ウクライナ避難民に日本から『仕事を発注』…避難先でも仕事できる仕組みで生活支援(2022年3月14日)
ロシアによるウクライナへの侵攻。日本ではウクライナ避難民への「仕事」を支援しようという動きが始まっています。
3月10日、大阪市内のベンチャー企業では、日本に住むウクライナ人女性のアナスタシアさんが“あるプロジェクト”について説明を受けていました。
(コンサルティング企業「ネクストエージ」 中井咲希副社長)
「(避難民は)お仕事をどうしようとか、生活の不安を覚えると思うんですよ。仕事をそういう人たちにやっていただいて、生活の糧になったらいいなということで」
プロジェクトではまず、このベンチャー企業がほかの日本企業などからウェブサイト制作といった仕事の依頼を受けます。そして、その仕事を日本に住むウクライナ人などを通じて世界各国に避難するウクライナ人に紹介します。避難先でもパソコンと通信環境があれば仕事ができて、報酬が得られるという仕組みです。
(コンサルティング企業「ネクストエージ」 中井咲希副社長)
「アナスタシアさんにも周囲に情報をシェアしていただいて、ウクライナの方に情報が届くようにお力添えいただけたらうれしいです」
(日本在住のウクライナ人 アナスタシアさん)
「(ウクライナに)ITに強い人が知り合いにいるので、向こうの人に情報を流したら、いろんな人に広めてくれるんじゃないかなと思います」
ベンチャー企業から仕事を紹介する協力を求められてアナスタシアさんは快諾しました。
(日本在住のウクライナ人 アナスタシアさん)
「避難民のまま寄付のままが続くと、普通の人間として生活できなくなるんじゃないかと思って。だったらちゃんと仕事をあげて、自分で自分の生活を守れるようになれたらすごくすてきだなと」
すでに企業から仕事の発注もきていて、中には東日本大震災の経験から依頼を決めた人もいます。
(福島県南相馬市で学習塾を経営する高崎拓也さん)
「あの時は支援していただく立場だった私たちが、『次の人へ』ってことはしないといけないよねっていう話で、参画させてもらうことになりました」
福島県南相馬市で学習塾を経営する高崎拓也さんは、東日本大震災の際、原発事故の影響で塾を閉めて兵庫県に5年間避難していました。当時は仕事への不安が大きかったといいます。
(福島県南相馬市で学習塾を経営する高崎拓也さん)
「震災で命からがらとりあえず2週間くらい生き延びた後に、この先どうやって生きていくのっていうことがやっぱり一番の課題で。何もしないより、とりあえず動いてみて、1人でもちょっとでも良かったと思ってくれる方がいれば」
プロジェクトでは、すでにウクライナ避難民2人への仕事の依頼が決まっていて、支援の輪が広がりつつあります。
(コンサルティング企業「ネクストエージ」 中井咲希副社長)
「ご賛同していただけた数だけ(避難民に)寄り添っていけるので、是非その数を増やしていきたいと思います」
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