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ロシア外相「軍事侵攻やめない」 “化学兵器”使用の疑いも・・・(2022年4月12日)
南東部最大の要衝を巡る攻防が新たな局面に入りました。死者数が2万人を超える恐れがあるマリウポリで、ロシア軍が化学兵器を使った可能性が指摘されています。
“恐れていた一歩”を踏み出したのでしょうか。
ウクライナ軍アゾフ大隊・隊長:「数時間前にロシア軍はマリウポリで化学兵器を使用し、攻撃してきた。標的になったのはアゾフ大隊の基地であるアゾフスターリ製鉄所だ。攻撃の範囲は広くなかったが、3人に薬物中毒の症状がはっきり出ている」
ロシア軍が陥落を狙う東部の要衝・マリウポリ。ウクライナ軍はロシア軍が化学兵器を使用したと明らかにしました。
場所はマリウポリ東部にある「アゾフスターリ製鉄所」。ドローンから投下された有毒物質。3人に中毒症状がみられるとしています。
“激戦地”の街にある“最前線”の軍事基地だけに、3000人を超えるウクライナ軍がいるという情報もあります。
ロシア側も化学兵器を使った強硬手段を公言していました。
“ドネツク人民共和国”軍事部門報道官(ロシアメディアの取材での発言):「この製鉄所には地下の施設が多数あります。モグラ(ウクライナ軍)を穴からいぶりだす方法を見つける化学部隊に頼るべきだと思います」
ゼレンスキー大統領も警戒感をあらわにしていました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「占領者はマリウポリ軍に対して化学兵器の使用を検討していると述べた。我々は、これを非常に重く受け止めています」
市民も巻き添えになりました。
マリウポリ市議会:「軍や市民に対し有毒物質を使用し、市民らが呼吸不全に陥っている」
マリウポリ市議会は、市民らが有毒物質によって呼吸不全に陥っていると主張しています。
市民を巻き添えにする行為は相次いで行われています。第2の都市ハルキウでは、地雷や小型の爆発物の撤去に追われています。
どう見ても住宅地です。
住民:「朝、確認したら庭にたくさん落ちていました」「この辺だけで10個くらいあった」
廃墟と化したマリウポリ。荷物を抱え、人々は追われるように街を後にしています。
住民:「『空爆』が一番怖いと思いましたが、一番怖いのは『戦車』です。どこを撃つか分からない。私たちが命拾いしたのは運が良かったからです」
軍はもう、限界に近付きつつあるのでしょうか。
ロシア軍は8日から9日にかけて街の北側へ侵攻。次の日は海へ抜けるルートにも侵攻し、ウクライナ軍は東西に分断された状態です。
ある軍隊は遺書とも取れる悲痛な叫びを記しています。
ウクライナ第36海軍歩兵旅団フェイスブックから:「戦争が始まってから47日マリウポリを守っています。足がなくなった人も戦いに戻っている。歩兵が全員いなくなり、料理長も楽団にいる音楽家も戦っています。もう武器もなくなり、きょうが最後の戦いになるかもしれません。あとは素手で戦わざるを得ない状況で、その後は死ぬか捕虜になるかしか残っていません」
ただ、マリウポリ市長の補佐官は、この投稿はハッキングされたものだとしてフェイクだと反論。
情報戦も激しくなっています。ドネツク州の知事はマリウポリの惨状を訴えています。
ドネツク州・キリレンコ知事:「マリウポリは非常に厳しい状態です。住民は自ら逃げています。戦線近くのすべての街には常に攻撃が続いています。この電話中にも空襲警報が出ています」
マリウポリ全体の死者は2万人にも及ぶとされ、こんな特殊部隊の情報もあります。
ドネツク州・キリレンコ知事:「ルハンシク州の方にロシア傭兵(ようへい)軍のグループに関する情報があった。彼らの遺体も確認した。チェチェン部隊の姿もあり、その大部分はマリウポリにいる」
残虐行為で知られ、プーチン大統領に忠誠を誓う部隊の存在も指摘されています。知事は支持を呼び掛けています。
ドネツク州・キリレンコ知事:「国のリーダーたちに分かってほしい事実がある。我々はウクライナの自由・独立のためだけに戦うだけでなく、ヨーロッパ組織や世界の主権や独立のために戦っている」
アメリカは化学兵器の使用は確認できておらず、事実なら深く憂慮すべきことだと懸念を示しています。
アメリカ国防総省・カービー報道官:「人名や暮らしの基盤を無視した残忍な攻撃はドンバス地方で今後も続くと予想される」
イギリスはドネツク州で使用されたとされる白リン弾が今後、マリウポリで使用される可能性を指摘。さらなる民間人の犠牲を示唆しています。
イギリス国防省ツイッター:「ロシアは引き続き無誘導爆弾に依存しているため、標的を定めて攻撃を行う際の差別化能力が低下し、さらに民間人が犠牲になる危険性が大幅に高まっている」
ロシアに軍事侵攻を止める気配はありません。
ロシア、ラブロフ外相:「プーチン大統領は軍事行動の一時停止などを命じたが、応じるつもりがないことが分かり、停戦交渉が最終合意に達しない限り軍事行動を中断しないと決定した」
マリウポリから姿を消しつつある子どもたち。ロシアは国内で避難した子どもたちが動物園を楽しむ様子を海外メディアに公開しました。ロシアは安全だとアピールする狙いでしょうか。
動物園を訪れた人:「食事も飲み物も暖房もあります。書類を準備して仕事を始めたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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