「岸田派の解散検討」電撃表明 永田町に波紋“岸田おろし”も…安倍派・二階派は?【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月19日)
岸田文雄総理大臣が政治への信頼の回復のために、岸田派を解散することを検討していると話した。岸田派では、元会計責任者の立件が検討されている。
■岸田総理 不記載は「事務的ミス」…関与否定
岸田総理
「(岸田派の)解散についても検討しております。政治の信頼回復に資するのであるならば、そうしたことも考えなければならない。このように思っております」
「(Q.政策集団としての“宏池会”は残す考えか?)いや、宏池会を解散することを検討しております。宏池会というのは元々、政策集団です」
18日夜、岸田総理が突如打ち出した、岸田派の“解散”。岸田派の元会計責任者が立件されるという報道が出た最中だった。
関係者によると元会計責任者は、2020年までの3年間でおよそ3000万円の収入を報告書に記載しなかった疑いがあるという。
これに対し、岸田総理は不記載について「事務的なミスの積み重ね」と主張。自らの関与は否定した。
岸田総理
「事務処理上の疎漏(そろう)であるということを承知しておりますが、私自身、在任中から今日まで、それ以上のことは承知をしておりません」
■自民党内からも「ひとごとみたいな言い方」
野党からは、次のような声が上がった。
立憲民主党 長妻昭政調会長
「これ、事務的ミス…うっかりミスの範疇(はんちゅう)を超えているんじゃないですかね。会社の社長が色んな不祥事があった時に、『いやいや部下の事務的ミスですから』っていう言い逃れが通用するんでしょうか」
国民民主党 玉木雄一郎代表
「事務的ミスの積み上げで数千万になるというのは、一般の感覚からしたらありえないし。許されないですよね、普通なら」
自民党内からも、次のような声が上がった。
自民党 閣僚経験者
「けさの総理の説明の仕方はダメだろ。事務的なミスの積み重ねって。完全にひとごとみたいな言い方で、納得できるものもできない」
こうした声が出ていたなか、突如、派閥の解散を検討すると表明した岸田総理。政治団体としての届け出も取り下げ、事務所もたたむことで金集めもできなくなるという。
■総理周辺「勝負に出た」「岸田おろしも…」
永田町には、大きな波紋が広がった。
総理周辺
「自民党が生き残るにはこれしかないと、勝負に出たということじゃないか。ただ、“岸田おろし”が起きる可能性もありますよね」
総理周辺
「岸田総理は昭和32年の宏池会と同じ年に生まれたなど、思い入れはかなり強い。でも看板を下ろすという重い決断をした」
岸田総理が解散を検討している宏池会は67年の歴史を誇る“名門派閥”として、これまであまたの総理を輩出してきた。
■名門派閥・宏池会 総理5人輩出…「加藤の乱」も
池田勇人総理大臣(1961年9月当時)
「日本の経済はどんどん伸びていっておりますから、その伸び方を正常化するために措置をとったのであって、根本の所得倍増計画というのは絶対に正しかった」
1957年、後に総理大臣になった池田勇人氏が設立した宏池会。池田内閣が進めた政策が「所得倍増計画」。日本は高度経済成長を成し遂げた。
宏池会はその後、大平正芳氏、鈴木善幸氏、さらに宮澤喜一氏らの総理大臣を輩出し、“名門派閥”と呼ばれるようになった。
しかし、2000年、当時の森喜朗総理大臣に辞任を迫った、いわゆる「加藤の乱」が起きた。
自民党 谷垣禎一衆院議員(2000年11月当時)
「加藤先生、大将なんだから。一人で突撃なんてダメですよ。加藤先生が突撃する時は、俺たちだって付いていくんだから」
その中心にいたのが、宏池会の会長だった加藤紘一氏だ。
加藤氏は野党の内閣不信任決議案に賛成する構えを見せたが、自民党執行部の猛烈な切り崩しにより勢いを失い、わずか10日余りで「加藤の乱」は幕を閉じた。
その後、2021年10月に岸田文雄氏が就任するまで、宏池会から総理が生まれることはなかった。
岸田総理
「政治の信頼回復のためにどうあるべきか。そういったことで今、検討しております」
■安倍派・二階派 きょう議員総会…解散は?
一方、報告書の不記載額が6億円近くに上るとされる最大派閥の安倍派。東京地検特捜部はすでに、池田佳隆衆議院議員を逮捕している。
さらに、不記載の額が大きい谷川弥一、大野泰正両議員の立件を検討しているとみられる。
二階派では、二階俊博会長の事務所が3000万円以上を派閥に納めず、記載していない疑いがあることが分かった。
特捜部は、二階派の元会計責任者と二階元幹事長の秘書の立件も検討している。
安倍派や二階派は19日、派閥の幹部が事件の経緯などを説明するため、総会を開く。
18日、安倍派議員は、次のように話した。
自民党・安倍派 田畑裕明衆議院議員
「あしたの総会でなぁなぁになってしまうのは、ありえないんだろうなと」
安倍派の一部からは、派閥の解散や執行部の刷新を求める声も出ているという。
派閥の解散論が広がる一方、18日、自民党内の無派閥の議員らが情報交換会を立ち上げた。
自民党 無派閥 赤澤亮正衆議院議員
「無派閥の我々がろくに声を上げないから、派閥の弊害が増長しているという側面も。我々は自分たちの問題として受け止めて、しっかりやっていかないといけない」
捜査が大詰めを迎えるなか、大きく揺れる自民党。派閥の解散は実現できるのか。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年1月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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