値上げの春 「今後1年は値上げが続く覚悟が必要」なぜ?専門家解説(2022年3月31日)
4月1日からさまざまな物の値段が上がります。
東京都内にあるタイヤ販売店では、スタッフがタイヤの交換作業に追われていました。天然ゴムなどの原材料価格の高騰を受け、タイヤメーカー各社が、7%から10%、値上げします。
アップガレージ練馬店・脇田康平さん:「いま税抜き41900円のものが、1日から45900円。4000円の値上げ。ここまで上がり幅が高いのは経験したことがない」
食用品や生活用品も値上がりします。例えばチーズ。明治が20品で最大6.7%、森永乳業も25品で最大10.5%、値上げします。
食用油では、日清オイリオとJーオイルミルズが1キロあたり40円以上の値上げ。駄菓子の『うまい棒』も、1979年の発売開始以来、初めての値上げです。日用品では、トイレットペーパーなどが値上げされます。
消費者は、どう受け止めているのでしょうか。
70代女性:「かなり家計には響く」
30代女性:「大変。結構(子どもが)食べるから。値段を見て、買うものは選んじゃうかもしれない」
ベニースーパー・赤津友弥本部長:「毎日、買っている商品が、いきなりポコッと値上がりすると、(お客さまとの)信頼関係が損なわれる可能性があるので、本当にその値上げが正しいか、判断させていただく時間が必要」
このスーパーでは、容量の違う商品を取り揃えて、客に値上がりを感じさせない工夫をしているといいます。食品などの値上げは、いまに始まったことではありません。
ベニースーパー・赤津友弥本部長:「昨年の夏ぐらいから増えてきた。今年に入り、ほぼすべての商品に値上げの要請が来ている状況なので、どんどん値上げの波は広く、大きくなっている」
エコノミストの崔真淑さんによりますと、「今後1年は値上げが続く覚悟が必要」だといいます。
なぜ“1年”なのでしょうか。
崔さんが、特に大きな理由として挙げているのが“原油高”です。
崔さんによりますと、ウクライナ危機を受け、「ロシアからの原油の提供が停滞するのでは」という不安や懸念が世界的に広がっているため、供給減少を見越して、投資家が“先物買い”し、価格が高騰しているそうです。加えて、OPEC=石油輸出国機構は増産要請に消極的な姿勢です。
アメリカは「シェールオイルの増産を始めているものの、従来の原油掘削に比べ時間とコストがかかるため、アメリカの生産量がロシア原油供給を、一定程度、穴埋めする規模になるまでに1年かかる」としています。
1年で落ち着くのでしょうか。
崔さんによりますと、いまは原油供給量が減少する懸念から、価格が上昇しているが、今後、“実際にロシア産原油が市場に出てこないケース”も考えられる。そうなった場合、アメリカの増産だけではカバーできず、さらなる価格上昇につながる可能性もあるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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