能登半島地震“土砂ダム”輪島市内に10カ所以上確認 リスクは?対策どうする?【スーパーJチャンネル】(2024年1月11日)

能登半島地震“土砂ダム”輪島市内に10カ所以上確認 リスクは?対策どうする?【スーパーJチャンネル】(2024年1月11日)

能登半島地震“土砂ダム”輪島市内に10カ所以上確認 リスクは?対策どうする?【スーパーJチャンネル】(2024年1月11日)

 能登半島地震の被災地では、複数の「土砂ダム」が確認されています。土砂ダムの危険性と今後の対策について、国土交通省・国土技術政策総合研究所の瀧口茂隆さんに話を聞きます。

■今も続く余震…輪島で警報級大雨の可能性ある中、土砂ダムの危険度は?

 先週末、瀧口さんは、ヘリコプターで能登半島の「土砂ダム」の現地調査をしました。国交省によると、輪島市内で10カ所以上のいわゆる土砂ダムが確認されています。ANNのカメラが、河原田川にできた土砂ダムを撮影しました。本来なら川が流れている山あいで土砂崩れが発生し、川の流れをせき止めているように見えます。

Q.この映像から、今はどういった状況だとみられますか?

瀧口さん:地震によって、山から崩れ落ちた土砂が川を塞いでいます。上流側が浸水している状況だと思います。

Q.浸水状況は、どの程度危険な状態ですか?

瀧口さん:私たちもヘリコプターから見ました。上空からでは難しいところではありますが、川をふさいでいる土砂の高さは、おそらく数メートル程度ではないかと思います。それほど高くなく、すでに土砂を越えて水が下流に流れているように見えます。現状を見る限り、急激に決壊するリスクが高まっているという状況ではないと思います。
Q.12日は北陸地方でまとまった雨の予報も出ているが、その影響はあるのでしょうか?

瀧口さん:雨や雪解けによって、川の流量が増えて、今まで削られていなかった場所の土砂が削られ、下流に土砂や木が流れていき、新たな浸水につながる恐れがあると思います。

Q.余震は今も続いています。

瀧口さん:可能性の一つとして、いま崩れているように見える斜面が余震によってさらに拡大し、拡大した土砂がダムの高さをかさ上げするような形になり、溜まる水の量・土砂の量が増えることが考えられます。

Q.国交省によると、土砂ダムは10カ所以上で確認されているということです。ANNが撮影した以外の場所はいかがでしょうか?

瀧口さん:私たちも、撮影された場所から少し北東にある同じような土砂ダムを調査しました。ポイントとして、土砂ダムの高さとか上流に溜まっている水の量、すでに水が乗り越えているかどうかをチェックします。見た限りでは、水はすでに流れている状況でした。「今から急激にリスクが高まるような状況ではない」と石川県などに伝えたところです。

■土砂ダム解消対策は?輪島市などへの影響は?

 改めて地図で確認すると、土砂ダムが形成された場所から直線で約2キロメートル下流には集落があり、さらに下流には輪島市役所をはじめとする市の中心部が広がっています。

Q.現時点で、下流の輪島市中心部などに影響が出る可能性はありますか?

瀧口さん:現時点では、流量が変わらなければ大きな問題はないと思います。雨が降ったり、融雪によって流量が増えたりした場合、土砂ダムに溜まった土砂が下流に流れることが考えられます。その結果、下流の橋などで詰まって、ふだん水が来ないようなところまで浸水することが懸念されます。雨や雪解け時には、特に川沿いの方はできるだけ注意した方がいいと思います。

Q.土砂ダムは、どのように解消していけば良いのでしょうか?

瀧口さん:土砂ダムが出来た場合、これまでも急激に決壊しないようにいくつかの現場で対策工事が行われています。私が現地に行ったわけではないので、難しいところではありますが、それほど高くなく作業場所もありそうです。安全を十分に確保したうえで、斜面の崩壊に注意しながら、重機などで河道にたまった土砂を慎重に除去していくことにするといいのではないかと思います。

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月11日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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