“自民派閥”解散&脱退ドミノ 茂木派“激震”小渕優子氏が退会届【スーパーJチャンネル】(2024年1月26日)

“自民派閥”解散&脱退ドミノ 茂木派“激震”小渕優子氏が退会届【スーパーJチャンネル】(2024年1月26日)

“自民派閥”解散&脱退ドミノ 茂木派“激震”小渕優子氏が退会届【スーパーJチャンネル】(2024年1月26日)

 通常国会がスタートするなか、小渕優子選対委員長(50)に続き、茂木派からの離脱者が相次いでいます。専門家が指摘した派閥解散という総理のクーデターの波紋が広がり続けています。

■茂木派“激震” 小渕優子氏が退会届

 政治は数、数は力。派閥の政治資金パーティーを巡る事件を受け、自民党6派閥のうち、麻生派と茂木派を除く4つが解散を表明。党内の勢力図に変化が起き始めています。

 そんなさなか、突然出てきたのが小渕選対委員長の「茂木派退会」でした。

小渕選対委員長 きのう
「生まれも育ちも平成研究会(現茂木派)です。当然のことながら愛情を持ってきましたし、これからも変わらぬ思いでいます。政治家として覚悟を持ってけじめとしてこういう判断をしました」

 一緒に退会する議員はいるのかと問われると、「トイレに行くんじゃないんだからすべて一人で行動しました。政治家なので」と答えました。

 女性初の総理大臣候補の一人と目されている小渕選対委員長。父親の小渕恵三元総理大臣が現茂木派=平成研究会の会長を務めていたこともあり、茂木派内には動揺が広がっています。

自民党関係者(茂木派)
「小渕さんはそのうち参議院平成研と一緒になって小渕グループを作るんだろう。茂木幹事長も慌てているだろう。茂木幹事長にとっては政治家になって初めてくらいのピンチなんじゃないか」

■“参院のドン”長男も茂木派離脱へ

 参議院平成研究会とは、茂木派内の参議院議員のグループのこと。早速26日、その参議院平成研を束ねる、関口昌一参議院会長ら幹部3人と青木一彦参議院議員が茂木派の退会を表明。これで小渕選対委員長を含め、5人が茂木派を離脱します。

自民党 茂木派 青木一彦参院議員
「一人の議員として、やっぱり派閥というものを脱したなかでしっかりとその辺は整理していきたいという思いからです」
「(Q.小渕氏とは話された?)辞められるのは伺いました。ただ私の判断とはこれ別です」

 その青木議員の父親は自民党「参院のドン」と呼ばれた実力者、故青木幹雄元官房長官。小渕恵三内閣の官房長官を務め、去年亡くなるまで小渕優子氏の後ろ盾として支えてきた人物です。

■小渕氏退会で茂木派離脱ラッシュ?

 ジャーナリストの後藤謙次さんは小渕選対委員長の茂木派退会をこう見ています。

ジャーナリスト 後藤謙次氏
「ミツバチで言えば女王蜂が巣離れしてしまったと。追々、働き蜂もそこに移動していくと。その意味では茂木派はいよいよ厳しい局面に入ったなと」

 後藤さんは茂木派から退会する議員がさらに増える可能性があるとみています。

 小渕選対委員長はなぜこのタイミングで茂木派を離脱するのか、理由の一つが「選対委員長」という立場にありました。

ジャーナリスト 後藤謙次氏
「きのうの森山派の解散によって自民党議員の7割が無派閥になったんですね。その7割の無派閥の議員の人たちの選挙の責任者は自分であると。だからよりフラットな立場で選挙対策に臨みたいというのが離脱の理由なんですが、『平成研』という名前が示す通り、小渕恵三さん、優子選対委員長のお父さんが創設した派閥なんですね。小渕優子さん自身もすごい思い入れがあったわけなんですね。次期派閥会長候補としてずっと歩んできたわけですから、(小渕さんは)次の大きな塊の中心にいると。そのために茂木派から離れた人たちも集まってくると。あるいは他派閥からも集まってくることが考えられるんじゃないでしょうか」

