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月面探査機「SLIM」が月への着陸に挑戦 鍵を握る「2段階着陸」とは 日本初の快挙なるか|TBS NEWS DIG
あす夜、月面探査機「SLIM」が月への着陸に挑戦します。成功すれば日本初の快挙ですが、鍵を握るのは独自の着陸方法です。
去年9月、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた小型月着陸実証機「SLIM」。4か月余りかけて、今、月の上空600キロ付近までやってきました。
今週、「SLIM」から撮影した月面の写真には月の大きなクレーターが。ついに、あさって午前0時20分に月に着陸する予定です。
JAXA研究開発部門 河野太郎さん
「こちらにあるのが『SLIM』になります」
SLIMの構造設計に10年携わってきたJAXAの河野太郎さん。
JAXA研究開発部門 河野太郎さん
「平常心ですかね。ただやっぱりかなり緊張してまして」
月面着陸は今も技術的に難しく、これまでに成功したのは旧ソ連・アメリカ・中国・インドの4か国だけです。河野さんは、成功の鍵は日本の独自技術にあると言います。
JAXA研究開発部門 河野太郎さん
「普通にやると転んじゃうんで、あえてもう転ばそうと。2段階着陸」
「2段階着陸」とは、まず1本の足で月面に触れ、次に残り4本の足も使って、斜面に倒れ込むという着陸方法で、いわば「わざと転ぶ着陸」です。
JAXA研究開発部門 河野太郎さん
「『本当にこれにすんの?』『大丈夫?』と当事者も思いながら、ただ計算していくと、最終的な成功確率が高そうという合理的な判断があって」
着陸の瞬間、月面に最初に触れる「SLIM」の足は独自の構造で網目状に組み立てられていて、着地の衝撃を効率よく吸収できるようになっています。
JAXA研究開発部門 河野太郎さん
「その先の将来に役立つ技術を作ってきたということで進めてきた」
今回、SLIMが担う大きな任務が「ピンポイント」着陸です。月への着陸を成功させてきた国は平坦な場所を狙い、そこに数キロから十数キロメートルの範囲で着陸させることがほとんどでした。
一方で、SLIMは傾斜地なども含め、狙った場所の100メートル以内に着陸することを目指しています。
JAXA研究開発部門 河野太郎さん
「月に住もうとするのに着陸が『1キロ範囲のどこかです』では生活しづらい。基本となる技術として一つ大事なものが確保できるのではないか」
着陸はあす深夜からで、日本初の快挙に期待がかかります。
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