全国発!和歌山でドローン配送の実証実験 人員不足や買い物難民など物流危機の救世主となるのか?
(黒木千晶 キャスター)
きのう(5日)、和歌山県でドローンの飛行が行われました。全国初となる実験だったのですが、物流がより効率的になるその内容とは。
◇益永佳奈 記者
「今ドローンが飛び立ち、中山間地域へとお弁当が運ばれていきます!」
きのう(5日)和歌山市内で行われたのは、ドローンの無人飛行実験。住宅などが密集する地域を含むルートで、目視する人がいない状態での飛行は、全国で初めてです。
これまでは、目視できる人がいない状態での飛行は、離島や山間部などの人口が少ない地域でしか認められていなかったため、市街地から物資を届けるには、不便な状態でした。
和歌山市内でも山間地域になると、スーパーの撤退などがあり、こうした物流が必要になってきています。
◇住民
「(付近に)スーパーがないので困っています。娘に車で連れて行ってもらっています」
「空気はいいし、散歩とか住むにはいいんですけど、やはり食べていくにはちょっと大変。完全な陸の孤島になっています」
国が、物資が行き届きにくい地域の支援などを理由に、今年10月にガイドラインを改正したことで実現した、この実験。
配達されたのは、和歌山の食材を使用した地域の住民にも好評な薬膳弁当です。
2年前までは着陸地点の道の駅で販売されていましたが、配送の人手不足で販売が中止されていました。
直線距離で約4キロ。車で20分ほどかかるところを、半分の時間で届けることができました。
◇道の駅 四季の郷公園 李野高康さん
「オープン。見てください。めちゃくちゃ綺麗。あったかいんですよ、ご飯。お弁当に限らずですけども、これがもっと有効活用されれば、地域の住民の方々も皆さんめちゃくちゃ喜ばれると思います」
市街地から山間部へ運べることで、物流の効率が格段と上がることが期待される、今回の実験。
◇株式会社エアロネクスト 田路圭輔 代表取締役
「和歌山県下でしっかりドローンの配送が実用できるということは、おそらく全国の同種の自治体にとってすごく励みになると思う。これを全国に広く展開できればと思っています」
物流の人手不足は都市部でも深刻です。
「青信号になりました。ロボットが出発しました」
ウーバーイーツは、自立走行ロボットによる配達サービスを、去年から開始しています。
赤信号ではきちんと止まり、最高時速5.4キロで、歩行者や障害物をよけながら、配達をしてくれます。
サービス開始から1年で登録店舗数は3倍に。今後もさらなる地域の拡大を目指しています。
人手不足や、買い物難民への対策に必要とされている、物流のロボット化。しかし、まだまだそこには課題が。
この後、スタジオで解説します。
◇◇◇◇◇
(黒木千晶キャスター)
今回のこの画期的な実証実験、あらためて振り返っていきたいと思います。
人口が集中している地区から、ドローンで道の駅、山の方まで運びました。片道約4.3キロを約10分で配送したということです。
今回のこの実証実験、何が画期的だったかと言いますと、これまでドローンでの配送というのは非常に効率が悪かったということなんです。
例えば、人口が集中している地区から、ドローンが離陸するところまで、まず物資をトラックなどで運んだ後にドローンで配送していたということで、二重輸送になっていた。非常に効率悪いですよね。
それから人口が集中している地区は、迂回してドローンを飛ばしていたので、飛行距離が伸びて余分なバッテリーを消費していたなど、効率の悪い状況がありましたので、今回のこの実証実験は非常に画期的だということなんです。
物流というのは、これから非常に問題が出てきます。こちらをご覧ください。
2030年度には物流の輸送力不足が、約34%下がるんじゃないかと言われていますし、買い物難民というのも言われています。
買い物難民とはそもそも何かといいますと、店まで500メートル以上で、運転できない65歳以上の高齢者で、全国で904万3000人いて、大阪は約53万5000人。全国2位ということなんです。
ちょっと先進的な事例を見ていきます。中国のこちらの例を見ていただければと思います。
中国では万里の長城にデリバリー配達を行って、徒歩で50分かかるところをドローンで5分で配達されるという例もありますし、また深圳では去年、ドローン配達が年間78万件行われていて、一人でドローン10台を管理して運用しているということなんです。
こういった先進的な例もあるんですが、一方で日本はどうなのかというところを見ていきたいと思います。いくつもハードルがあります。
歩行者の上を飛ばすのが難しい。先ほどの実証実験の時は、遠隔で操作しているんですけども、操作する人がきちんと人がいるところは避けて飛行していたということなので、歩行者の上を飛ばすのがまだ難しいという問題もあります。
それからやはり機体のコストが高いという問題です。例えばドローンにカメラなどをつけたら、それだけお金もかかりますし、今から『ドローン離陸します』というような案内をするといった安全装置などもお金がかかってくると、コストが上がってしまうという問題もあります。
操縦士が不足するという問題もあります。人の上を飛ぶ時などは国家資格が必要な場合もあるということなので、色々とドローンを飛ばす上でも課題がまだあるということなんです。
最後にちょっとこういった事例を見ていきましょう。
アメリカでは、一部地域で『アマゾン・プライムエア』ということで、注文から1時間以内に配送されているそうなんですが、一方でちょっと心配なニュースもあります。
先月、アリゾナ州ではドローン2機がクレーンに衝突して墜落したりということもあります。
今年1月にテキサス州では住民から騒音の苦情などがありまして、配送を一時停止したという話もあります。
やっぱり物流の労働力不足ですとか、どうしてもスーパーが撤退するとか、生活の不便というのはこれからも出てきてしまうと思うんですけど、どういったやり方がいいのかというのは、ドローンも含めてしっかりと考えていかないといけないかなと思います。
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