■父が率いた“主流派”「平成研究会」

 そもそも茂木派こと平成研究会は、田中派・竹下派の流れをくむ、自民党の主流派です。派閥皆で同じ弁当を食べる「一致結束箱弁当」という言葉も生まれるほど鉄の結束を誇りました。橋本元総理も、鈴木宗男氏も同じくカレー。

 平成おじさんとして知られた父・小渕恵三元総理も1993年から派閥を率いています。父親が総理になると、優子氏は会社を辞めて秘書となり、アメリカ訪問に同行したことも…。

 総理の娘として、若い頃から期待された優子氏。総理在任中に恵三氏が急死すると、地盤を継いで当選、平成研に入会しています。

 その時の選挙で応援に駆け付けたのが青木幹雄氏。恵三氏の兄貴分とも言われた青木氏は、その娘の優子氏のことをかっていたといいます。

■「女性総理に」“参院のドン”の夢

ジャーナリスト 後藤謙次氏
「忘れ形見を俺が育てなきゃいけない。(青木さんは)優子ちゃんと呼んでいた。『優子ちゃんには将来初めての女性総理大臣になってもらいたい』としばしば雑談の席で言っていた」

青木幹雄元官房長官
「小渕恵三さんより選挙には向いているなと思った。優子さんのことは保護者のような、後見人のような気がして、温かく、また厳しく見守って参りました」

 その青木氏が亡くなった時、森元総理はこう話しています。

森喜朗元総理
「(心残りは)小渕恵三さんのお嬢さんの、小渕さんのお嬢さんのことだと思います。あなたの希望がかなうように最大限努力して参りますことをお誓い申し上げて…」

 青木氏の意志を継いで優子氏を総理にと誓った森元総理は岸田総理にも…。

ジャーナリスト 後藤謙次氏
「森さんは『優子をぜひ育ててもらいたい』と岸田さんに頼んでいる。その答えが選挙対策委員長になって返ってきている」

 現在、優子氏は党4役の一つ、選挙対策委員長を務めています。

■安倍派の委員長ら10人“交代”

 いよいよ26日召集された通常国会。自民党の政治資金を巡る事件を受け、岸田総理にとって厳しい国会になることが予想されます。

 衆参両院の委員長などを務める安倍派の議員10人については交代することが決まりました。安倍派については自民党内から派閥の解散だけでなく幹部らに対し、離党などの処分を求める声が高まっています。

 その安倍派は26日、幹部らの処分の是非について協議しました。純粋な政策集団として派閥の枠組みを存続させようとしている麻生派と茂木派ですが、今度は麻生派から離脱の声が上がりました。

■「退会させて頂く」 麻生派にも波紋

自民党 麻生派 岩屋元防衛大臣
「今は自民党の一体感が大事。一枚岩になることが大事だと思います。従ってすべての派閥は一度解散をして、そして更地から新しい自民党を立て直すということが大事だと思っておりますので、伝えられているように志公会(麻生派)がこのまま存続をするということであれば退会させて頂くということを申し上げて参りました」

 政治は数。麻生派、茂木派から所属議員が離脱し始めています。

ジャーナリスト 後藤謙次氏
「今回は麻生派と茂木派が残っていると、私は両派閥とも解散できないんだと思うんです。しないんじゃなくてできない。解散をしてしまうとそっくりそのまま修復ができない。場合によってはトップに立つ人間が入れ替わってしまうかも分からない。そういう懸念がかなり大きくあるので、今の状況を維持するという選択しかないというのがこの派閥存続の意味だとみています」

 麻生派と茂木派の行方に注目が集まります。混沌とする自民党。後藤謙次さんが指摘した岸田総理のクーデターを発端としたこの混乱。岸田総理の思惑はうまくいっているようです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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