入浴時の「ヒートショック」 急激な気温差で脳卒中や心筋梗塞のおそれ 高齢者だけではなく若者も注意
9日朝は近畿各地で今シーズン一番の冷え込みになりました。まだ体が寒さに慣れていないこの時期、入浴時の「ヒートショック」に注意が必要です。きょうは予防法についても詳しくお伝えします。
9日の最低気温は2.7℃と、今シーズン一番の寒い朝を迎えた奈良公園。
シカ
「クシュン!」
急な冷え込みで体調の変化に気を付けないといけませんね。
大阪市内でも、最低気温は今シーズン最も低い5.2℃まで下がりました。
街の人
「寒かったですね。本当に芯から冷えたという感じですね」
「寝て(きょう)起きたときに初めてエアコンつけたんで、寒いなって感じです」
「ずっと暖かかったので、いきなり寒くて、全然耐えられないです」
(Q:手元に持っているのは?)
「温かいやつ、白湯(さゆ)です。ここ出てくる前に買っておこうと思って、買いました」
こんな時に入りたくなるのが…。
瀬川裕大 記者
「手がかじかむような寒さで、カピバラ温泉は大繁盛です。湯加減いかがですか?」
大阪府堺市にある「ハーベストの丘」では、南米原産で寒さが苦手なカピバラたちに、お風呂でのんびりリラックスしてもらおうと、毎年恒例の「カピバラ温泉」を12月から始めました。
カピバラが気持ちよさそうに入るお風呂ですが、 私たちはこの時期の入浴には注意が必要です。
ヒートショックに詳しい東京都市大学・早坂信哉 教授
「寒暖差が激しいと、まだ体が寒さに慣れていない。そのためによりヒートショックが起きやすい」
急激な気温差が原因で起きる「ヒートショック」。
早坂信哉 教授
「特に高齢の方ですと、血圧が高くなると血管が破れたり詰まったりして、脳卒中や心筋梗塞などを起こす。そういう点から非常に危険」
高齢者だけではなく若い人も注意が必要だということです。
早坂信哉 教授
「スマホなどを長くお風呂で見ていると、若い方でも血圧が下がりすぎてしまう。そうすると立ちくらみを起こしたり意識を失ったりして、倒れてしまうことがあるので、若い方は特にお風呂から出る瞬間が危ない」
対策は脱衣所や浴室を暖め、温度変化をなくすことなどとされていますが、さらに気を付けなければいけないこととは…
(解説:黒木千晶キャスター)
急に寒くなってきた中で気をつけていただきたいのが、「ヒートショック」です。注意が必要なのは、高齢の方だけではありません。入浴時以外にも危険があるということで、ここからは対策について考えていきたいと思います。
まず、お風呂の危険について考えます。2023年のデータですが、浴槽で溺れて亡くなった高齢の方が、全国で6073人います。これは交通事故で亡くなった高齢者の約2.9倍に当たります。お風呂の中で亡くなってしまう方が多いというデータになります。
お風呂で注意が必要な理由は「ヒートショック」。急激な温度変化によって血圧が上下することで、心臓や血管に大きな負担がかかってしまいます。つまり「ヒートショック」は、血圧の変動が大きなポイントになります。
では、お風呂に入っている時に、どのように血圧が変化していくのかを、グラフで見ていきたいと思います。
暖かい部屋の中にいる時は血圧が安定しています。「ヒートショック」は、何度も何度も起きるタイミングがあります。
暖かい部屋から急に寒い脱衣所に入った時、血管が縮んでしまって血圧が上がってしまいます。急激な血圧の変化の時に「ヒートショック」が起きてしまう危険があります。
そこから、さらに寒い浴室に入ると、血圧がぐっと上がってしまう。ここにも「ヒートショック」の危険があるということです。
その後、温かいお風呂、お湯に浸かると、熱の刺激で一旦また血圧がぐっと上がるそうで、ここでも「ヒートショック」の危険があります。
さらにその後、温まってくると血管が広がって血圧がぐっと下がるそうなんです。ここでも「ヒートショック」の危険があります。
そして浴槽から出るタイミングでも温まった効果、さらには水の中にいた水圧の締め付けがなくなったことで、血管が広がってまた血圧がぐっと下がる。
(高岡解説委員)
総じて言えば、急な上がり下がりが良くないということですよね。
(黒木千晶キャスター)
