ウクライナが“動く作戦司令部”攻撃か ロシア旗艦「モスクワ」が炎上(2022年4月14日)

ウクライナが“動く作戦司令部”攻撃か ロシア旗艦「モスクワ」が炎上(2022年4月14日)

ウクライナが“動く作戦司令部”攻撃か ロシア旗艦「モスクワ」が炎上(2022年4月14日)

 今も激しい戦闘が続くウクライナ南東部で今後の戦況に影響を及ぼしかねない大きな動きがありました。ウクライナ側はロシア海軍の柱となるミサイル巡洋艦「モスクワ」の攻撃に成功したと発表しました。専門家は攻撃をした「ミサイル」が重要だと指摘しています。

 威風堂々と海原を走る巡洋艦。この船を巡り、大きなニュースが入りました。

 司会:「最新情報です。ウクライナによると戦艦にミサイルが命中したようですが、情報が錯綜(さくそう)しています」

 この一撃、戦況を大きく変える可能性も指摘されています。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「大きな船なんですけれど、旗艦ということでフラッグシップというんですが、司令官がいるところが船の司令部になる。『動く』作戦指令部」

 1982年に建設されたロシア海軍のミサイル巡洋艦「モスクワ」。

 首都の名を冠した、黒海艦隊の柱となる巡洋艦です。

 今回の侵攻でも、重要な役割を担っていました。

 CNN:「ロシアがオデーサ湾を攻撃する際、『モスクワ』はサポート役だった」

 侵攻初日から、黒海の要所であるズミイヌイ島を攻撃。これはその際、ロシア軍がウクライナ兵に降伏を呼び掛けたとする音声です。

 国境警備隊の公式ユーチューブから・ロシア軍の放送:「あなた方は完全に包囲されている。脱出の可能性はゼロだ。整列して武器を捨てなさい。そして我々の指示に従いなさい」

 降伏を呼び掛けられたウクライナ兵が「モスクワ」に対し、投降を拒否した様子を称え、切手にもされました。

 ゼレンスキー大統領も、滅多に見せない笑顔で称賛していました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「兵士たちの勇気のために新しく作られた切手です。ぜひ使って下さい」

 ウクライナは、その因縁の船の攻撃に成功したと発表しています。

 注目すべきはその“攻撃手段”です。

 ウクライナ・オデーサ州知事のテレグラムから:「黒海を守る“ネプチューンミサイル”はロシアの船に非常に深刻な被害をもたらしました」

 時速1000キロで海面スレスレを飛行するミサイル。

 地元メディアが「ネプチューン」と紹介した映像です。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「ネプチューンミサイルは新型ミサイル。虎の子を今まで隠し持っていて今回、初めて撃って見せたということ」

 ウクライナが自国で改良した「ネプチューン」。

 専門家は“攻撃を受けた船”ではなく、“攻撃をしたミサイル”に注目しています。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「一番の問題はウクライナ軍が対艦ミサイルが運用できることが初めて証明された。射程300キロと言われているのでロシア海軍としては300キロよりも近付くことは危険だと証明された」

 今後、ロシア海軍の動きを制限する可能性もあります。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「例えば揚陸艦で揚陸、基地に着けて地上部隊を送り込むなど、そういった作戦は今後、ロシア側は難しくなる」

 一方、ロシア側の言い分はというと、真っ向から食い違います。

 ロシア国防省:「『モスクワ』で火災が発生し弾薬が爆発した。その結果、大きな損傷を受けたが、乗組員は全員避難した」

 攻撃ではなく「火事」だと主張。原因は調査中としています。

 情報が錯綜するなか、ウクライナメディアは攻撃を称賛しています。

 ウクライナ記者のツイート:「プーチンは今頃怒りで血ヘドを吐いているに違いない」

 確かにロシアは、こうした一連の攻撃に対し、怒りを隠しません。

 ロシア国防省・コナシェンコフ報道官:「もし攻撃やテロ行為がやまない場合、今まで控えてきたキーウの軍事関連施設を攻撃します」

 ただ、ミサイルで好転するほど戦況は甘くはありません。

 ロシア国防省・コナシェンコフ報道官:「マリウポリの商業港湾がアゾフ部隊から解放されました」

 陥落間近とも言われるマリウポリ。

 13日にロシア側が公開した映像です。

 疲れ切ったウクライナ軍の兵士が手を上げ、白旗を上げながら投降したとする様子です。

 投降したとされるウクライナ兵:「生き残っているのは一緒に歩いていた13人から15人くらいです。包囲されたため、無抵抗で降伏せざるを得なかった」

 ウクライナは投降の情報は確認してないとしています。

 マリウポリ市長は、化学兵器の被害を主張しています。

 マリウポリ、ボイチェンコ市長:「おととい我々の街はロシア軍に化学攻撃された。周辺の村には何人かが甘い味を感じたという証言がある」

 アメリカのバイデン大統領と会談したゼレンスキー大統領。徹底抗戦の構えを崩しません。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「すべてのロシア軍と司令官に起こした戦争の責任を負わせると話した。これに関して協力することも話し合われた」

 砲撃の合間にも、取り残された人々の問い掛けは続けます。

 住民:「なぜ殺されているの?なぜ破壊されているの?我が家がなぜ攻撃されたの?」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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