ロシア「マリウポリの貿易港を制圧」どんな意味を持つ?専門家解説(2022年4月14日)

ロシア「マリウポリの貿易港を制圧」どんな意味を持つ?専門家解説(2022年4月14日)

ロシア「マリウポリの貿易港を制圧」どんな意味を持つ?専門家解説(2022年4月14日)

ロシア国防省は、ミサイル巡洋艦『モスクワ』の弾薬庫で爆発があり、船体が激しく損傷したと発表しました。爆発の原因は調査中で、どこで爆発したのかは発表していません。一方、ウクライナ軍は対艦ミサイル・ネプチューンがダメージを与えたとしています。

◆国際安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の高橋杉雄さんに聞きます。

(Q.双方、若干の主張の違いがみられますが、どうみますか)
ロシアは、2000年、原子力潜水艦『クルスク』が魚雷の爆発事故を起こしていて、沈んでいます。普通、最前線で弾薬が爆発する事故が起こらないものですが、過去、演習中ではありますが起きていますので、今回、事故の可能性もあります。一方、抗戦海域ということを考えますと、これはウクライナの攻撃ということも十分に考えられます。ウクライナの戦果をロシア側としては認めたくないので、恥ずかしいことですが、“自分のところの事故”と情報を流している可能性もあります。

(Q.モスクワの損傷で、ロシア側の作戦に影響は出ますか)
司令官が乗っている海上作戦には重大な艦ですので、今後の作戦には重大な支障があると思います。このモスクワには、『S300』地対空ミサイル積んでいますので、ウクライナ空軍の攻撃を阻止するための作戦を行っていた可能性がありますので、それができなくなった。もう一つ、オデーサ周辺の海上封鎖。海上封鎖をやるうえで、ほかの船があるから、まだ続けられると思いますが、それなりの影響は出てくると思います。

(Q.これを機に、次々にロシア艦隊が攻め込んでくることはありますか)
今回、ミサイルが原因だとしたら、ミサイル基地、発射装置をつぶす攻撃をロシアはしなければいけない。そういう意味で、地上に対する攻撃は激化する可能性はあります。

ウクライナ東部での戦いが激しさを増すことが予想されるなか、注目されているのが南東部のマリウポリです。ロシア国防省は、アゾフ海に面した“貿易港”を制圧したと発表。これに対し、アメリカ国防総省の高官は、ウクライナ軍の抵抗が依然続いていて、「ロシア軍がマリウポリ全体を制圧したとはまだ考えていない」としています。

(Q.ロシア側の発表が事実だとするならば、この港を制圧した意味はどう考えますか)
マリウポリの戦略的価値がいくつかあります。一つは、位置です。もう一つ、アゾフ海をのぞむ大きな港があるということ。港を抑え、周辺の駅を抑えていますから、機能としては、マリウポリに必要とされる機能はすべてロシアが掌握したということになります。マリウポリ攻略のために、ロシアは大兵力を張り付けていますから、それでウクライナ軍を撃破できたら、その兵力を転戦できます。

(Q.ここまで町を破壊する必要はあるのでしょうか)
市街戦では、建物が障害物となります。今回、ロシアは火力を使って建物を破壊していって、占領しようとしたので、その結果、市街の被害が非常に大きくなりました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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