ゼレンスキー氏が会談呼びかけ なぜこのタイミング?(2022年3月19日)

ゼレンスキー氏が会談呼びかけ なぜこのタイミング?(2022年3月19日)

ゼレンスキー氏が会談呼びかけ なぜこのタイミング?(2022年3月19日)

高島)
ここからは、ロシア情勢に詳しい大和大学の佐々木正明教授にお話を伺います。佐々木さん、よろしくお願いいたします。

●ロシア 極超音速ミサイル使用を発表
板倉)
イギリスの国防省は、陸・海・空のすべての領域でロシア軍は最低限の進軍しかできていないと分析しています。一方で、ロシア国防省は19日、極超音速ミサイルを使用し地下軍事施設を破壊したと新たに発表しました。

高島)
佐々木さん、先週からキエフへの侵攻は進んでいないと言いますが、どうご覧になっていますか?

佐々木教授)
先週の今頃はキエフが陥落するのではないかと言われておりまして。ロシア軍は地上軍の補給問題や、将官が犠牲になっていたりと立て直しを迫られていると見ています。そして今、停戦交渉が行われておりますが、「キエフ総攻撃」と「停戦交渉」というのはコインの裏表であるというふうに見ております。両にらみの状態が続いているというふうに考えたほうがいいと思います。

高島)
極超音速ミサイルの使用というニュースもありましたが、この辺からもロシア軍の地上での行き詰まりというのを感じますがその辺はどうでしょうか。
佐々木教授)
戦闘機からのミサイル攻撃と言われております、この点を見てみても、ミサイル攻撃、ロケット弾の攻撃が主になっていますので、地上軍の動きが緩慢と見てもいいと思います。

高島)
こうした中、ゼレンスキー大統領は19日、動画をアップしプーチン大統領に対し停戦に向けた首脳会談を呼びかけました。佐々木さんはゼレンスキー大統領のこうした発言についてどうご覧になりますか?

佐々木教授)
プーチン大統領はこれまで軍事作戦で上げた拳を自ら下ろしたことはない。停戦交渉で応じる、軟化を見せること自体も異例です。他方で、これはロシア軍が苦戦している、今後戦闘を継続することも得策ではないと見てると思います。ゼレンスキー大統領は、そうしたところにつけ込んで大統領自身で交渉していると見ております。

●停戦協議の行方は

板倉)
これまで、停戦協議は4回にわたって行われてきました。ここに来てロシア代表団のトップは、ウクライナの非武装化の交渉については、「5合目に達した」と発言をしています。一方で、ウクライナ側は「我々の立場は変わらない」と主張しているわけですが、佐々木さん改めてこの、停戦協議の現状をどうご覧なっていますか?

佐々木教授)
この条件には、米、英やトルコが、ウクライナの安全を守る案も浮上していると言われております。この点に限って言えば、ウクライナ側がこの三か国にどのように話しているのか、もうロシアとウクライナの話し合う状況、範疇を超えているんですね。5合目までここまで来た。残りの5合目を登るのは、さらに時間がかかる。大変ではないかなと考えております。

高島)
プーチン大統領が、かなり色々な条件を突きつけているなという印象もありまして、これを飲むっていうのやっぱり難しいと思うんですが、落としどころというのは、どんな感じになってくるんでしょうか?

佐々木教授)
予断を許さない状況にあると思います。今、南部にありますオデッサという貿易拠点を攻撃するのではないか、というふうに見られていますね。つまり今後、明日、今日にでも、さまざまなことが起こる予測不能な事が起こる、これによっても、歩み寄りだったり、停戦交渉の流れががらりと変わる可能性があります。

高島)
一日一日流れが変わっていく状況だということだと思いますが、一方で、中国のスタンスも気になります。きのう行われました米中首脳会談で、習近平国家主席は「ウクライナの状況は中国が望むものではない」として早期に交戦をやめるべきだと話したといいます。中国とロシアの現在の関係を佐々木さんはどう見ていますか。

佐々木教授)
私は長年の間、中ロ関係をモスクワから見てきておりましたが、これまで首脳会談などではお互いを褒めたたえて将来、両国関係の結束を確認し合っていました。つまりこれは、中国側が先月の24日のロシアの軍事侵攻以降困惑しているというふうに見てみております。そして、プーチン大統領は思うように中国側から軍事支援、経済的援助も得られていないのではないかというふうに考えています。

●侵略戦争を止めるカギ

佐々木教授)
1つだけ言いたいのは、ロシア国内の世論が鍵を握るということです。今、ロシア国営放送の女性が「NO WAR」と掲げましたが、カリスマ歌手も今、反戦を訴えております。今後ロシア世論がどうなるか注目して見ていきたいと思っております。

高島)
ここまで佐々木さんにお話を伺いました、ありがとうございました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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