日本酒をくみ交し…岸田総理“派閥解散”おわびと麻生氏の“注文” 会談の意味【スーパーJチャンネル】(2024年1月22日)
安倍派5人衆の一人、萩生田光一前政調会長が会見し「政治不信を招いた」と謝罪しました。
21日夜に行われた岸田文雄総理大臣と麻生太郎副総裁の会談について、改めて「何が話し合われたのか」をジャーナリストの後藤謙次さんに聞きました。
■「日本酒を飲みながら」“派閥解散”おわび
後藤さんは、21日夜の会談は「麻生副総裁が振り上げた拳をおろすセレモニーだった」と言います。
まず“派閥の解散”を巡っては、11日に自民党の政治刷新本部が初会合を開きました。今週25日に中間的取りまとめを行う方針で、「政治資金パーティー」や「人事での推薦」の禁止などが盛り込まれる方向です。
その取りまとめの前、18日に岸田総理が発表したのが「岸田派の解散」です。
ただ岸田総理は、岸田派の解散を麻生副総裁に事前に報告をしていなかったそうです。
そして21日の晩、岸田総理と麻生副総裁が会談しました。
後藤さんは「この2時間の会談は、日本酒を飲みながら行われた」と言います。
会談は岸田総理が好きな日本酒を飲みながら行われたそうで、後藤さんによりますと「まず岸田総理が連絡しないで“派閥解散”したことに関して、麻生副総裁におわびした」そうです。
それに対して麻生副総裁は、「しょうがない」という雰囲気だったそうです。
「なんで勝手に決めたんだ」と麻生副総裁は怒っているのかと思ったのですが、そういった雰囲気ではなかったようです。
後藤さんは「岸田総理は、そこも含めて予想していたのではないか」と分析をしています。
■2人の間にある“同門意識”
麻生副総裁はかつて、現岸田派の宏池会に属していました。
そのため同門意識というのが2人の間にはあるそうで、後藤さんは「岸田総理は、派閥の解散を表明した時点で、麻生副総裁であれば許してくれるだろうと考えていたのでは」と話します。
そして後藤さんは、「そもそも本当に怒っていたら、この会食自体が成立していないんじゃないか」といい、「会ったということ自体が、麻生副総裁が岸田総理を許していることの表れだ」と指摘します。
■麻生副総裁が会談で出した“注文”
また、麻生副総裁にとっても、この会談には意味があります。
岸田総理が自分に頭を下げたという事実が非常に重要で、つまりこの会食は麻生副総裁が振り上げた拳をおろす、いわば“セレモニー”。お互いの“落としどころ”がある程度分かっていた会食だったのです。
ただし、この会談で麻生副総裁は、岸田総理にある注文を出しています。
麻生副総裁は「今回の問題は、あくまで収支報告書の不記載が悪いのであって『派閥』は悪くない」と説明していて、そのことだけは改めて説明をするように、岸田総理に求めたそうです。
■麻生副総裁が派閥にこだわる理由
どうしてそこまで、麻生副総裁は派閥という形にこだわるのでしょうか。
後藤さんによりますと「麻生副総裁は派閥への思い入れが非常に強い」のだそうです。
今の麻生派・志公会は2017年に麻生副総裁自ら旗揚げした派閥。今や、安倍派に次ぐ、第2派閥にまで勢力を拡大しています。
麻生副総裁としては、自分で築き上げた派閥なので思い入れも強く、所属している後輩も守らなければと考え、派閥を残したいのではないかと、後藤さんは分析しています。
■麻生派…追いつめられる可能性も
ただ、岸田派、二階派、安倍派は相次いで解散を決めています。麻生派は生き残れるのでしょうか。
今6つの派閥がありますが、現在は安倍派、岸田派、二階派の3派閥が解散を表明していて、茂木派、森山派、麻生派の3派閥は解散表明をしていません。
現在は均衡した状況ですが、今後のカギを握るのが茂木派と森山派です。
茂木派と森山派は、現在は派閥解散には慎重姿勢ですが、この2派が解散を表明すれば、麻生派だけが派閥を存続するという話になります。
後藤さんは「そうなると麻生派だけが残るという構図は考えづらく、結果的には解散に追い込まれる可能性もある」と分析しています。
世論が派閥の解散を支持すれば、ばつの悪い状況になるため、麻生派は追い詰められます。
■後藤さん…派閥解散は「“目くらまし”」
後藤さんは、派閥の解散に話が行っていることに関して「目くらましに使っている」と指摘しています。
そして後藤さんは「今回起きた不正の実態というのを国民の前にさらして、これを開示してこそ、次のステップに進める」と話していました。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月22日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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