“海を汚さない”サーモン&バナメイエビ「陸上養殖技術」【SDGs】(2022年4月15日)

“海を汚さない”サーモン&バナメイエビ「陸上養殖技術」【SDGs】(2022年4月15日)

“海を汚さない”サーモン&バナメイエビ「陸上養殖技術」【SDGs】(2022年4月15日)

 「未来をここからプロジェクト」15日は、山の上や畑の中で育てる、海を汚さないサーモンやエビの新たな養殖に挑戦する、ベンチャー企業とご夫婦を紹介します。

■水道水を循環 サーモン陸上養殖

 養殖サーモンを使っている ホテルニューオータニ・大竹孝行西洋料理料理長:「サスティナブルな生産方法ということで、安心安全でとても良い食材」

 千葉県木更津市の山間部。工場のような建物の中で、泳いでいたのは「サーモン」。この施設は、サーモンの陸上養殖場だ。

 一般的に、サーモンは海で養殖するが、餌(えさ)の残りやフンがヘドロ状になって海底にたまり、海洋汚染につながってしまう。

 ここでは、海を汚すことなく、陸上でサーモンの養殖を実現。しかし、養殖に欠かせない海水はどうしているのか?

 FRDジャパン・宮川千裕さん:「水道水に少し塩分を含めて、海のような環境を作り出しています」

 なんと、使われているのは「水道水」。さらに・・・。

 FRDジャパン・宮川千裕さん:「ここは、閉鎖循環式陸上養殖という、水を入れ替えない養殖を行っています」

 従来の陸上養殖では、一日に3割ほどの水を入れ替えるが、ここでは、魚の尿などに含まれる有害な物質を完全に取り除き、水を100%再利用することができる。

 そんな“おかそだち”のサーモンは、一流ホテルのシェフも認める味だ。

 養殖サーモンを使っている ホテルニューオータニ・大竹孝行西洋料理料理長:「とてもさっぱりとしていますので、どんな食材にも合う。生で食べても、平気っていうところも含めて、フレッシュなものが安定供給できるって、すごくうれしいですね」

■休耕地を有効活用 高級エビ養殖

 一方、山に囲まれたビニールハウスの中では、平野さんご夫婦が、食用のバナメイエビを養殖している。

 3つの水槽で、およそ40万匹のエビを育てている。

 一般的な冷凍エビの場合は、スーパーなどで1キロおよそ2000円の値段だが、新鮮な平野さんのエビは1キロ1万円。なんと、5倍の値段で売られている。

 そんな平野さんの養殖場が建てられているのは・・・。

 妻・平野彩さん:「元々、(この畑は)休耕農地だったんですね。(それを)エビ養殖場に作り替えたっていうところです」

 20年間、使われていなかった休耕地のビニールハウスの中に穴を掘り、そこにビニールシートを張って、手作りの養殖場に改造した。

 バナメイエビの養殖が盛んな東南アジアの国々では、養殖場を作るため、次々とマングローブ林が伐採され、環境破壊が深刻な問題となっている。

 平野さんの養殖場は、森などを伐採する環境破壊もなく、休耕地の有効活用にもなり、いわば「一挙両得」だ。

 この養殖場で育ったエビを仕入れている回転寿司店は・・・。

 「磯のがってん寿司」・藤田昌弘チーフ:「こちらのエビは、生きたまま仕入れてますので、プリプリで抜群のエビです」

 妻・平野彩さん:「生産すること自体が、環境に優しいという活動につながると思うので。(この養殖方法が)広がっていけば望ましいと思っています」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年4月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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