【現場から、SDGs 2030年の世界へ】製紙の町が挑戦 なんと半透明!紙の「クリアファイル」

【現場から、SDGs 2030年の世界へ】製紙の町が挑戦 なんと半透明!紙の「クリアファイル」

【現場から、SDGs 2030年の世界へ】製紙の町が挑戦 なんと半透明!紙の「クリアファイル」

シリーズ「SDGs」です。世界的に脱プラスチックの機運が高まる中、静岡県富士市で作られたクリアファイルに代わるものがいま、注目を集めています。

「ご案内したいものがございまして、ちょっとこちらであるんですけど」

取引先に書類をファイルに入れて手渡す銀行の担当者。ファイルをよく見ると…いつものものとは、少し違います。

「全部、紙ですね」
「そうなんですよ」

なんとこれ、紙でできたファイルなんです。こちらの銀行では、プラスチック製のクリアファイルを去年11月から徐々に紙のものに変えています。

清水銀行吉原支店 伊藤陵太さん
「(法人のお客様から)『うちでも考えていて、入れてみたいから具体的な話を聞きたい』という声もある」

取引先からも好評だというこの紙ファイル。なぜ、取り入れることにしたのでしょうか。

清水銀行 深澤亘英 経営企画部長
「(SDGsの13番に)『気候変動に具体的な対策を』という目標があるが、まさにこの紙ファイルの取り組みは直結したもの」

銀行全体でSDGsに取り組む中、脱プラスチックを進めようと紙ファイルに変えました。

清水銀行 深澤亘英 経営企画部長
「紙なのでメモができる。そして、リサイクルが可能」

鉛筆などで書き込んでも、消しゴムで消せば何度でも使えるといった紙ならではのメリットがあります。この紙ファイルの広がりに期待をかけるのが静岡県富士市の企業です。

東伸紙工 久保田基之 社長
「ここへ来て需要が出てきている。引き合いは非常に多い」

紙のファイルは、大手生命保険会社が導入を決めるなど、この流れは全国的に進んでいます。こちらの企業が作るファイル、さらにすごい技術が隠されていました。

東伸紙工 久保田基之 社長
「書類を入れますと中が見える」

トレーシングペーパーに使う素材で半透明のタイプを開発。従来のクリアファイルとそん色ありません。

東伸紙工 久保田基之 社長
「デジタル化で紙全体としては減っている方向なので、やはり紙製品で新しいものを増やしていく」

富士市はかつて、製紙工場が並び立つ「紙の街」として全国に名を轟かせていましたが、いまは少し元気がありません。紙ファイルの広がりは、街の誇りを取り戻す大きなチャンスです。行政もこの動きを後押しします。

「これを使ってください」
「使わせていていただきます」

地元の市役所ではこの紙ファイルをノベルティなどに活用しています。

富士市シティプロモーション課 福島勇輝 上席主事
「紙のまちを市民の誇りとして、ちょっと使ってみようかなと思えるようなものになっていけばいいかなと思っている」

紙のまちで活用が進む紙ファイル。環境意識への高まりを背景にますます広がりを見せそうです。
(13日08:36)

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