ウクライナ 子ども含め1035人死亡 ウクライナメディア「ロ軍白リン弾使用」
ロシアによるウクライナ侵攻から1か月が過ぎましたが、依然、攻撃は続いています。民間人の死者は1000人を超えているとされ、さらなる被害の拡大が懸念されています。
ロシア軍が包囲するウクライナ南東部のマリウポリ。イリーナ・チェクマックさんは16日、両親や夫らと共にこの街から避難しました。
東部マリウポリから避難した イリーナ・チェクマックさん
「永遠に忘れません。3月16日、私たちは地獄から脱出しました。人道回廊なんてものはなかった。街にあったのは壊れた車と空爆と砲撃だけでした」
ロシアとウクライナは市民を避難させるための「人道回廊」を設置することで合意しましたが、実態はかけ離れていたと証言します。
東部マリウポリから避難した イリーナ・チェクマックさん
「私たちが避難した16日、2台の車がシェルターの近くにありました。『子ども』と書かれていたのに、爆撃によって爆破されたのです」
自家用車で丸3日かけて移動し、いまは東部・ドニプロの友人の家に身を寄せているといいます。
これは、イリーナさんが避難する際に街の様子を撮影した映像です。集合住宅は真っ黒に焦げ、鉄柱も倒れてきています。
東部マリウポリから避難した イリーナ・チェクマックさん
「遺体があちこちに横たわっていても、誰もどうすることもできませんでした。銃撃が鳴りやまず、外に出ることすらできなかったのです」
遺体の収容も難しかったのか、道にはタオルのかけられた亡きがらが放置されていたということです。
ウクライナ南東部、マリウポリから避難したイリーナさんと夫のセルゲイさん。ロシア軍の包囲が続く中、命がけの脱出でした。JNNの取材に、爆撃でいとこのローマンさんを亡くした時の状況を語りました。
東部マリウポリから避難した セルゲイさん
「私の両親の住む家も爆撃されました。地下室に避難していなかったらいまは生きていないでしょう。ただ、いとこはこの爆撃で犠牲になりました。村で普通の生活を送っていただけでした」
生まれつき障害があったというローマンさんは自宅に残り、シェルターには避難していなかったということです。遺体は今も埋葬できていません。
ロシア軍による侵攻開始から1か月が過ぎましたが、マリウポリをはじめ、全土で戦闘は続き長期化も懸念されていて、国連はウクライナで子ども90人を含む少なくとも1035人の民間人が死亡したと発表しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「けさ、ロシア軍がウクライナの市民に対し『白リン弾』を使用したという報告を受けた」
G7=主要7か国の首脳会議のオンラインでの演説で、ロシア軍が深刻なやけどをもたらし非人道的とされる「白リン弾」を使用したと明らかにしました。
こうした中、ウクライナ側も激しい抵抗を続けています。24日にはウクライナ海軍が南部の港でロシア軍の大型揚陸艦を破壊したと発表、映像を公開しました。
一方、軍事侵攻が想定通りに進んでいないとされるロシアのプーチン政権内で注目されているのが、ショイグ国防相の消息です。
ロシアの独立系調査報道機関は23日、ショイグ国防相が今月11日以来、公の場に姿を現していないことを指摘。ショイグ氏の知人の話として、「心臓の調子が悪い」と健康問題を抱えていると報じました。
ただ、ロシア大統領府は24日、ショイグ国防相がオンラインで安全保障会議に出席していることを公表しました。
ロシアでは大統領特別代表チュバイス氏の辞任が明らかになったばかりで、ショイグ氏の動静にメディアの関心が集まっていますが、ペスコフ大統領報道官は国防相がメディア向けの活動をする時ではないとコメントしています。
（25日16:12）
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