6年ぶり1ドル121円台・・・円安加速で生活に“トリプルショック”(2022年3月24日)
23日の東京外国為替市場は、一時1ドル121円台と、およそ6年1カ月ぶりの水準まで、急速に円安が進みました。コロナ禍、ウクライナ侵攻に加えての“トリプルショック”になり、輸入牛肉など私たちの生活に欠かせないものへの影響が心配されます。
■肉の仕入れ価格「1.7倍近く・・・」
輸入牛肉のボリュームあるステーキが「売り」の東京・渋谷区の飲食店。これまでにもコロナ禍の影響で、仕入れ値が高騰し、苦しんできました。
そこに追い打ちを掛けそうなのが、円安です。
「Bistro Brown」・武田昌樹店長「(Q.肉の仕入れ価格が上がっているか?)そうですね。モノによっては、高いと1.6倍とか1.7倍近いものもあります」
店長は、ここまで提供価格を据え置いて、踏ん張ってきたといいます。
武田店長:「なかなか値段も上げづらい」
しかし、こだわりだったアメリカ産牛肉の卸し価格の上昇が止まらないため、オーストラリア産に泣く泣く切り替えました。
武田店長:「(値上げ)したいですけど、コロナもあって、客も来ないので。(値上げ)すると、どうなんだろうなと。現状やらずに頑張ってみて、それでもダメだったら、(提供価格を)上げるしかない」
■円安で“形を変える”ことも・・・
さらに、輸入食品を扱う店では、パスタや紅茶、チーズも軒並み、仕入れ価格の高騰が見込まれているといいます。
東京・三鷹市にある店では、扱っている商品のほとんどが輸入食品。今後、円安の影響が直撃すると、頭を抱えています。
「カーニバル三鷹コラル店」・高橋潤一郎店長:「急激な円安は、輸入もの(を扱う店)としては、歓迎されることではない」
お買い得で、リーズナブルな輸入食品を・・・というコンセプトが「売り」の店。輸入食品の価格高騰に加え、このまま円安が進めば耐えられないと、頭を悩ませます。
高橋店長:「うちみたいに、輸入食に特化した店だと、思いっきり(円安の)影響を受けるので。それこそ“形を変える”という、お店のあり方を変えてしまう。輸入食品にこだわらずに、日本のモノを入れていくとか」
■急速に円安が進み・・・“三重苦”
1ドル121円台を突破し、6年1カ月ぶりとなる円安ドル高の水準。その理由について、専門家は、次のように話します。
大和総研 経済調査部・神田慶司シニアエコノミスト:「背景としては、アメリカの金融政策が大きい」
アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長が21日、インフレ抑制のために利上げを加速させる方針を表明しました。
そのため、アメリカの長期金利が上昇し、日本との金利差が広がるとの見通しから、円を売ってドルを買う動きが急速に進んでいるのです。
神田シニアエコノミスト:「新型コロナウイルスの拡大によって、需給が逼迫(ひっぱく)して、資源高というものが起きましたけれども。今年に入って、ウクライナへの侵攻があって。そこに加えて、円安が急速にまた進んでいると。そういう三重苦が起きた」
(「グッド!モーニング」2022年3月24日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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