海底隆起「漁に出られない」…ピーク直前「能登かき」被害 33歳社長が雪舞う海へ【グッド!モーニング】(2024年1月15日)

海底隆起「漁に出られない」…ピーク直前「能登かき」被害 33歳社長が雪舞う海へ【グッド!モーニング】(2024年1月15日)

海底隆起「漁に出られない」…ピーク直前「能登かき」被害 33歳社長が雪舞う海へ【グッド!モーニング】(2024年1月15日)

 能登半島では、多くの漁港も被害を受け、船が出せない状況となっています。

■「浅すぎて船が浮いてない」停電で港の冷蔵庫も使えず

 輪島港では海底隆起により、船を出すのに必要な水位が足りなくなっていて、船に飛び降りないと乗れない状況です。

 海に浮かんでいるのに、大きく傾いた漁船。海底が隆起し、座礁しているためです。

地元漁師
「(底が)浅すぎて、船が浮いとらん」
「(Q.今の水の状況だと漁は?)出られない」

 たとえ漁に出られたとしても、港の電気が止まっているため、魚を保管する冷凍庫は使えません。

 まさに八方塞がりのなか、仕事がない漁師と一緒に働いている女性がいます。

女性
「元々、外海の漁師さん。今は輪島から避難して、(七尾市)中島町で生活していて、一緒に船に乗って作業している」

 復旧もままならず、仕事を奪われた漁師たちに救いの手を差し伸べる女性とは…。

■ピーク直前「能登かき」被害…33歳社長が雪舞う海へ

 女性が船の上で作業をしています。

女性
「(Q.何の作業?)出荷できないカキが成長してきて、棚自体が重くなって、ブイも沈んできている。ブイを追加して、出荷できるように棚を浮かせる作業」

 こう話すのは、家業のカキの養殖業(下村水産)を継いで5年になる、漁師の浅井絢美さん(33)です。

 幸い、カキ漁に使う船は無事だったため、養殖場の復旧作業をしながら、少しづつ出荷を進めています。

 来月がピークとなる「能登かき」の出荷。問題は、被災した従業員が仕事に来られないことです。

浅井さん
「スタッフたちも自分の生活が安心して過ごせるようにならないと、仕事どころではないので。まずは生活に集中してもらっていて、余裕のある時に手伝って、一緒に復旧作業をしてる」

 雪が舞う海に船を進める浅井さん。浅井さんが指差すその先には、傾いたカキの養殖棚がありました。

 浅井さんが育てた養殖のカキは、幸い地震の影響をほとんど受けなかったため、棚を修理すれば出荷することができるといいます。

浅井さん
「物流が復旧して、出荷できるようになっても、私たちも出荷する先がないので。それも不安の一つ」

■亡き父の思い継ぎ奮闘「自分ができることはしたい」

 不安が募るなか、浅井さんの希望となっているのが、普段は魚をとっている漁師たちです。船を出すことができなくなった代わりに、浅井さんの仕事を手伝っています。

漁師
「もう10年だめやろな。10年お願いします」

浅井さん
「うん。もうずっとおって」

 亡くなった父の後を継いで漁師になった時、支えてくれたのは、地元の人たちでした。

浅井さん
「自分がもし船が出せなくなって、漁ができなくなるって想像したら、本当に言葉にできないので。自分ができることはしたい」

(「グッド!モーニング」2024年1月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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