ウクライナで激しい攻防 130人生存の劇場に攻撃続く(2022年3月18日)
建物の地面にロシア語で「子どもたち」と書かれていたにもかかわらず、ロシア軍の攻撃を受けたウクライナ南部マリウポリの劇場です。生存していた130人が救出される一方で、ロシア軍の攻撃が続き、救助活動は困難を極めています。
一般市民、民間の建物への攻撃が止まりません。首都キエフでは、ロシアの砲撃後、火災が発生し、少なくとも1人が死亡。
真っ暗な街。ハリコフでは市場が砲撃を受け、3人が死亡しました。なぜ、何の罪もない市民が狙われるのでしょうか。
住民の大規模な避難所となっていたマリウポリの劇場。攻撃を受け、救出活動が続いています。
CNN:「情報筋によると、約1200人がこの劇場に避難していたとのことです。これまでに130名が救出されたとの報道があります」
誤爆されないようにでしょう。空爆前、劇場の敷地内にはロシア語で「子どもたち」という文字が書かれていました。
しかし、攻撃を受けたのです。そして今もやまない攻撃によって救出活動は難航しています。
ロシア側は劇場への攻撃自体を否定しました。
ロシア外務省・ザハロワ報道官:「キエフ政権は、すべてロシア軍のせいにしようとした。ロシア軍が劇場の建物に空爆をしたとか、まあ、もちろん、これは嘘です。真実はいずれ明らかになるでしょう」
17日に撮影されたキエフ市内。撮影者は、ロシア軍による市民への攻撃を知ってほしいと話していました。
ゼレンスキー大統領、キエフの病院で負傷者を見舞いました。負傷者の中には、民間人の少女も。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「皆さんは大変ですが、我々がやってることは正しいことです」
民間人の少女:「皆、大統領を応援しています」
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「侵略者も応援していますか?」
民間人の少女:「侵略者には反対しています」
キエフ地方軍政局長、オレクサンドル・パヴリョク少将:「我々は諦めない。最後まで戦い抜く気持ちでいます。最後の一呼吸、最後の弾まで戦います」
今、国外に居たウクライナ人が続々と国に戻っています。
CNNによりますと、32万人以上のウクライナ人が戦闘に参加するためにウクライナに戻ったと国境当局が発表しました。
ウクライナ軍に入隊したキエフ出身の元プロテニスプレーヤー、セルジー・スタホフスキーさん。ハンガリーに家族を残し、ウクライナに戻りました。「国に戻らなかったら罪悪感に駆られただろう」と話します。
入隊した元プロテニスプレーヤー、セルジー・スタホフスキーさん:「本当にたくさんの言葉を掛けてもらったよ、現役の選手も引退した選手も、皆本当に感謝しています」
世界トップクラスのジョコビッチ選手からも連絡が来たといいます。
ジョコビッチ選手からのメッセージ:「君のことを考えている。すべてがすぐに落ち着くことを祈っている」
入隊した元プロテニスプレーヤー、セルジー・スタホフスキーさん:「彼(ジョコビッチ選手)は幼いころユーゴスラビアの内戦で本当に大変な思いをしているから、今の(ウクライナの)子どもたちの気持ちをよく分かっているんだ」
そんななか、ウクライナの保安庁がロシア軍兵士とロシアにいる恋人との電話を通信傍受し、公開しました。
恋人:「少しは戦闘は落ち着いたの?」
ロシア兵:「いや、どんどんひどくなる一方だ。ここに来た時は85人だったけど、残っているのは30人だ」
ウクライナ保安庁は「プーチンのウクライナ電撃戦は失敗した。ロシア軍は、もう勝利を信じていない」としています。
また、アメリカのブリンケン国務長官は、ロシアが近く化学兵器を使用する可能性があると批判しています。
しかも、攻撃を正当化するためにウクライナによる仕業に見せることを計画しているとも指摘しているのです。
そして、そのロシア側は怒っています。原因はアメリカ、バイデン大統領の、プーチン大統領は「戦争犯罪人だと思う」との発言についてです。
ちなみに、アメリカはブリンケン国務長官も・・・。
アメリカ、ブリンケン国務長官:「(バイデン大統領の発言は)個人的には同意見です。意図的に民間人を殺すことは戦争犯罪です」
ロシア・クレムリン、ドミトリー・ペスコフ報道官:「長年にわたって世界中で人々に爆撃をしてきた国のトップに、そんなことを言う権利はありません。被害を受け(攻撃しても)意味のない国に原爆を落としたのです。広島と長崎のことを言っています」
さらにアメリカは畳み掛けるように・・・。
アメリカ、バイデン大統領:「ウクライナに対して非人道的な戦争を始めた。“人殺しの独裁者”で“生粋の悪党”に団結して立ち向かわなければならない」
「人殺しの独裁者」「生粋の悪党」。穏やかではない言葉で批判を強めているのです。
ウクライナ侵攻が予想されたよりも長期化するなか、注目を浴びているのが中国。18日に行われる米中首脳会談です。果たして、この状況で中国はどう動くのでしょうか。
首脳会談では、アメリカ側はロシアを支援すれば「躊躇(ちゅうちょ)なく代償を科す」と中国側に明確に伝える方針です。
一方で、イギリス、アメリカ、ドイツなどでオンライン演説を行ったゼレンスキー大統領。ウクライナ政府は、日本側にも国会での演説を打診しています。
ゼレンスキー大統領の国会演説。日本に向け、どんなメッセージが語られるのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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