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【決断】故郷追われ…「町には戻らない」 原発事故から11年
東日本大震災から11年。福島第一原発の事故で、住民がふる里を追われた福島・大熊町では、再開発が急ピッチで進められ、まもなく、住民が戻ることができるようになります。しかし、大熊町などが行ったアンケートでは、半数以上の人が「この町に戻らないことを決めている」と答えています。ふる里に戻らないと決断した家族を、news every.の藤井貴彦キャスターが取材しました。
◇
福島県・大熊町出身の吉田一貴さん(28歳)は今、家族3人で埼玉県内で暮らしています。
藤井貴彦キャスター
「(震災後)どういう移動をされてきたか教えてもらえますか?」
福島・大熊町出身 吉田一貴さん(28)
「大学で上京して、その後ずっと関東にいるって感じですね。(大熊町には)震災後、3回帰ったかな…というくらいですね」
藤井キャスター
「3回?11年たちますけど」
吉田さん
「そうですね…」
11年前に起きた福島第一原発の事故。吉田さんはふるさとをおわれました。当時、高校2年生でした。
吉田さん
「これ当時の自分の家なんですけど。建てて5年くらいで震災があって、ずっと住んでいないので今でも建っているだけ。3年ぐらいたつと、こういうふうに無造作に(雑草が)生えてきたり」
妻の麻美さん(28)も同じ大熊町出身です。
福島・大熊町出身 妻・麻美さん(28)
「(震災当時)毛布だけ取りに帰ったっきり、 私は(家に)帰ってないんですけど」
藤井キャスター
「それ以来一度も帰ってない?」
麻美さん
「帰ってないです」
子どもを授かり、新たな地で新たな生活を築いていました。
この春にも、大熊町は避難指示が解除され戻ることができるようになります。
藤井キャスター
「『大熊町に拠点をもう一度作り直そう』という気持ちにはならなかったですか?」
吉田さん
「そういう気持ちももちろんあります。ただ、今すぐにというのは現状の選択肢ではないですね。今は子育てが第一だと思うので。病院だったり幼稚園とか保育園」
麻美さん
「やっぱりインフラですよね。整ってからじゃないと厳しいかな、というのは正直なところ」
ただ、11年離れていても――
吉田さん
「ふるさとといったら、一番に思い浮かぶのが大熊町と当時の仲間たちの顔なので、そういった思い出のなかの一番大きな存在ですね。友達だったり知り合いが徐々に戻り始めてくると、僕たちも戻ろうかなとなるのかなと思います」
(2022年3月11日「news every.」より)
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