「近郊で激戦」キエフ35時間の外出禁止令・・・ロシアTV乱入女性に“14時間超の尋問”(2022年3月16日)

「近郊で激戦」キエフ35時間の外出禁止令・・・ロシアTV乱入女性に“14時間超の尋問”(2022年3月16日)

「近郊で激戦」キエフ35時間の外出禁止令・・・ロシアTV乱入女性に“14時間超の尋問”(2022年3月16日)

 ウクライナに侵攻するロシア軍が首都キエフの包囲に向けて戦闘を続けるなか、キエフでは35時間の外出禁止令が発令され、緊張が高まっています。

 戦火は首都キエフに・・・。風雲急を告げるなか、キエフのクリチコ市長は自ら爆撃された現場を訪れるなど、陣頭指揮を執ります。

 キエフ・クリチコ市長:「(避難所の)幼稚園に行けば寝る場所も暖かい場所も食べ物すべて用意されています」

 消防士:「赤ちゃんや子どもが一番、可哀想に思う。とても可哀想。幼いのに戦争を経験するなんて」

 15日、キエフの兵器工場と、その近くの店が攻撃されました。これまで比較的、街が破壊されていなかったキエフですが、ここに来てロシア軍による市街地への攻撃が激しくなっています。

 住民:「私はこの街を離れるつもりはありません。私の街、我々のウクライナの街です。この街を最後まで守ります」

 緊迫した状況にキエフ州は15日午後8時からキエフ州全域に外出禁止令を発令しました。期間は17日午前7時までの35時間です。

 キエフ・クリチコ市長:「特別許可書を持っていない人は外出できません。外出は避難所に行く時だけ可能です」

 これは外出禁止令後の16日午前7時半ごろの街の様子です。攻撃で外出する人は減っていましたが、誰もいなくなり、街は静まり返っていました。

 実は、この外出禁止令はロシア軍の攻撃が激しくなったからというだけではないといいます。

 CNN記者:「一つはウクライナ側が反撃を行おうとしているからだと思います。ウクライナ側にロシアの攻撃に対抗する策がなかったわけではありません。米英からの情報が役に立っているんです」

 元米国陸軍総司令官:「キエフ近郊での激しい戦いになると思いますから、市民に建物の中にいてもらうためです」

 ロシア軍は先月24日のウクライナ侵攻から北、東、南と徐々に支配地域を広げてきました。そして今、大統領府があるキエフ中心部に迫っているのです。そのキエフの近郊の街では、取材中のジャーナリストが犠牲になりました。

 海外メディアによりますと、14日、車で移動中だったカメラマンとウクライナ人ジャーナリストが攻撃を受けて死亡、記者1人が命を取り留めました。

 FOXNEWS:「ピエール・ザクルゼフスキーは間違いなくレジェンドでした。彼の死に打ちひしがれています。彼は私たちと長い間働いていました。アフガニスタンやシリアの戦地を取材しました」

 キエフ近郊では、これまでにもイギリス人ジャーナリストが銃撃され、防弾チョッキに2発銃弾を受けています。

 圧倒的な戦力でウクライナに侵攻するロシア軍。対するウクライナのゼレンスキー大統領は国際世論に訴えます。

 欧州議会やイギリス議会に続いて15日、カナダ議会でもビデオ演説しました。

 ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「我々はすべての敵を打ち負かすことができると確信している。ウクライナに栄光を。カナダに感謝を」

 16日にはアメリカ議会での演説も予定されています。

 また、ウクライナ政府は日本政府にも演説を打診していますが、国会にはオンライン演説の前例がなく、スクリーンもないことなどから今後、国会で検討していく方針だそうです。

 建物から出ると、女性には無数のフラッシュが・・・。

 マリーナ・オフシャンニコワさん:「私の人生のなかでも大変な時間でした。14時間以上の尋問を受けました」

 CNNによりますと、14日、ロシアの国営テレビの番組に乱入したマリーナ・オフシャンニコワさん。すぐに警察に拘束されましたが、裁判所から3万ルーブル(約3万円)の罰金刑が言い渡されました。

 しかし、罪に問われたのは・・・。

 マリーナ・オフシャンニコワさん:「戦争を止められるのは私たちだけ!抗議デモに出ましょう!彼らは全員を逮捕することができない」

 地元メディアによりますと、今回の罰金刑はSNSで公開した動画で「反戦デモ」の参加を呼び掛けた部分のみ。生放送の乱入や反戦メッセージについては今後、罪に問われる可能性があります。

 取材陣が殺到していましたが、ロシア国内では一体どのように報道されているのでしょうか。

 ノーバヤ・ガゼータ紙3月15日付:「『プロパガンダは信じないで』。ゾンビの箱にひびが入った」

 彼女の行為を「直接的な表現」で支持することが難しいなか、例え話を使ってたたえる記事を書くメディアもある一方で・・・。

 「ペールヴイ・ルースキー・ツアリグラード」3月15日付:「シェフチェンコもゴーゴリ(有名作家)も見分けがつかない無知な女だ」

 女性の「屈辱的な過去」を暴露してまでおとしめる記事もあるなど、政権批判が厳しいロシア国内の事情がみえます。

 そんななか、プーチン大統領の個人資産凍結など厳しい制裁を科されているロシア側が報復制裁を発表。ロシアメディアによりますと、アメリカではバイデン大統領の他13人。カナダではトルドー首相を含めて313人が対象です。

 その制裁の内容は、なんと「入国禁止」。サキ報道官は・・・。

 米・ホワイトハウス、サキ報道官:「『ロシアに観光に行こう』なんて誰も計画はしていません」

 そして、ロシア側の制裁対象者の名前が「ジョセフ・R・バイデン」だったことにも・・・。

 米・ホワイトハウス、サキ報道官:「バイデン大統領の名前には『ジュニア』が必要です。つまり、彼らが制裁したのは亡くなった大統領の父親じゃないですか?」

 ロシア外務省の発表文に「ジュニア」が抜けていたことを皮肉を込めて返しました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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