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「相対的に津波が低く」“海底隆起”で“津波軽減”か…北側と東側で分かれた被害【報道ステーション】(2024年1月11日)
能登半島地震から11日が経ち、少しずつ被害にも違いが見えてきました。能登半島を襲った特殊な地震は、津波を起こしつつも、隆起によって被害が軽減された可能性があります。
■北側と東側で分かれた被害
藤井友里記者
「現在、私が立っているこの場所は地震発生前までは海だったそうなんです。ただ、地盤が隆起した影響でしょうか。現在は砂浜となっています。そして波打ち際は数百メートル先にある状態です」
輪島市西部では、最大4メートルの地表の隆起を確認。港の様子は変わり果てていました。
近くに住む 宮川嗣夫さん
「今日初めて来たんですけれども、ひどい状態。『水ないよ』って言われて『嘘だろう』と思っていたけど、今見て言葉ありませんね」
一方の珠洲市。輪島の反対側に位置していますが、津波による甚大な被害を受けていました。
大越健介キャスター
「あそこにも船がうちあがっています。100メートルくらい離れたところまで、網だとか漁に道具が流されてきていたので、ここも津波と地震のダブルパンチです」
■海底隆起で津波軽減か
珠洲市では、地震による影響で潮位計が使えず、正確なデータは不明ですが、高いところで5メートル近い津波が襲ったという調査も出てきています。ただ、その一方で、もたらされた被害には“差”が生じています。
廣瀬拓也記者(8日)
「石川県輪島市の上空です。以前はここに、漁港があったとみられます。海水が引いてしまい、船が出せなくなっています。これでは出航ができません」
日本地理学会の分析によると、北西部の志賀町から、北東部の珠洲市までの90キロにわたり、沖合に向かって海岸線が前進していたことも分かっています。
半島の西側と東側で起こっていたこと。能登半島で地震などの調査している、金沢大学の平松良浩教授は、こう分析します。
金沢大学地震学研究室 平松良浩教授
「能登半島の日本海側にある断層は逆断層というもので、断層が能登半島の下に斜めに入っていると。逆断層の能登半島の陸地を隆起させて、海の方を沈降させるような断層運動が起こるということ。今回の地震でも、その逆断層という断層運動によって、広い範囲が隆起したということになる」
断層には、エネルギーが加わると、地盤がずり下がる正断層と。せりあがる逆断層などがあります。能登半島の周辺海域は、この逆断層型。つまり、輪島市側の海底がせりあがっていたのです。
輪島市の鹿磯漁港付近を捉えた衛星画像を見ると、白い部分が海に向かって大幅に増えているのが分かります。海岸線は最大で240メートルも前進しました。
金沢大学地震学研究室 平松良浩教授
「海の断層が動きますと、海底の地殻変動が起こって、隆起と沈降というのが起こり、津波が押し寄せてくる。そこで同時に陸地側がかなり大きな隆起をしますと、相対的に津波の高さが低くなる」
津波の到達予想は、輪島市と珠洲市でともに5メートルでした。しかし、津波による被害が目立ったのは、東側でした。
地表が隆起したことで軽減された可能性がある津波。しかし、かつてあった漁港を元に戻すことは容易ではありません。
漁業関係者
「(Q.魚はどんなものがあがる?)スルメイカと、定置網でアジとかサバとか。正直言って港の機能が全くない。これだけ上がってしまうと、船が全く入ってこられない。もうどうすることもできない。終わってる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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