横浜・桜の名所「海軍道路」 桜並木300本ほぼ伐採へ・・・“老木化”“道路拡張”で無念(2022年3月30日)

横浜・桜の名所「海軍道路」 桜並木300本ほぼ伐採へ・・・“老木化”“道路拡張”で無念(2022年3月30日)

横浜・桜の名所「海軍道路」 桜並木300本ほぼ伐採へ・・・“老木化”“道路拡張”で無念(2022年3月30日)

 各地から「桜満開」の知らせが届くなか、横浜にある桜の名所「海軍道路」では、「ソメイヨシノ」の伐採が始まっています。伐採には、全国の桜にも関わる深刻な理由がありました。

■桜並木300本 ほぼ伐採へ・・・

 桜の名所は、今年久しぶりに多くの花見客でにぎわっています。

 横浜市では28日、平年より4日早く、満開を迎えました。

 横浜市瀬谷区にある海軍道路では、きれいな桜の木々が見頃を迎えています。その桜を目当てに、写真を撮る人の姿も見られます。

 戦前、旧日本海軍の施設があったことが由来となった海軍道路は、横浜市の桜の名所として知られていて、およそ3キロにわたって、300本もの桜が並んでいます。

 この見事な桜の道を愛でようと、毎年春になると、多くの観光客が訪れます。

 花見客:「(Q.何回か来たことあるか?)私は地元なので、小さい時から」「きれいですね」

 しかし、この海軍道路の桜並木が、今後、見られなくなってしまいます。

 今後、数年の間に、全体でおよそ300本あるうちのほとんどを伐採する予定だというのです。

 地域住民:「ここ、すごい見事なので、さみしくなりますね」「色々あるから、一概には言えないけど、私としては残念です」

■「貴重な財産」市長も無念

 なぜ、これだけ見事な桜を切らなければならないのでしょうか?

 横浜市・山中竹春市長:「海軍道路の桜並木は、多くの方々に愛される、地域の貴重な財産であると考えています。しかしながら、一方で老朽化が進み、再生が必要な時期にきており、道路の拡幅に際しては、桜を伐採せざるを得ないと考えております」

 桜の木は、昭和50年ごろから、植樹が行われ40年以上、経ちました。

 老木化が進んでいることや、海軍道路を拡張する計画があることから、桜を伐採せざるを得ないといいます。

 実際、29日に取材した際も、一車線ずつしかない車道は、渋滞が発生していました。市の担当者は、次のように話します。

 都市整備局 上瀬谷整備推進課・西岡毅課長:「街路樹という観点からいきますと、ソメイヨシノは剪定(せんてい)といって、木を切ったり、どうしても車の通るスペースを空けたりしなくてはいけなかったりします。木を切ったりすると、切り口から病気が入ってきたりですとか、下のほうにキノコが生えたりして、倒木の危険があることから、伐採を進めている状況です」

 老木化や病気により、樹木が倒れやすくなっているといい、これまでにも、台風の影響で倒れてしまったこともありました。

■“寿命前”に何が・・・?全国でも

 こういったソメイヨシノの老木化による植え替えは、全国的な問題になっています。

 都内でも、弱くなった桜の木が台風の影響で、倒れて道を塞いだこともありました。

 また、長野県諏訪市の「千本桜」も樹木の衰えで、倒木が頻発していて、現在は300本にまで減ってしまいました。

■道路拡張に老木化・・・「再生必要」

 全国各地で老木化したソメイヨシノを伐採したり、植え替えしたりせざるを得ない理由を、桜に詳しい樹木の専門家は、次のように話します。

 公益財団法人 日本花の会 寺井海樹人さん:「街路樹に関していえば、そもそもソメイヨシノは、大きくなる木なんですが、それを植える場所が小さすぎたりだとか、根がせり上がってきているような。ソメイヨシノは特に、そんな状況になっているのが多いんですよ。成長の限界になって、衰退していているのが多い」

 横浜の海軍道路は、市民の声に応え、道路の拡張工事後も、桜の名所として復活させるため、ソメイヨシノほど大きくならない品種に植え代えることも、検討されています。

(「グッド!モーニング」2022年3月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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