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首都直下地震「最大の弱点」解消へ “燃えにくい街づくり”とは(2022年3月9日)
今後30年間に70%の確率で発生するといわれている首都直下地震。「最大の弱点」と指摘されるのが木造住宅の密集地域です。火災から身を守るためにどうすればいいのか、現場を取材すると、ある課題がみえてきました。
古い木造家屋の解体・・・。
足立区のこのエリアでは、最大210万円の助成金が出るといいます。持ち主は、ここに新しいビルを建てる計画。
11年前のあの日、東京では・・・。
仮に、あの日のような地震が東京の直下で起きれば、懸念されるのは、火災。最悪の場合、死者は2万3000人・・・。うち7割が火災によるものと国は想定しています。
東京大学生産技術研究所・加藤孝明教授:「延焼運命共同体」
延焼運命共同体・・・。
東京大学生産技術研究所・加藤孝明教授:「東京の市街地の最大の特徴は、木造の建物で形成された市街地が高密で、非常に広い範囲に広がっているということ」
都は、木造住宅が密集する地域のなかでも、特に延焼の危険があるエリアを「不燃化特区」に指定。
建て替えを促す施策を続けています。
東京都・石原慎太郎知事(当時):「最大の弱点、木造住宅密集地域を、徹底して耐震化・不燃化する」
事業が始まって9年、不燃化は進んでいるのか・・・。
消防車の通行を妨げる、細く、曲がりくねった道。羽田のこの辺りも、都が指定する不燃化特区の一つ。
古くから続く鮮魚店の建物は、築60年ほど。裏に回ると・・・。
海の安全を祈願する小さな鳥居と祠(ほこら)。自家用ミニ神社も、羽田では珍しくないといいます。
こうした木密地域は、山手線の外側などに、ドーナッツ状に点在しています。
東京大学生産技術研究所・加藤孝明教授:「このエリアは、短い時間で一気に市街化。一つ目が関東大震災で焼け出された人たちの受け皿として、密集市街地が形成された」
足立区の千住元町。
不燃化特区を行く町会長は、住民に建て替えを呼び掛ける立場・・・。
千住元町会・長山康男会長(81):「常に防災のこととか、火災になったら大変なんだという話は常にしている」
印刷業を営む自宅兼事務所には、活版印刷に使っていた活字や、古い機械。建物は、やはり相当な年季が入っています。
千住元町会・長山康男会長:「火が出たら一発でアウトでしょうね」
足立区では、解体費用などの助成のほか、できた建物の固定資産税も減免されます。
不燃化特区制度を利用・目目澤喬さん:「210万円の助成金が出る。(解体費の)持ち出しはない」
しかし、50余りある不燃化特区のうち、安全とされる指標に届いているのは、わずか4カ所だけです。
戦時中から建っているという木造家屋。住んでいる男性は、人生の大半をこの家で過ごしたといいます。結婚、子育て・・・。去年、先立った妻との思い出が染み付いています。
田中玄一さん(84):「だから離れられないんだよ。各家庭やっぱり色んな物語があるじゃない」
かつて、1度だけ家主に退去を求められたといいます。男性も、建て替えによって街全体が安全になることに異論はありません。しかし・・・。
田中玄一さん:「先立つものがないわけよ。行く所がないんだよ」
家主は地元のお寺。ここに住み続けることを認めてくれました。
地域の防災と、個人の幸福。折り合いは、果たして・・・。
都は、住人の高齢化なども踏まえ、首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直す方針です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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