシアが戦術核兵器を使用する可能性に、すべての国が警戒するよう訴えました。

(ウクライナ・ゼレンスキー大統領)
『私たちは恐れるのではなく考えるべきだ。備えなければならない。しかし、それはウクライナだけではなく、全世界の問題だと思う』

アメリカ中央情報局(CIA)のトップも・・・

(CIA バーンズ長官 14日)
『プーチン大統領とロシア軍上層部の焦りや軍事上の失敗を踏まえれば、戦術核兵器の使用に踏み切る可能性は軽視できない』

陥落間際とも言われている、南東部の要衝・マリウポリ。
ウクライナ国防省は、ロシア軍による侵攻後、マリウポリで初めて、長距離爆撃機による攻撃があったと発表しました。
サタデーステーションは、マリウポリ市民のアレクセイさんに現状を聞くことができました。

(マリウポリ市民・アレクセイさん)
『今の住民たちは「この地獄からどうやって子供たちを救うか」を考えている。本当に悪夢で、どのような手段を使っても停戦してほしい』

アレクセイさんは1カ月前までマリウポリで暮らしていましたが、あまりの砲撃の多さに車での脱出を決意しました。

(アレクセイさん)『誰のせい?』
(息子) 『プーチン』
(アレクセイさん)『そうだね。普通に(市民を)殺害したり、銃撃している』

アレクセイさんは、家族を安全な場所に避難させると、ある決断をしました。

(マリウポリ市民・アレクセイさん)
『マリウポリへ行く前に車の準備です。修理が終わり次第出発します』

車のドアに書かれた「マリウポリSOS」の文字。
アレクセイさんは、未だに10万人以上が避難できずにいると言われるマリウポリの住民を1人でも多く救助すべく、動き出しました。

(アレクセイさん)『難民の行列、破壊された車、道に遺体が散乱しています』

(救出された住民)『私たちの荷物は全部車内に積み込まれるね』
(アレクセイさん)『全てを運び出せてよかった』

(アレクセイさん)『今日はマリウポリの知り合いと友達を避難させることができた』
(救出された住民)『言葉にできないくらい助けてもらった』

1日でマリウポリまで2、3往復。
この1カ月でおよそ180人を避難させたと言います。
支援に使う車を見せてもらうと・・・

(マリウポリ市民・アレクセイさん)
『このタイヤはもう5回交換しました。マリウポリに入ると、ガラスの破片ですぐに破れてしまいます。今ゴムがないが、何とか手当てをしています。こんな感じで、おむつ、薬、りんご、ジュース、おしゃぶり、を常備しています。子供たちを載せたときに必要になるので。一回で運ぶのは最大9人。その時は一人がトランクに入りました』

マリウポリでは通信手段も無いため、誰を乗せるかはわからないまま、支援物資を積み込み、救助に向かいます。
これまで、アレクセイさんはマリウポリの住民登録があるため、出入りが許可されていました。
しかし、2週間前から入ることができなくなったと言います。
現在はマリウポリにぎりぎりまで近づいて、住民の救助を続けています。

(マリウポリ市民・アレクセイさん)
『私の願いは息子が健康に育ってくれることだ。妻がしたい仕事をできることだ。人類がやらなきゃいけないことは、環境問題、宇宙問題なのに、今、私たちは戦争をしている。狂っています』

一方、マリウポリから泳いで脱出したという住民もいました。
ドミトリーさんは、夜にウェットスーツを着て、浮き輪代わりのペットボトル4つを持ったまま海に飛び込んだと言います。

(マリウポリから泳いで脱出したドミトリーさん)
『あまりの寒さと恐怖感で心臓が張り裂けそうだった。800メートル泳ぐと疲れて、ペットボトルを胸とのどの下にいれて犬かきをしていた』

冷たい海をおよそ3時間泳いだ結果、マリウポリを脱出できたと言います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事