ボーイング機の機体が一部、吹き飛ぶ 事故前に3度「与圧の警告」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

ボーイング機の機体が一部、吹き飛ぶ 事故前に3度「与圧の警告」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

ボーイング機の機体が一部、吹き飛ぶ 事故前に3度「与圧の警告」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

アメリカのアラスカ航空が運航していたボーイング「737MAX9」の機体の一部が落下した事故をめぐって、事故前に3度にわたり「与圧」についても警告があったことが分かりました。一体、何があったのか?現時点での最新情報をまとめました。

■「左を見ると大きな穴が開いていて、飛行機の一部分がなくなっていた」

アラスカ航空 パイロット:
「アラスカ航空1282便、機内が減圧しています。緊急事態を宣言します。10,000フィートまで降下したい。空港に戻る必要があります。177人の乗客がいます」

5日、乗客乗員177人を乗せたアラスカ航空の旅客機が、アメリカ・オレゴン州のポートランド国際空港を離陸後、機体パネルが吹き飛び、空港に引き返し緊急着陸しました。

NTSB(国家運輸安全委員会)によると“吹き飛んだ機体パネルの隣の席には誰も座っていなかった”ということで、重傷者はいませんでした。

乗客:
「突然。爆発音が聞こえて、何が起きたのかわかりませんでした。左を見ると大きな穴が開いていて、飛行機の一部分がなくなっていたんです」

機体はボーイング社製の737MAX9で、ロイター通信は、2か月前にアラスカ航空に納入されたばかりだと報じています。

NTSBは先ほど会見し、“この事故の前の数週間のフライトで3回にわたり与圧についての警告が出た”と、アラスカ航空のパイロットらが報告したと発表しました。

事故を受け、連邦航空局は“アメリカの航空会社や国内で運航されている同型機の一部を飛行停止にする”と発表しています。

■事故機は2023年10月に納入…ほぼ“新品”だったのになぜ?

良原安美キャスター:
海外からも飛行機の事故のニュースが入ってきました。

アラスカ航空のボーイング社、737MAX9という機体です。アメリカのオレゴン州からカリフォルニア州に向かう途中、機体の一部が吹き飛び、引き返し緊急着陸しました。乗員乗客177人は無事で、重傷者はいなかったということです。

どうしてこんなことが起こってしまったのか、その可能性を探っていきます。

考えられる1つの可能性として、機体の劣化ということがあるようです。

過去には1988年、ハワイのアロハ航空で、飛行中に前方の天井部分が突然、吹き飛ぶ事故がありました。原因は老朽化だったということです。

では、今回事故があった機体はどうなのか。

現地メディアによると、2023年10月に納入したばかりということで、かなり新しい機体であるといえます。

元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんは「ほぼ“新品”で劣化による事故はまず考えられない」というふうに話していました。

■「与圧」とは?機内の気圧は富士山5合目ほどに調整

続いて、この機体について、実はこんなことがありました。

事故前数週間で3度にわたり“与圧についての警告が出た”と、パイロットらが報告していたというのです(運輸安全委員会の会見より)。

この「与圧」というのは、一体どういうことなのでしょうか?

考えられる可能性の2つ目は、“気圧システム”に問題があった可能性です。

「与圧」というのは、機内の気圧を調整することです。

機内と外の気圧差が大きい場合、窓や壁に負荷が大きくなってしまうことから、機内の気圧を、人が快適に過ごせるような高度2000メートル前後に調整しています。

大体これは、富士山5合目あたりということです。

気圧に関するトラブルは「ごく稀だがゼロではない」というふうに元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんは話しています。

実際に小林さんも、現役のころに与圧のトラブルで羽田空港まで引き返したという経験があったそうなのですが、「気圧トラブルにも耐えられるよう航空機は作られている。これ1つが原因で窓などが吹き飛ぶとは考えにくい」ということでした。

■取り付けに不具合があった可能性も

そして続いての可能性は、取り付けに不具合があったのではないか?というもの。吹き飛んだ箇所は実は元々、非常口があった場所だというのです。

今回の機体は座席数に応じて不要な非常口を塞ぎ、壁にしていました。

これについて元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんは「塞いだ際、接合部に不具合があった場合、気圧トラブルと重なり、負荷に耐えきれず吹き飛んだ可能性も」あるということで、まだ原因調査中ですが、こういった可能性があるということです。

■もし事故に遭遇したら?「肌の露出を減らす」ことも大事

良原キャスター:
万々が一、こうした事故に遭遇してしまった場合、私たちはどうすればいいのか?

シートベルトをしっかり締めましょう。シートベルトマークが点灯されていなくても、しっかり締めておくことが大切です。

そして、客室乗務員の指示に従ってください。

また、正面からの風圧が強い場合、顔などにやけどしてしまう恐れがあり、上着やマスクで肌の露出を減らすことも大事だということでした。

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