“服の鉛筆”体操服のはぎれを鉛筆に再生 縫製会社の長年の悩みを炭化で解決【SDGs】(2023年9月18日)

“服の鉛筆”体操服のはぎれを鉛筆に再生 縫製会社の長年の悩みを炭化で解決【SDGs】(2023年9月18日)

“服の鉛筆”体操服のはぎれを鉛筆に再生 縫製会社の長年の悩みを炭化で解決【SDGs】(2023年9月18日)

 テレビ朝日では、未来をここからプロジェクトの一環で、気候変動問題などSDGs企画をお伝えします。18日のテーマは、「気候変動に具体的な対策を」です。廃棄処分されるものを生まれ変わらせ、しかも、二酸化炭素を削減する取り組みが始まっています。

 こちらの鉛筆。今年の日本文具大賞のサステナブル部門で優秀賞を受賞しました。その理由は、この鉛筆の芯。実は体操服の端切れからできているのです。作ったのは、富山県にある縫製会社です。

 ミヤモリ 宮森穂代表取締役専務:「これが裁断した後の端切れ。こういう感じでたまっていく。年間20トン。出るたびに何とかしたいという社員全員の思いがありました」

 社員から、廃棄するのではなく炭にして何かに活用するというアイデアが上がり、近くにある炭化装置を開発する企業に相談しました。

 ZEエナジー 松下康平社長:「学校で使われるものの使えない部分なので、これを炭化することで学校で使うものに生まれ変わらせたら面白いかなと」

 しかし、化学繊維の多い生地の炭化には苦労がありました。

 はじめは加熱すると煙になり、ほとんど炭として残りませんでした。

 加熱する温度と時間の調整を重ね、およそ23%を炭として残すことに成功しました。

 ZEエナジー 松下康平社長:「これができた炭。きらきらした感じが非常にきれいだなと思って、鉛筆っぽく見えた。粉にして鉛筆の芯を作ってみたら、4B相当の鉛筆ができました」

 炭として残った分だけ、排出される二酸化炭素が削減されているということになります。

 裁断くずをすべて加工すると、およそ60万本の鉛筆になり、ごみとして焼却した場合に出る二酸化炭素のおよそ20%を削減できます。

 これは、664本の木が一年間に吸収する二酸化炭素の量です。

 ミヤモリ 宮森穂代表取締役専務:「(アパレル)業界の皆さんと一緒にもっともっとたくさんアップサイクル(価値を付けて再利用)できたらなと思っています」

 鉛筆は、来年の春には商品化される予定で、価格は一本250円程度の見込みです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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