涙の新成人「能登の力に」 震災に複雑な思い抱えながら…金沢市で「二十歳のつどい」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月9日)
石川県の被災地では成人式の中止が相次いでいますが、8日に金沢市で「二十歳のつどい」が開催されました。今も友人が避難所生活を送っている新成人もいました。複雑な思いを抱えながらの成人式となりました。
■被災した祖母が買ってくれた「晴れ着」
晴れ着で黙祷(もくとう)。成人の日の8日、地震の被害が大きい能登地方の12の市町で成人式が中止となりましたが、金沢市では開催。143人の新成人が、地震の犠牲者の冥福を祈りました。
その中には、複雑な思いを抱えながら、成人式に臨んだ人たちがいました。
二十歳の門出を迎えた、大学生の村田樹音さん。
樹音さんの母親
「おばあちゃんが能登にいて、七尾市。おばあちゃんが美容師してて。こっち(金沢市)来て、着付け、ヘアメイクをしてくれるはずやったんですけど。災害がひどくて、来られないってことで」
「(Q.おばあちゃんの被害は?)家は大丈夫なんですけど、断水とか道のひび割れ。楽しみにしとったんですけど、おばあちゃんも。着物も買ってくれたので」
一生に一度の晴れ着は、七尾市で暮らす祖母が買ってくれた大切な物です。
樹音さん
「(Q.どう?おばあちゃんに選んでもらった着物)気に入ってます」
樹音さんの母親
「こっち向いて」
樹音さん
「後からじゃダメ?」
樹音さんの母親
「可愛い。可愛い。おめでとう」
樹音さん
「ありがとう」
樹音さんの母親
「(Q.どんな大人になってほしい?)真面目に生きてくれれば良いかな。震災あったんで、元気に病気もせんと、普通に生きていってくれれば一番幸せ」
着付けとヘアメイクが終わり、一番に電話をかけた先は…。
樹音さん
「ばばちゃん?」
樹音さんの祖母
「おめでとうね」
樹音さん
「ありがとう」
樹音さんの祖母
「いいえ。よう20歳まで大きくなったね」
樹音さん
「うん」
樹音さんの祖母
「小さい時から面倒みてきたけど、おめでとうね」
樹音さん
「ありがとう」
樹音さんの祖母
「これからも頑張ってよ」
樹音さん
「うん」
樹音さんの祖母
「(Q.おばあちゃんの着物、似合ってますよ)ありがとうございます」
■20歳の決心「防災士の資格を取ろうと」
金沢市の成人式に参加した、大学生の辻井采々良さん。
辻井さん
「私のおばあちゃんの実家も能登の方にあって、そこも家が潰れちゃったり、道がぐちゃぐちゃで通れなかったり」
祖母は、今も断水が続く中能登町の出身。現在は金沢市内に引っ越していますが、実家は壁や扉が倒壊しました。
能登地方で暮らす高校の同級生の多くは一時、連絡が取れない状況が続き、今も避難所生活だといいます。
辻井さん
「成人式をやって良いのかなっていう思いが一番あって。高校の同級生が被災地にたくさんいて、その子たちは中止・延期になったりしているので。そんななかで、私が成人式に行くことは、前向きな気持ちになれないというか…複雑な思い」
後ろめたさを感じながら、二十歳の門出を迎えます。
辻井さん
「地震の時は揺れも大きくて怖かったはずなのに、(被災した)自分のつらい状況を心配させないように、『こっちは大丈夫やから!』と話してくれる人がたくさんいて。ネガティブになってちゃダメだと。前向きに動きたいなと思いました」
辻井さんが晴れ着姿で向かった先は…。
采々良さん
「ばあーちゃん!」
采々良さんの祖母
「おめでとう、采々良。ご成人おめでとうございます。頑張ってね。世の中は厳しいけれども、楽しいこともいっぱいあるから。色んな人の知恵を借りて、立派な大人になってください」
采々良さん
「はい!」
采々良さんの祖母
「ばあちゃん、うれしいよ。幸せやと思う、本当に。大変やったろうけどね…。これからも大変なことある。でも、采々良は力強いから。胸いっぱいです。あしたがあるとは限らないって実感しているから」
新成人代表
「1月1日に発生した能登半島地震で、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。私たちも復旧に向けて微力ではありますが、協力していきたいと思います」
辻井さんは震災がきっかけで、ある決心をしました。
辻井さん
「震災後すぐに、防災士の資格を取ろうと思いました。震災が起きた時にどういう対応をすれば良いのか、実用的な行動を学べる資格だと分かったので、すぐ受けようと申し込みました。自分にできることを考えて、能登地方の人の力になれるような行動をします」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年1月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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