ロシア 生放送中に反戦の訴え「狂気を止められるのは私たちだけ」、子ども向け番組では「ウクライナ被害はフェイク」の“愛国教育”【news23】

ロシア 生放送中に反戦の訴え「狂気を止められるのは私たちだけ」、子ども向け番組では「ウクライナ被害はフェイク」の“愛国教育”【news23】

ロシア 生放送中に反戦の訴え「狂気を止められるのは私たちだけ」、子ども向け番組では「ウクライナ被害はフェイク」の“愛国教育”【news23】

ロシアでは、政府系テレビの職員が、ニュース番組の生放送中に反戦を訴えました。言論弾圧で多くの人が拘束される中での行動に、驚きの声が広がっています。さらに子ども向け動画では「ウクライナ被害はフェイク」と教え“愛国教育”も。

この一瞬にどれほどの覚悟が込められていたのでしょうか。

「戦争を止めて!戦争反対!」

夜9時からのニュース番組。政府系テレビの生放送中に女性はプラカードを掲げ反戦の声をあげました。

「プロパガンダを信じないで下さい。あなたは騙されている」

わずか5秒で画面はすぐにほかの映像に切り替えられました。女性は政府系テレビ「第1チャンネル」の職員でディレクターのマリーナ・オブシャンニコワさん。この後、警察当局に拘束されました。

SNSにはマリーナさんが事前に録画した映像が投稿されていました。

マリーナ・オブシャンニコワさん
「ウクライナで起こっていることは犯罪であり、ロシアは侵略国です。その攻撃の責任はウラジーミル・プーチンにあります」

マリーナさんはウクライナ人の父親とロシア人の母親が互いに敵になったことはないと訴えます。ネックレスには2つの国の国旗の色が。

マリーナ・オブシャンニコワさん
「ロシア人は知的な人々です。この狂気を止められるのは私たちだけです。恐れず抗議してください。彼らは私たち全員を閉じ込めることはできません」

テレビ局の職員としてこれまで政府のプロパガンダに加担してきたと謝罪しました。

マリーナ・オブシャンニコワさん
「テレビからうそを放送するのを許したことを恥じています。ロシアの人々をゾンビ化させるのを許したことを恥じています」

ロシアのテレビニュースは政府に厳しく統制されています。

「侵攻」「侵略」と呼ぶことは禁止され、虚偽とみなされる報道をすると最大15年の懲役刑を科されるのです。

批判を封じ込めようと神経をとがらせるプーチン政権。

こちらの女性は「戦争反対」といった具体的な言葉を使わずに抗議の意思を示そうとします。

女性「市民活動を支持していますか?」
撮影者「もちろん支持しています」
女性「もし今ここで『2つの言葉』を言ったら私は拘束されますか?」
撮影者「すでに拘束されていますよ」

女性は連行されました。

撮影者「信じられない・・・みんな見たか?」

紙に書かれていたのは、「2つの言葉」という文字だけでした。

別の場所でも。男性が掲げているのは“白い紙”ですが・・・

「違反行為をすぐに止めることを求める。もう1回言う、すぐに止めて下さい」

人権団体によるとこれまでにおよそ1万5000人が拘束されています。言論弾圧が日ごとに強まる中、政府系テレビで反戦を訴えるという今回の行動に日本に暮らすロシア人は。

在日ロシア人 ビクトリアさん
「昔からずっと何十年も続いている番組です。チャンネル1はまさにロシアのプロパガンダの(形を)整えてきた報道機関だったので、そういうスタッフがいること自体が私には思えなくて」

驚きと同時に家族をも犠牲にする覚悟での行動だったのではと感じたといいます。

在日ロシア人 ビクトリアさん
「今のロシアってほぼ無法地帯なんです。これからどれだけ大変な目に遭わされていくんだろうと思って非常に不安です。自分を犠牲にして、ある意味では自分の家族まで犠牲にして、勇敢な行動に出たと思っている」

彼女の行動をウクライナのゼレンスキー大統領もこう讃えました。

ゼレンスキー大統領
「真実を伝えようとし続け、偽の情報と闘うロシア人たちに感謝しています。抗議することを恐れない人たちに言いたい。全世界から完全に隔離されないうちに闘わなければならない。自らのチャンスを失ってはいけない」

ロシアではプーチン政権の主張を浸透させようとこんな動画まで作られています。

ロシア教育省が公開した子ども向けの動画。司会者と歴史専門家が女の子に対してウクライナ問題を説明しています。

「兄弟のような(ウクライナの)人々といつからこんなことになったの?」
「ウクライナ危機が始まったのは最近のことではありません」
「知らなかった!」

ロシアによるウクライナ侵攻については・・・

「ロシアはこの問題を平穏におさめようと努力しました。しかし戦争は阻止できませんでした。私たちはウクライナを平和にしたい。軍事的発展を阻止しロシアに対する脅威をなくしたい」

またSNSで伝えられるウクライナの被害状況などについて、フェイクニュースだと強調。

「フェイクを信じている人がとても多い。ミサイルが幼稚園に当たった、戦車や飛行機が攻撃された、その情報をSNSに投稿する前に情報源の信憑性を確かめるべきです」

「よくわかったのはこれまでニュースをしっかり見ていなかったことです。これからは全部確かめます」

最後はカメラ目線で納得する女の子。およそ30分の動画は各地の学校の授業でも使われています。
(15日23:55)

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