「住民の遺体が消える・・・」ロシア軍“残虐行為”隠蔽か ※動画視聴の際はご注意下さい【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年4月7日)
ウクライナの首都キーウ近郊で、多数の民間人の遺体が見つかったことを受け、アメリカがロシアへの追加制裁を発表しました。ロシア最王手の銀行「ズベルバンク」の資産を凍結するなど、制裁を強化します。
一方、激戦が続くウクライナ東部の都市・ドニプロでは、ロシア軍による空爆で、石油貯蔵施設が炎上しました。
また、これから流れるVTRには遺体の映像が含まれています。「つらい」と感じる方は無理なさらないで下さい。
■東部で戦闘激化・・・“残虐行為”隠蔽も
市街地での銃撃戦。ウクライナ東部で、ロシア軍の激しい攻撃が続きます。
一方、ロシア軍から奪還した街では、多くの民間人の遺体が見つかったブチャと同様に、目を疑うような光景が広がっていました。
こうした残虐行為について、新たな疑惑も浮上しています。
■ルハンシクで戦闘か・・・兵士の腕に「Z」
銃を手に、前傾姿勢で移動する兵士。ロシア国営テレビで放送された映像です。
撮影された日は分かっていませんが、ウクライナ東部のルハンシクでの戦闘の様子だといいます。
兵士の腕には、ロシア軍のシンボルマークである「Z」の文字が確認できます。
映像には、爆発音がした直後、地面に伏せる様子もありました。
■ロシア軍 石油施設破壊・・・火の海
ウクライナ東部では、ロシア軍が攻勢を強めています。
燃え盛る炎の前で、懸命に消火活動にあたる消防隊員。5日の夕方、ウクライナ東部・ドニプロの石油貯蔵施設が、ロシア軍の攻撃を受け、激しく炎上しました。
現地当局によると、翌6日の午前中にようやく鎮火したものの、石油を貯蔵していた6つのタンクが破壊されました。
ただ、死傷者はいないといいます。
■廃墟の街「V」マーク・・・自宅に酒瓶
黒焦げになった集合住宅。多くは壁が剥がれ、中がむき出しとなっています。
ミサイルが直撃したのでしょうか。建物の真ん中が、えぐれています。
多くの民間人の遺体が見つかり、世界に衝撃を与えたブチャと同様に、ロシア軍から奪還したキーウ近郊のボロディアンカの様子です。
CNN記者:「このように、完全に破壊された複数の家があります。こちら側には、大きなマンションが崩壊しています。ここにあった建物は、完全に破壊されています」
壊滅状態の街には、至る所に「V」のマークが記されています。砲撃によって破壊された車体にも・・・。建物の柱にも・・・。
CNNによると、これはロシア軍が記したもので、どの部隊が侵攻したのかを示すためのものだといいます。
ボロディアンカから避難していた住民が、自宅に戻ると、そこにはロシア兵がいた痕跡が残されていました。
女性:「お酒があちこちにある。空の瓶が複数、廊下に置いてあったり・・・」
家の中には、無数の酒瓶や、タバコの吸い殻が散乱していました。
そして、惨状となっていたブチャと同様に、路上には、遺体が放置されていて、その脇には、薬莢(やっきょう)も落ちていました。
■ブチャ上回る犠牲者も・・・200人行方不明
犠牲者の数がブチャを上回ると指摘されているボロディアンカ。まだ具体的な人数は、明らかになっていません。
また、海外メディアによると、行方不明者は200人いるともいわれています。
■「遺体がない」・・・“残虐行為”隠蔽か
キーウに程近い村・ホストメリでも、400人が行方不明になっていると報じられています。
村の責任者は、「住民が殺された写真や証拠はあるものの、遺体は発見できていない」と述べ、地元メディアに対し、ロシア軍が残虐行為の痕跡を消していたと指摘しています。
■オデーサ空爆・・・市民が“土のう”防衛
ウクライナ東部や南部への攻勢を強めるロシア軍。激しい爆発音が住宅街に響き渡ります。
その数秒後、画面に映る高層ビルが一瞬、明るくなり、再び爆発音が聞こえます。これは3日の早朝、ウクライナ南部の港湾都市・オデーサで撮影された映像です。
オデーサ在住・王吉賢さん:「この日の攻撃は、音や感覚としては、開戦初日の攻撃規模と似ている」
動画を撮影したオデーサ在住の中国人・王吉賢さん。SNSで、オデーサの現状などを発信しています。
王さん:「毎日、ミサイルが飛んでくるわけではなく、ドローンなどの飛行物体もあります。現在のオデーサにとって、最も怖いのは空。しかも、海上の空からの攻撃」
海上からの攻撃に備え、オデーサの海岸沿いに土のうを積む住民。歴史的建造物の周囲にも、ロシア軍の戦車の侵入を防ぐために、バリケードを作っています。
オデーサは、南部の激戦地マリウポリなどに比べると被害は少なく、これまで多くの市民たちは普段通りの生活を送っていました。
しかし、今月に入り、市内の石油精製施設など、3カ所がミサイル攻撃を受けました。
王さん:「私たちはもちろん、戦争が早く終わってほしいと望んでいます」
ウクライナ海軍の港があるオデーサは、ロシア軍による全面侵攻の可能性が、幾度となく浮上しています。
■「国境なき医師団」の日本人“懸命支援”
東部の都市ドニプロの避難所です。
通訳:「彼は、地下にいた1週間、靴を履きっぱなしでした」
男性:「マリウポリから、5日かけてここにきました」
マリウポリからの避難民を治療する日本人医師。「国境なき医師団」の救命救急医・門馬秀介さんです。
通訳:「戦争が終わったら、マリウポリに来て下さい」
門馬さん:「はい、ありがとうございます。日本へも、いつか来て下さい」
通訳:「ちょっと遠すぎます」
門馬さん:「(ドニプロの)避難所の方は、マリウポリから逃げて来ていたり、ドネツクから逃げてきたりする人が、たくさんいるんですけど。怖い思いをして逃げてきているので、精神的なサポートっていうのが一番必要。僕たちが入っている所は、生活が保たれていて、安全がそれなりに確保されている。ただ、扉を開けると、向こう側にはもう戦争があって、皆の心の中にも、常にそういうのがあるんですけど。それを隠しながら、皆、生活してるんですよね」
門馬さんは、先月19日に日本を出発し、23日からドニプロを拠点に活動していました。
多くの負傷者が出た場合に、優先順位を付けて治療する「トリアージ」などのノウハウを、ドニプロやザボリージャなどの医療従事者に指導してきました。
さらに、医療機関が標的になった場合に備えて準備もしたといいます。
門馬さん:「『アンダーグラウンドホスピタル』と言って、本当に爆撃とか何かあった時に、地下に手術室だとか、救命センターを作る準備をしたりしていた。ロシア軍が侵攻するには、ドニプロとかザポリージャは次の拠点なので」
ウクライナ各地で起きている医療機関への攻撃。そんななか、ウクライナへ行くことを選んだ門馬さん。日本には、妻と生後5カ月の息子がいます。
門馬さん:「僕は救命救急医で、命のスペシャリストなので。それは、日本であろうと、世界であろうと、必要であれば行きますので。家族からは、『子どもと家族を守れるのは、僕しかいない』って言われたんですけど。そこは天秤(てんびん)にかけられるところでもないですし、できることがあれば、どこでも僕は行きますので」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年4月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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