「日本で勉強や仕事を」ウクライナ人避難者に支援の動き 渡航費や保証人など課題(2022年3月29日)
ウクライナから国外に避難した人の数が370万人を超えました。日本政府も受け入れに乗り出していますが、ある課題に直面しています。
ウクライナの隣国ポーランド。在ポーランドのウクライナ領事は、ある日本人女性に感謝の言葉を贈ります。
在ポーランド、ウクライナ・クラクフ領事館、ビャチャスワフ・ボイナロフスキー領事:「私たちは今回のウクライナ避難者の日本への受け入れに関する活動についても、感謝しています」
カスプシュイック綾香さん(31)、ポーランドの観光地クラクフ市の公認ガイドをしています。
そんな彼女が始めたのが、日本への避難を希望するウクライナ人へのサポートです。
ポーランド在住・カスプシュイック綾香さん:「クラクフ中央駅に行く機会があり、現状を目のあたりにして、自分にできることはないかと思ったんですけど」
この日、綾香さんが実際に会ったのは、ウクライナのハリコフから避難してきた、21歳のレナさんです。日本文化が大好きで、数カ月前から日本語の勉強を始めていました。
と、ここで問題が。綾香さんが話せるのは、日本語、英語、ポーランド語。レナさんはウクライナ語とロシア語です。そこで翻訳機の登場です。
レナさんには両親と14歳の弟がいますが、家族をハリコフに残して1人での日本への渡航を希望しています。
激しい攻撃にさらされたハリコフ。レナさんは駅まで15キロの道のりを歩き、ウクライナ西部のリビウを経由して、ポーランドに入りました。
ハリコフから避難したレナさん:「日本では勉強と仕事をしたい。食品業界に興味があり、できれば食品の工場のような所で働きたい」
しかし、レナさんの渡航には問題があります。彼女はパスポートを持っていません。また貯金も少なく、何より、日本での身元保証人がいません。
綾香さんは早速、動きます。
日本への留学経験もあるポーランド人の仲間と相談しながら、日本に行くための書類を作成し、ビザ申請を行うことに。そして、渡航費などの費用を捻出するための募金を呼び掛けました。
残る問題は日本での身元保証人でした。
ポーランド在住・カスプシュイック綾香さん:「大使館に電話したり、自治体にも掛けています」
18日、日本政府は日本での身元保証人がいなくても入国を認めると発表しました。しかし、実際に大使館や外務省、受け入れを表明している自治体に問い合わせたところ「身元保証人は必要」などと言われたというのです。
幸い、レナさんの日本での身元保証人の候補が見つかりました。今は、日本での滞在先や仕事などを探しています。
綾香さんたちは、今後もレナさんだけでなく、多くの人を日本に避難させるつもりです。
日本への避難を支援する、コルネル・ハドゥフさん(29):「ここが多分、最大の課題になると思うんですよね。身元保証人を見つけること」
一方、積極的に日本での受け入れを表明している日本人もいます。今回、自身もウクライナからポーランドに避難し、日本に帰国した男性。避難先で親切にしてもらったことに感動したといいます。
日本での受け入れを表明・葛西孝久さん(71):「無条件でその(ポーランドの)人が僕たちを受け入れてくれたっていうね。本当にありがたい経験をしまして、ポーランドの人に教えてもらったのは避難民は100%受け入れるって姿勢です」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く