「容赦ない街の破壊」人口40万人の大部分は街に・・・ロシアがマリウポリに執着する理由(2022年3月21日)

「容赦ない街の破壊」人口40万人の大部分は街に・・・ロシアがマリウポリに執着する理由(2022年3月21日)

「容赦ない街の破壊」人口40万人の大部分は街に・・・ロシアがマリウポリに執着する理由(2022年3月21日)

 激しい市街戦が続くマリウポリを巡ってロシア側が明け渡しを要求し、ウクライナ側が拒否するなど混乱が続いています。ロシア軍がマリウポリにこだわる狙いとは。

 果たして無傷の建物はあるのでしょうか。

 至る所が破壊された街で、住民は地面に穴を掘っていました。遺体を埋葬するためです。

 穴を掘る男性:「これが一時的なもので再埋葬できればいいんだけど、ウクライナ軍は寒い所に遺体を安置しろというけど、寒いところは地下室だけでそこには人がいるんだ。だからここに埋めるんだ」

 侵攻が始まって3週間以上。ウクライナ南東部のマリウポリでは、ロシア軍の包囲が続いています。

 ドネツク州・キリレンコ知事:「ロシア軍は砲撃や空爆をやり続けている。市内での銃撃は絶え間ない。今や街中での戦闘、銃撃が起きている」

 住民に話を聞いている最中も砲撃が聞こえてきます。

 市民:「地下には猫もいます。隠れているんです」

 一部住民は街を出ることができました。

 マリウポリから避難した人:「家族はマリウポリに残っていて、どうしているのか分かりません。母も祖母も祖父も父も、私たちが街を出たことも知りません」

 マリウポリの人口は約40万人。その大部分は街に残ったままです。

 ロシア軍は、16日には数百人が避難する劇場を空爆。さらに、地元市議会によると、19日には約400人が避難していた芸術学校を爆撃しました。

 そして20日、ロシアはウクライナに対してマリウポリを明け渡せば、民間人を避難させると通告しましたが、ウクライナ側はこの要求を拒否しました。

 なぜ、ロシア軍はマリウポリの攻略にこだわるのでしょうか。

 ウクライナ、クレバ外相:「もし制圧されれば、ロシアからクリミアへの直接的な陸上の回廊が出来上がる」

 ロシアは今から8年前、クリミア半島を一方的に併合。さらに、ウクライナ東部はロシアの支援を受ける武装集団が独立国を名乗り、実効支配を続けています。

 マリウポリはそこをつなぐ都市なのです。また、アゾフ海に面した主要な港もあります。

 ウクライナ、クレバ外相:「我々のアゾフ海へのアクセスも絶たれる。これが、ロシアが容赦なく都市を破壊し、何としても占領しようとする理由だ」

 首都では民間人の住む集合住宅が連日、攻撃されています。

 キエフ、クリチコ市長:「キエフのスビアトシンスキー地区だ。ロシアの言う『平和』の結果だ。すぐそこは幼稚園で、ここに大きなクレーターができた」

 キエフ中心部の映像では、夜空が急に明るくなり、爆発が起きました。

 消防によりますと、ショッピングセンターが炎上し、4人が死亡したと言います。

 ロシアのプーチン大統領は、侵攻を「特別軍事作戦」と呼び、「目的はウクライナの非ナチ化」などと戦争を正当化しています。

 ロシア、プーチン大統領:「(8年前)クリミアの住民は、ネオナチ、ウクライナの極右を食い止めるという正しい行いをした」

 イスラエル議会で演説をしたウクライナのゼレンスキー大統領は、この主張を一蹴しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシア政府からナチスと非難されているウクライナの大統領が、イスラエル議会で演説をしている。ロシア政府の言うすべてが間違っていることの証明だ」

 自らもユダヤ人で、祖父の兄弟3人をナチスに殺害されたゼレンスキー大統領は、こう訴えました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ナチスがヨーロッパを侵攻した時、すべてを破壊し、各国の国民を弾圧し、私たちやあなた方の名前や痕跡さえ残らないようにした。ナチスはこれを『ユダヤ人問題の最終的解決』と呼んだ。皆さんは決して忘れることはないでしょう。そして今、ロシアは同じく『最終的解決』と言っている。ただし、今回我々に対して『ウクライナ問題』に対してだ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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