そうです。急激な血圧の変動が非常に良くないということです。高齢の方になると血圧の変動が生じやすくて、65歳以上の方は特に注意が必要なんだそうです。
では気になるのが、急に体調が悪くなってしまった時の対策です。異変を感じてしまった場合、まず温かい場所から寒い場所に行った場合、応急措置として急にストーブの前とかに行って温めると危険なので、暖かい毛布をかけるという対策が重要なんだそうです。
寒いところから暖かいところに行った場合の応急措置としては、溺れないようにまずはお湯を抜く。そして、急に冷たい水などをかけてしまうと急激な温度変化で血圧が下がってしまうため、ぬるま湯を体にかけるなどの応急措置が必要だということです。
もしその後、体調に異変を感じていたら救急車を呼ぶなどをしてください。
そして入浴をする際に気をつけるポイントです。
体調が悪くなる前に「ヒートショック」の対策としてやっていただきたいこととして誤っているものはどれになるでしょうか。
①浴室だけ温める
②お湯は42℃以上で
➂肩まで長時間温まる
正解は全部になります。実はこれ全部誤ります。
浴室だけ温めるとまた脱衣所との温度変化が起きてしまうので、脱衣所も温めることが必要だということです。
お湯は42℃以上というのも誤りで、やはり40℃以下が良いそうです。40℃以上の熱い湯に使ってしまうと、熱で皮膚の血管が収縮して血圧が一時的に上がって、その後温まっているうちに下がっていって、上下が起きてしまいます。40℃以下でじっくりと温まるのがいいということです。
(高岡解説委員)
今時の人は、防水ケースに入れてスマホでドラマ一本見てる人いますからね。
(黒木千晶キャスター)
1時間~2時間浸かる方も中にはおられますが、冬場は半身浴で短時間、そして入浴前に水を飲むことが必要だということです。
高齢の方だけではなく若い方にも注意が必要です。「ヒートショック」はストレス、睡眠不足や不規則な生活が重なると血圧の変化が起きやすくなってしまって、若者でもリスクがあるということで気をつけないといけません。対策を守っていただいて、急激な温度変化というのを起きないようにしてください。
急な温度変化というと、サウナも注意が必要です。サウナで脱水状態になって血圧が下がった後にまた水をすぐに浴びると急激に血圧が上がって「ヒートショック」が起きる可能性があるので、サウナに入られるときは十分な水分補給をとって、体調が万全なときに入っていただきたいと思います。
さらにお風呂以外の寝室やトイレでも20℃以上の温度差が生じる場所は非常に危険なので、冬の寒い時期、布団の中は比較的暖かいですが、そこから部屋の中に出るときの廊下やトイレは気温差があるので、羽織れるものやスリッパ、靴下などを準備して、起きる時間にあらかじめ暖房をセットしておくことで、急な気温の変化に対応できます。
(高岡解説委員)
「おはようタイマー」をかけてください。
(黒木千晶キャスター)
室内であっても急激な温度差が生じる場所には、皆さんお気を付けください
▼特集動画や深堀解説、最新ニュースを毎日配信 チャンネル登録よろしくお願いします!
https://www.youtube.com/channel/UCv7_krlrre3GQi79d4guxHQ
▼情報提供はこちら「投稿ボックス」
https://ift.tt/UpkcGFn
▼読売テレビ報道局のSNS
TikTok https://ift.tt/FueGcrV
X(旧Twitter)https://twitter.com/news_ytv
▼読売テレビニュース
https://ift.tt/ialBHKC
▼かんさい情報ネットten.
Facebook https://ift.tt/ElRstHW
Instagram https://ift.tt/2QRvClc
X(旧Twitter)https://twitter.com/ytvnewsten
webサイト https://ift.tt/zgxyDIn
▼情報ライブ ミヤネ屋
https://ift.tt/5VsOkHz
▼ウェークアップ
X(旧Twitter)https://twitter.com/ytvwakeup
webサイトhttps://ift.tt/ShlJi9v
コメントを書く