日大前理事長脱税 田中英寿被告に執行猶予付き有罪判決
脱税の罪に問われた日本大学前理事長の田中英寿被告に対し、東京地裁は懲役1年、執行猶予3年、罰金1300万円の有罪判決を言い渡しました。
日大の前理事長・田中英寿被告(75)は、背任事件で起訴されている日大の元理事や取引業者から受け取ったリベートなど、およそ1億2000万円の所得を隠し、およそ5200万円を脱税した罪に問われています。
田中被告は初公判で、「争う気はありません」と起訴内容を認めていて、その後の被告人質問では、「前理事長として責任は感じている」「十分反省しております」と述べる一方、事件については「理解できないところがあり、残念に思っている」とも話していました。
検察側は「我が国でも有数の規模を有する学校法人の理事長という立場を利用して関係業者などから受け取った多額のリベートを申告せず、社会的非難は強い」と指摘し、懲役1年と罰金1600万円を求刑していました。
きょうの判決で東京地裁は、「田中被告は受領した現金を自宅で保管したほか、妻に所得金額から除外して確定申告を行うよう指示した上で税理士事務所への対応をさせている」「単純ではあるが大胆な手口」と指摘。その上で「関係業者からの謝礼等を受け取っていたことが表沙汰となるのを避けたいなどと考え、これを隠蔽するために本件に及んだ」「動機は身勝手」として懲役1年、執行猶予3年、罰金1300万円の判決を言い渡しました。
関係者によりますと、田中被告は控訴しない意向だということです。
(29日14:12)
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