コメ価格高騰 近江米の田植えを10日ほど前倒し「できるだけ早く消費者に」 増産の取り組みも 滋賀

コメ価格高騰 近江米の田植えを10日ほど前倒し「できるだけ早く消費者に」 増産の取り組みも 滋賀

コメ価格高騰 近江米の田植えを10日ほど前倒し「できるだけ早く消費者に」 増産の取り組みも 滋賀

 コメの価格高騰が続く中、「関西の米どころ」では、田植えを早めるなど、あの手この手で生産量を増やす取り組みが続いています。

 私たちの食卓を苦しめるコメの価格。3か月前は…

 上野巧郎 記者
 「5キロあたりの値段は、軒並み4000円を超えています」(今年2月)
 「店頭価格は、5キロあたり軒並み4500円を超えています」(今年3月)

 4月に入っても……。
 「5キロあたり5000円を超えるなど、高止まりが続いています」(今年4月)

 政府が備蓄米の放出を続けているいまも、一向に値下がりに転じないコメの価格。
 
 そんな中、滋賀県高島市のコメ農家では、ある変化が…。

 コメ農家・兼田治雄さん
 「若干、今年は早く植えています。お米屋さん自体も『コメがない』と言っている。できるだけ早くほしいと」

 消費者により早くコメを届けたいと、例年より10日ほど早く田植え機を稼働させ、「コシヒカリ」が次々と植え付けられていました。

 コメ農家・兼田治雄さん
 「例年であれば8月末ごろに刈って消費者に渡すが、今年は消費者もコメがないということで、できるだけ早くとって渡してあげたい」

 今年は、例年より10日ほど早い8月20日ごろの収穫を見込んでいて、近年は夏の高温で収穫量が伸び悩む事例もあり、その緩和策としても期待しているということです。

 一方、滋賀県栗東市のコメ農家は、“増産”に向けてある取り組みを…。

 農家
 「普通のモミがこっちで、これがコーティングの種子。コーティングされた種子をまいて、田んぼの中で芽吹いて成長していく」

 コメ作りでは、タネを別の場所で苗に育ててから植え付けますが、こちらでは特別に、コーティングした種もみを、代かきが終わった田んぼに“じか”にまくといいます。

 AMAファミリーズ榮農場・中居栄吾 代表
 「苗箱を作るのも1か月弱かかる。そのコストを減らすことができれば、増産ができていくのかなと」

 ただ、この栽培方法は、試験的に行っているとのことで…

 AMAファミリーズ榮農場・中居栄吾 代表
 「全部それ(じかまき)にしようというのも、失敗のリスクがあるので、今まで通りの作り方に重きを置いて作ることにしている。今年はコメが少ない、足りない状況で本当に困惑しているが、これを乗り越えられるように頑張っていこうとしているが、難しいかなと思っている」

 消費者にコメを十分に届けられるのか。関西の「米どころ」で、本格的な田植えシーズンに入る中、生産者の試行錯誤が続いています。

◇◇◇◇◇
(黒木千晶キャスター)
 コメ農家の皆さん、いろんなあの手この手で、なんとか生産量を増やそうとされています。関西の“米どころ”なのに、こういった事情が起きています。

 まず、コメの生産量を見ていきます。
 滋賀県は近畿の3割、14万1700トン生産しています。他府県からのお客さんも来るほどの「米どころ」なのに、取材した滋賀県の米穀店のうち、40店舗中3店舗が廃業しているという現実があるそうなんです。

 その理由を見ていきますと、そもそも在庫がなくて、「夏を乗り越えられるか
微妙なほど、在庫が激減してしている」と。やはり、コメ自体がいま不足しているという現状があるそうなんです。
 他にも、このような切実な理由があります。儲からない、ということです。
「仕入れ値自体は高いけれども、少しでも安くお客さんに届けたいので、価格に反映できない」そういったこともあって、米穀店が潰れてしまっているということです。

 コメが不足している中、滋賀県はコメの生産を増やそうとしています。
 24年産の滋賀県のコメの生産量は14万1700トンなんですが、25年産は14万8000トンと、前の年に比べて6300トン増やす目標を掲げています。
 どうやって増やすのか、県の担当者の方に話を伺いますと、まず「農作地の転用」です。非主食用米から主食用米に農作地を転用する。そして麦農家の方に、収穫後にコメを作ってくれないかと依頼するということです。

(高岡達之 解説委員長)
 ただし非主食用ということは、一部家畜のエサにしてあるものがあるんです。
そっちが足りないことになるから、あくまで緊急ということになります。

(黒木キャスター)
 地域によっては、田植えの約2週間前出しを依頼していると。こうすると消費者に早く届くという、本当にありがたい側面もあるんですが、実際に取材すると、コメ不足というよりは、「暑さ対策」の側面もあるということです。

 ここ数年、猛暑で収穫量が減っていて、対策として以前から提案していたものなんだそうです。どこの自治体でも前倒ししてくれたら、消費者に早くコメが届くんじゃないかと思いますが、実際に取材すると、こういった切実な声が聞こえてきました。

「“時期を早める”と、コメを作っていらっしゃる方は、コメだけではなく他の作物も作っているので、他の農作物のカレンダーとも重なってしまう。なので、今年コメ不足だからといって、今年急にお願いしても難しく、各農家の調整があってこそ、だという意見もありました。

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