『男性の育休取得率100%』を達成した積水ハウス 取得者の声と会社側の取り組み(2022年4月6日)
少子化が進む中、男性の育児休業に関する法律が今年4月から変わりました。企業が従業員に対して「育休を取りますか?」と確認することが義務付けられたのです。男性が育休を取るとどうなるのか、育休取得率100%を達成した企業に勤める男性に聞きました。
兵庫県宝塚市に住む山田拓実さん(40)。妻・友香さん(37)と、娘・彩愛ちゃん(4)、息子・隆誠くん(1)の4人家族です。
(山田拓実さん)
「休日は近くにたくさん公園があるのでそのどれかの公園に行って、最近は自転車の練習をしたりとか、下の子は歩く練習をしたりとか」
山田さんは「積水ハウス」で注文住宅の営業をしています。3年前、娘が2歳になる直前に1か月間の育休を取得しました。
(山田拓実さん)
「娘を朝送って行って、保育園の献立を見て、被らないように夜ごはんの買い物に行って。子どもとの距離はより縮まったと思いますし、妻のしんどさもすごく理解できた1か月間だった」
妻の友香さんは同じ会社の設計士。夫の育休期間中はフルタイムで働いていました。
(妻 友香さん)
「夫が育休を取るまで、パパにも人見知りをしていたんですけれど、取ってしばらくしてからはすごくパパ大好きになってくれたので。家のことについてもある程度わかってくれたので、私としてもよかったです」
積水ハウスが育休100%を目指すきっかけとなったのは、社長がスウェーデンを視察した際、ベビーカーを押すのがほぼ男性だったことに驚いたのが始まりです。そこで積水ハウスは2018年、3歳未満の子どもがいる全社員が1か月間有給で休めるように独自の制度を作りました。これまでに対象となった男性は1258人で全員が取得しました。
(山田拓実さん)
「1か月終わって復帰してみると名残惜しいというか。仕事の働き方も、早く帰ろうとか、できるだけ子どもが寝る前に家にいるようにしようとか、意識はすごく変わりましたね」
充実した制度を導入した積水ハウス。当初は消極的な意見もあったといいます。
(積水ハウスダイバーシティ推進部 木原淳子さん)
「育休を取るからお客さまの対応ができないというのは失礼なんじゃないかという懸念もあったのですが、お客さまを1人で担当していたのを、例えば2人体制にして、1人が抜けてもいいというような体制を作っておく。全員取ろうというようなところからスタートしているので、子どもが出来たら育休は取るものというところにがらっとチェンジしている」
そして会社の休み方も工夫しました。休む3か月前に、夫婦で育児や家事の役割分担表を作ってもらい、育休中の過ごし方を細かく“見える化”するように促しました。
(積水ハウスダイバーシティ推進部 木原淳子さん)
「やはり、取るだけ育休とか、ゴロゴロ育休とか、休んでも何もしないという問題があるのは承知していましたので。そういう事態にならないように、現状は夫と妻の分担はどうなっているのか、育休が終わっても育児は続きますので、育休後の我が家のありたい姿はどうなんだろう、というところまでしっかり考えて書いてもらう」
山田さんは職場への復帰後も洗濯や食器洗いなどを続けています。育児や家事が日常になり、仕事にもプラスの効果があったといいます。
(山田拓実さん)
「家づくりのお手伝いをする仕事なので。お子さま目線の話とかってなかなかしにくかったんですけれど、1か月まるまる子育てをすることで、料理や保育園、学校のこととか、お客の奥さまと距離感が近い話ができるようになったと思います」
国が背中を押す男性の育休取得。厚生労働省によりますと、2020年は男性の育休取得率は12.7%で、政府の方針では2025年までにこれを30%とするとしています。男女の育児休業の取得期間は、女性の場合は9割近くが6か月以上となっている一方で、男性の場合の8割近くが1か月未満となっていて、一番多いのは5日未満の36.3%(厚生労働省・2018年)だということです。
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