“空白の12日間”隠蔽を否定 日大「調査を優先」 林理事長“お飾り”否定も反省の弁【もっと知りたい!】(2023年8月9日)

“空白の12日間”隠蔽を否定 日大「調査を優先」 林理事長“お飾り”否定も反省の弁【もっと知りたい!】(2023年8月9日)

“空白の12日間”隠蔽を否定 日大「調査を優先」 林理事長“お飾り”否定も反省の弁【もっと知りたい!】(2023年8月9日)

 日本大学アメリカンフットボール部の薬物事件を巡って林真理子理事長らが8日、記者会見を行いました。“悪質タックル”問題から5年が経ち、改革半ばでの不祥事に当時の元幹部は「今の幹部陣に力量がない」と組織の在り方を批判しました。

■「空白の12日間」に質問集中

 林理事長:「大変遺憾であり、理事長として深く受け止めるとともに、関係者の方々に多大なご迷惑とご心配をおかけした」

 冒頭、謝罪した林理事長。アメフト部員が覚醒剤と大麻所持容疑で逮捕されたことを受けて8日、日大は理事長に加え、酒井健夫学長、澤田康広副学長も同席し、会見を開きました。記者から質問が集中したのは「空白の12日間」についてです。

 日大は先月、大学などに届いた「寮で大麻を使用している部員がいる」という情報提供により6日、大学独自の調査で寮から植物片と錠剤を見つけていました。

 しかし、これを警察に報告したのは、18日のことです。なぜ、12日間空いてしまったのか、指摘されると…。

 酒井学長:「これは不審物を発見した時点では違法な薬物であるとの確証がなく、ヒアリング調査を進めてからまとめて、警察に相談しようと考えたためであります」

 「学生への聞き取り調査に時間がかかった」というのです。しかも、期末テストの期間中で、一日に1人から2人ずつというペースの聞き取りでした。その一方で…。

■元検事の副学長 植物片などを一時保管

 澤田副学長:「パッと見て、よく分からない、ただ“大麻のカス”かもしれないと思いました」「(Q.警察に報告しないのは不自然では?)我々は捜査機関ではありませんので、まず教育機関として教育的配慮が必要であります。学生に反省を求め、学生が自首するのであれば、それをさせるのが大学として責務であると考えております」

 澤田副学長はその間、自身の責任で発見した植物片などを保管していました。

 澤田副学長:「学生から発見された“ブツ”(薬物)について…」「いわゆる“パケ”(袋)と呼ばれているものでありますが…」

 会見で「ブツ」や「パケ」など専門用語を連発した澤田副学長。日大法学部を卒業後、宇都宮地方検察庁や東京地方検察庁で勤めた元検事の肩書を持つ人物です。

 大麻かもしれないと思いながら、植物片などを保管していた点について専門家は、次のように話します。

 若狭勝弁護士:「(副学長が保管していた)大麻草が微量なんです。起訴はできない量なんです。もう一つは錠剤だった。普通、覚醒剤というと、白い粉ということが多いので。覚醒剤という認識があまり持ちえない可能性があった」

■“7月ごろに大麻吸った”学生から申告も

 会見では、新たに判明した事実もありました。

 去年10月29日、アメフト部長らには、保護者から「学生寮内で大麻を使用していないか」という調査依頼がありました。大学はその後、聞き取り調査を実施しましたが、大麻使用の事実は確認できなかったといいます。しかし…。

 酒井学長:「(去年)11月下旬に学生1名から『大麻と思われるものを7月ごろに吸った』と自己申告が指導陣に対してあった」

 大学は、去年の時点で大麻らしきものを吸ったという学生の存在を認識していたことになります。

 酒井学長:「この申告について警察関係者に相談したが、申告のみで物的証拠がなく4カ月が経過していて、大麻かどうか確認できないことから、事実の立証は困難という回答があった」

 そのため大学は、この学生に対して口頭で厳重注意するにとどめました。

 その事実を林理事長がいつ把握したのか、質問が及びました。

 林理事長:「それは最近知りました。私の方に上がる事案ではないと、澤田副学長が認識したと思っています」「(Q.去年中に大麻使用の情報が入ってこなくて問題ない?)澤田副学長が対応しておりますので、私は適切だったと思っております」

 最近まで自分に情報が上がってこなかったことは、問題なかったとの認識を示しました。

 今回逮捕された学生と自己申告した学生が同一人物かは、会見では明らかにされませんでした。

■日大元幹部「今の幹部陣に力量がない」

 2018年に起きた“悪質タックル”から5年、再び大学を揺るがした今回の事件。

 日大元幹部:「自分ならもっと早く手を打ちます。今の日大幹部陣に力量がなかったんですよ。しょうがない」

 会見を受け、番組の取材に答えたのは、“悪質タックル”問題発覚当時、日大の幹部だった人物です。

 日大元幹部:「僕の時には、そういうことが起きないように厳しくやっていました。大麻を未然に防ぐというわけではなくて、抜き打ちで点呼やるとか、最悪の事態にならないように、不幸にならないように」

■“お飾り”報道に林理事長が反論

 会見では大学の隠蔽(いんぺい)を疑う質問もありました。

 記者:「会見が遅れたこともあり、“大学側が隠蔽”という疑念が広がった…」
 林理事長:「隠蔽と言われることを非常に遺憾でございまして、間に土曜日と日曜日が挟んでおりましたし、私どもはまだ情報もきちんと把握しておりませんでした」

 隠蔽を否定した林理事長は、さらに…。

 林理事長:「私が“お飾りの理事長”という報道がありますが、そのような評価をとても残念に感じております」

 大学としての対応は適切であったとする一方で、反省の言葉も述べました。

 林理事長:「就任してから、ほとんどスポーツの方は、澤田副学長、学長にお聞きする立場でございまして。はっきり申し上げて、遠慮がございました。もっとグイグイ行くべきだったと思っております」

(「グッド!モーニング」2023年8月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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