【外相会談】ウクライナ“歩み寄り”も ロシアに焦り…情報”ねつ造”か ウクライナ情勢
ロシアとウクライナの外相会談が10日開かれましたが、停戦へ進展はありませんでした。NATO非加盟をめぐりウクライナは譲歩の姿勢も見せましたが、ロシアは納得しないもようです。一方、ロシアは情報戦の一環でねつ造とみられるニュースを報じています。
■「緩衝地帯」「中立化」求めるロシア
有働由美子キャスター
「10日の(ウクライナとロシアの)外相会談で、停戦に向けて進展はなかったといいます。両者の間に大きく横たわっている問題が、ロシア側が求めている『ウクライナの中立化』です」
「ウクライナの周辺には、欧米の軍事同盟であるNATOに加盟している国が多くあります。ロシアとしては『この状態でウクライナまでNATOに加盟するのは断固として阻止したい』、『NATOとの緩衝地帯にしておきたい』という狙いがあるとみられます」
■NATO非加盟…声明「今後15年は」
「一方、ウクライナは当初、NATO加盟を目指していましたが、『すぐの加盟にはこだわらない』と歩み寄りの姿勢も見せています。これで折り合いがつくかが、ポイントでした」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「まず、ウクライナの姿勢がどうして変わったかについてです。ウクライナの与党が出した声明では、『NATOは今後15年間、ウクライナを受け入れる用意がない』と指摘しました。であれば断念はしないが、すぐに加盟することにはこだわらない、という姿勢です」
「NATOに入れないうちは、アメリカや周辺国が関わる形で、ウクライナの安全を保障する条約に合意すべきだとしています」
■“歩み寄り”も…ロシアの受け止め
有働キャスター
「ロシア側から見ると、『では15年後ならNATOに入るのか』とも取れます。ロシア側としては納得できないということでしょうか?」
小栗委員
「その通りです。国際安全保障に詳しい慶応義塾大学の鶴岡路人准教授は『ロシアの要求には全く達していない。ロシアが求めてきたのは、NATOに未来永劫加盟しないという保証だ』と言います」
「NATOではない安全保障の枠組みについても、『そういう枠組みがあるとロシアが求める中立化ではない。ロシアの勢力圏にとどまれ』と考えているのではないかと、鶴岡准教授は指摘しています」
有働キャスター
「(ウクライナ周辺の)地図を見ても、ロシア側からすると、確かにウクライナに譲る、西側のNATO(の影響下)にさせるかというと、それは阻止したい、一歩も譲りたくないということですね」
■情報戦も激化…ロシア、ねつ造報道か
小栗委員
「そうです。こうした中、ロシア側が無理やり、自分たちに都合よく事を運ぼうとする一幕がありました。『ロシア通信』が報じたニュースで、『ウクライナの大統領ゼレンスキーが、NATO加盟に興味なし』という内容です」
「アメリカのABCテレビのインタビューを引用する形で書かれたものですが、まさにロシア側が求めていた主張になります。本当なのか確認してみると、元のABCのインタビューには、『興味がない』といったニュアンスはありませんでした」
「ロシア政治に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は、『情報戦の一環でねつ造したのだろう。ゼレンスキー大統領への信頼を失わせて、ウクライナ国民や兵士の心を折りたい狙いが透けて見える』と、ロシア側の焦りを指摘しています」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「やはり情報源を確認したり、いろいろな情報を比べたりしないといけないなと思いました。ただ、いずれにせよ軍事攻撃をしていい理由にはなりませんし、子どもや病院への攻撃は絶対に許せないなと思いました」
「これも、ロシアが焦っている証拠なのかなと思います。戦いが終わったとしても、ロシアがこの代償を長く払わないといけないのではないかと思います」
有働キャスター
「現地で、本当は何が起きているのか。ロシア国内の人たちにも情報が届いてほしいと思うのですが…」
(2022年3月10日放送「news zero」より)
#Ukraine #ウクライナ #ロシア #NATO #日テレ #newszero #ニュース
◇日本テレビ報道局のSNS
Facebook https://ift.tt/EeWJT3Z
Instagram https://ift.tt/w3u89S4
TikTok https://ift.tt/AF5fuSL
Twitter https://twitter.com/news24ntv
◇【最新ニュースLIVE配信中】日テレNEWS HP
https://news.ntv.co.jp
コメントを書く