避難所に「かあさん食堂」 温かい手料理で150人支える「みんなが笑顔になれるよう」【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月16日)

避難所に「かあさん食堂」 温かい手料理で150人支える「みんなが笑顔になれるよう」【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月16日)

避難所に「かあさん食堂」 温かい手料理で150人支える「みんなが笑顔になれるよう」【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月16日)

 能登半島地震で、震災当日の夜から避難所で食堂を開き、温かい食事を振る舞っている地元のお母さんたちがいます。自身も被災しながら、およそ150人の避難者を支える思いを取材しました。

■笑顔をもたらす…お母さんたちの手料理

 最大震度6強を観測した石川県穴水町。石川県によると15日時点で、死者は20人となり、1800人以上が避難所生活を送っています。

 この地区の多くの住民が避難した先が旧兜小学校舎です。不安な時間を過ごすなかで、震災当日から避難所の人々を支え続けているものがあります。

東井祐美子さん(66)
「地震の当日の夜から、ここに避難されている方がいて。最初からお米とか持ち寄って、いろいろ作っています。みんなが活力が出て元気になれるように、笑顔になれるように。そう思って作っています」

 避難者に笑顔をもたらしているのは、東井さんを始めとしたお母さんたちが作る温かい手料理。震災当日の夜に5人が集まり、300個以上のおにぎりを提供しました。その後も毎日、みそ汁やカレーなどを用意してきたといいます。

東井さん
「(Q.みなさんで会話しながら作ると?)嫌なこと忘れますよね」
「(Q.あとは喜んでくれると?)喜んでくれると、それが最高。やりがいがあります」

 1週間ほど経つと、自衛隊による炊き出しが始まりましたが…。

女性
「なますと言うんですけど。二色なます。ダイコンとニンジン。きょう150人いるので、足りるかどうか、みなさんに行き渡るかどうか」
「(Q.メインは?)自衛隊の牛丼」
「(Q.どうして、なますを?)牛丼だから、あっさりした酢の物が良いかと思って」

■「かあさんの学校食堂」10年間の思い出

 炊き出しのメニューを考慮しつつ、腕をふるうお母さんたち。その中心となっているのが、旧兜小校舎で2013年にオープンした「かあさんの学校食堂」の運営メンバー6人です。メンバーの一人、東井さんは次のように話します。

東井さん
「これはシイタケと昆布を使ってつくだ煮風に。ちょっと甘辛くしようと思っています。
「(Q.味の決め手は?)愛情」

 自身も被災しているお母さんたち。それでも、学校食堂のお母さんたちにとって、避難所での支援には特別な思いがありました。

東井さん
「3月末でそろそろ(食堂も)終わりだねと言っていた。みんなで最後のご奉公と、最後お礼を地元に返して終わりに」

 実は「かあさんの学校食堂」は、今年3月での閉店が決まっていました。

東井さん
「物価も高騰。体力もなかなか(つらい)。作る時は350食くらい作る。そろそろ10年やったし」

 10年間を振り返ると、様々なお客さんとの出会いが蘇るといいます。

東井さん
「(Q.看板メニューは?)かあさんの愛情弁当。これは外国の人たちが来た時、国際大学。いろんな人との出会いがあって、いろんな国の人とも出会いがあって、楽しかったですね」
「(Q.写真を見て、どんな気持ち?)最後にこれだと思わなかったので、みんなの役に立てて良かったかな」

■自宅に残る津波の爪痕「散々な状況」

 雪がしんしんと降り、震災後、一番の寒さとなったこの日、自衛隊が作った牛丼とお母さんたちが作った手料理が、避難者に届けられました。断水のため、避難所に水を運んでいる消防団員も、お母さんたちの料理に舌鼓を打ちます。

消防団員
「漬物がやっぱり、塩気があるものがうまい」

 ストーブを囲み、お母さんたちもひと休み。そんな時に脳裏をよぎるのは、自宅のこと。

東井さん
「(Q.自宅は今、どういう状況?)散々な状況です。壁が落ちたり、津波が入って外の物が入ったり、中の物が外に出たり。片付けたいが、手をつけれない。テーブルの上だけ片付けてきたが、もうめちゃめちゃ」

 番組は、東井さんの自宅に案内してもらいました。

夫・保さん(70)
「こっちへ落ちてきた」

東井さん
「戸が開いたり、閉まったり、なかなかしないので。中も入っています。泥だらけ」

 自宅に残る、津波の爪痕。

東井さん
「ちょうど次男夫婦と次男の子どもたちが来ていて。(地震が)起きた時は次男の子が、下の子が来年小学校に上がる。怖いよ、怖いよって泣いて。せっかく楽しみに来たのに、かわいそうな思いをさせたな。トラウマにならないかなと思って、心配しています。もう石川行かないよって言うかも、地震あるから怖いよ」

■孫が書いた手紙「ほんとに気を付けてね」

 夜は経営している栗農園の小屋で過ごしているという東井さん。前を向いて頑張るための原動力になっているという、あるものを見せてくれました。

東井さん
「励ましの手紙があれです。避難して使えるものをみんな持ってきてくれた。そのなかに入っていた」

 震災後、小学1年生の孫からもらった手紙。そこに書かれていたのは…。

手紙
「穴水のじーちゃん、ばーちゃんへ。また栗のお世話よろしくね。震度6や7が来るかもしれないから、ほんとに気を付けてね」

東井さん
「1年生が一生懸命書いてくれた手紙だなと思って、うれしいです。グッとくるね。グッときて、栗作らないとね」

保さん
「頑張って栗の世話をしないとね」

東井さん
「前向いて頑張らないと、今年の秋に向けて」

(「グッド!モーニング」2024年1月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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