能登半島地震 ボランティア活動開始 阪神・淡路大震災から生まれた“支援の形”【サンデーLIVE!!】(2024年1月21日)
発災から20日、一部ではボランティア活動が始まりました。今回、番組では能登半島地震の被災地で、現地の強い要請を受け、ボランティアを行う団体に密着しました。阪神・淡路大震災の被災者が考えた、支援の形とは。
◆復興支える“専門”を生かしたボランティア
吉永龍司
「こちら珠洲市を拠点としているボランティア団体は長野から重機を運んで支援を行っているといいます」
長野県を拠点としている「日本笑顔プロジェクト」。重機を使用した支援で被災地へ寄り添うことをテーマとした民間ボランティア団体です。
警察や自衛隊の要請を受け、4日から珠洲市を中心に小型パワーショベルなどを使った撤去作業を行っています。
一般財団法人日本笑顔プロジェクト 小林温子事務局長
「道路が寸断されているところを開通させる。家屋が道路に倒れているのを排除する。おうちの周りなので大きな重機が行っても作業はできないのでだいたいこれくらいの大きさの物で活動をしている」
土砂の撤去は個人で行うことが難しく、重機を扱える民間ボランティアは重宝されているといいます。
この団体を立ち上げたのは長野県小布施町の浄光寺で副住職をしている林映寿さんです。
一般財団法人日本笑顔プロジェクト 林映寿代表
「こちらがですね、重機の資格を取っていただく講習エリア。それから資格を取っていただいた後に皆さんが練習をしていただく重機の講習エリアになってます」
この施設では重機を扱う免許を取得することができ、その後も定期的に勉強会を開催。普段利用しない重機を扱い続けることで災害時にも活躍できるといいます。
東京から講習に来ているという男性は…。
東京から講習を受けに来た男性
「こうやってたまにでもやらせていただくと多少は私なんかでもお役に立てることはあるのかなと」
林さんが重機を使えるボランティアの重要性を認識したのは2019年の台風19号の時でした。その後、重機の講習を開始。これまで1000人以上が重機の資格を取得しました。
一般財団法人日本笑顔プロジェクト 林映寿代表
「1人でも多くの重機ボランティアを育成していくことは必須なこと、災害大国になったこの日本においてはとても重要なことなのかなと」
一方で、林さんは重機を扱えるボランティアの少なさを懸念しています。
一般財団法人日本笑顔プロジェクト 林映寿代表
「能登半島というところは、高齢化も非常に進んでいる。現地でこの重機を元々扱える人たちも少ない。これからまた災害が増えていくなかで我々も公助だけに頼るのではなく、公助も頑張っていただいているから住民レベルで自助を高めていく必要があるんじゃないのかなと。皆さんにしっかり寄り添いながら我々も多分、長期戦にはなるとは思いますが、できる限りの支援をしていきたいなと思ってます」
◆阪神・淡路大震災 被災者が創る“支援の形”
現地とのつながりを生かし、きめ細かな支援を始めた専門家もいます。
福島大学の藤室玲治特任准教授です。
藤室さんは大学時代に阪神・淡路大震災を経験し、ボランティア活動を開始。大学卒業後は東日本大震災の復興活動など数々の復興に携わってきました。
2007年の能登半島地震では地元の区長らに協力して復興を支援。その後も現地の住民と交流を続け、今回は被災者らと連絡を取り支援に駆け付けたのだといいます。
福島大学 藤室玲治特任准教授
「(七尾市)中島地区の小牧の祭りに参加させてもらって、一緒に枠旗を担がせていただいたんですね」
20日は神戸大学の学生と共に七尾市中島地区の避難所を訪れました。
七尾市は古い木造住宅など、多くの家屋が倒壊し8000軒近い住宅が被害を受けました。しかし、輪島市などと比べ被害が少なく見えることから支援が進まず、住民のストレスが高まっているのだといいます。
七尾市在住 加藤淳一さん(48)
「一見、この辺は被害がないだろうと、棟瓦がちょっとずれたかなっていうぐらいの感じに見えるんですけど、(家の)中に入りますとサッシも吹っ飛んでいるですよね」
七尾市は輪島市、珠洲市などへの支援に向かう経路に位置しています。
市内では支援物資を運ぶトラックが次々と通過。自分たちが無視されていると感じる住民も多いのだといいます。
藤室さんらは事前に不満を聞き取り、ストレスを和らげるために足湯を準備していました。
福島大学 藤室玲治特任准教授
「お湯を混ぜて温度を自分で確認しながら…」
こちらの避難所では、すでに自衛隊によって入浴施設が設置されています。
それでもあえて足湯を用意したのは、被災者の不満や不安を聞き、少しでも気を紛らわせることが目的なのだといいます。
避難している住民
「温かい。温かいな。足が温かかったら体全体、温かくなるよ」
被災者の声に耳を傾け、手足をマッサージ。現地の意見を聴き、ニーズを知ることができ、支援の押し付けを避けることがでるといいます。
福島大学 藤室玲治特任准教授
「被災地の状況は刻一刻と変わるので、例えば数日前のテレビで見た状況が変わっているということがあります。ですので現地の人とよくコミュニケーションを取って支援することが必要なんですね。時間経つにつれてニーズは同じ人のニーズもどんどん変わっていくので、それをきめ細やかにくんだ支援が必要だと思います」
(サンデーLIVE!! 2024年1月21日OA)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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