危険性&対策は?石川県輪島市に「土砂ダム」10カ所以上発生【スーパーJチャンネル】(2024年1月11日)

危険性&対策は?石川県輪島市に「土砂ダム」10カ所以上発生【スーパーJチャンネル】(2024年1月11日)

危険性&対策は?石川県輪島市に「土砂ダム」10カ所以上発生【スーパーJチャンネル】(2024年1月11日)

 能登半島地震による土砂崩れなどで川の水がせき止められてできる「土砂ダム」が、石川県輪島市で10カ所以上できていることが分かりました。

■能登地震 大規模土砂崩れで発生

 被災地に更なる危険が迫っています。むき出しになった山肌の麓、せき止められた川によって住宅や橋が水につかっています。また、たまった水の一部は出口を求めて激しい流れを作っていました。地震以前の画像と比べると、山に沿って大きく蛇行していた川の流れが止まり、手前の集落に水がたまっているのが分かります。

 能登半島地震による大規模な土砂崩れで発生した、せき止められた川の流れ。これが新たな被害をもたらす可能性があるのです。

京都大学 防災研究所 松四雄騎教授
「堤体に水圧が作用して堤体が崩れると、土石流になって土砂が押し出してくることが考えられるので、流路の近傍にある家屋に被害が出る」

■輪島市に「土砂ダム」10カ所以上

 土砂により川がせき止められる「河道閉塞」。京都大学防災研究所の解析で、輪島市に集中して見つかりました。松四教授によると、市内の町野地区と河原田地区の2カ所で「河道閉塞」が起きています。

京都大学 防災研究所 松四雄騎教授
「私が確認している限りでは、輪島市の東を流れる町野川のいくつかの支川で10カ所程度。輪島市の中心を流れる河原田川の支流の猿谷で土砂が川をせき止めて泉ができている」

 大規模な土砂崩れが山間の川を覆うようにふさいでいます。地震前の写真では茂った木々で川は見えませんが、比べてみると緑の山が崩れ、長い土砂が麓に到達しているのがよく分かります。また、下流には住宅があり、その距離は500メートルほどです。輪島市の担当者によると、土石流の危険性もあることから、一部地域には避難指示が出されています。

 町野地区の川も以前の写真を見ると、11日の画像では川がせき止められ、水がたまっているのが分かります。

 「河道閉塞」となった場所に水がたまれば「土砂ダム」となり、さらに雨や雪が降り注いで増水すれば土石流が発生する恐れがあります。

京都大学 防災研究所 松四雄騎教授
「2004年の新潟県中越地震では、今回よりも大規模な土砂ダムが形成。流域から水を抜く手当てが行われて、緊急排水によって決壊を免れた」

 国土交通省によると、輪島市東部で「土砂ダム」10カ所以上が確認されました。

■能登地震 避難者2.5万人以上

 輪島市では元日からの降水量が100ミリを超え、平年と比べ1.5倍の雨量となっています。12日からも天気が崩れるとみられ、さらなる避難所の確保が急がれます。

 石川県によると、避難者数は2万5000人以上になるといいます。

■衛生環境ピンチ「2次避難」が急務

 石川県穴水町。ボランティアがトイレを掃除していました。

ボランティア
「衛生管理が大事なので、こちらにして下さいと言われてしている」

 被災地では、6万2000軒以上と広い範囲で断水が続いていて、衛生環境の悪化が懸念されています。

 厚労省によりますと、9日までに新型コロナウイルスやインフルエンザなどの急性呼吸器感染症とノロウイルスなどの消化器感染症で、合わせて110人の患者の報告があったといいます。

 今、急がれているのが、衛生環境や生活環境など学校や体育館などの「1次避難」よりも、よりライフラインが整ったホテルなどへの「2次避難」です。

 男性は、妻と高校生中学生の子どもの家族4人で金沢市に2次避難しました。地震から9日までの9日間、避難所暮らしだったそうです。
  
2次避難した人
「避難所にいたが、車の中で寝てた。布団の上で寝られるというのも、安心してよかった」

 避難所は断水し、停電していたといいます。

2次避難した人
「子どもたちはお風呂。一番、お風呂に入りたいと言っていた。一番先にここに来て、お風呂に入った。長い間、子どもらの笑った顔も見たことがなくて。ここに来てようやく落ち着いて、やっと笑顔が見らえて、本当にこういう施設を借りられて私らはほっとした」

 石川県加賀市は、9日から市内の宿泊施設への2次避難の受け入れを始めました。

みやびの宿 加賀百万石 吉田久彦社長
「きのうの時点で66人いらして、きょうきまった人数は11人。(2次避難者数は)77人になる予定。旅館として使っている部屋を提供させて頂いています」

2次避難した人
「スポーツジムなどがあるとネットで調べた。それが楽しみ」

■「9割泣いている」2次避難を民間支援

 民間で2次避難を支援する人もいます。被災者を受け入れる宿泊施設の情報を集約し、情報提供しているのです。避難者のための寄付も募っているということです。

こみんぐる 林俊伍取締役
「避難所はプライベートな空間もない。これからどんどん寒くなるし、子ども連れで赤ちゃんが泣いたり、ペットは嫌がれたりするのでそういう人たちがどんどん(2次避難して)来ている。80人から100人近い人が、うちの施設だけでも(避難して)来ている」

 こちらの会社は、金沢市で空家などを改修・活用した宿泊施設を運営していて、その施設も被災者に解放したといいます。

こみんぐる 林俊伍取締役
「ここに2次避難してきた人は、9割の人が泣いている。ほっとするんでしょうね。どうなるんやろと毎日分からないなかで、暖かい家と布団とごはんと風呂があるということが担保されただけでだいぶ変わると見ていて思うし、すごく重要だと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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