北九州市“ド派手衣装”記念式典 「ファッションショー」仕掛けた女性を取材【ワイド！スクランブル】(2024年1月8日)
ド派手な衣装の若者が参加することで知られる福岡県北九州市の成人の日に合わせた式典で、今年はファッションショーが開催された。その狙いとは？仕掛け人の女性を取材した。
■「派手な衣装」ファッションショーへの思い
7日、福岡県北九州市で行われた成人式にあたる「二十歳の記念式典」。今年も北九州は、豪華絢爛（けんらん）で派手な衣装の若者が多かった。若者にとって新たな門出となる一大イベントでは、「誰よりも派手に決めたい」と思いの詰まった衣装が次々と登場する。
北九州市のド派手成人式には、実は「生みの親」とも言われる人がいる。
貸衣装店「みやび」 池田雅さん
「（Q.今、何をしていたんですか？）直前の準備ですね。新成人のお役に立てるように、精一杯頑張って作っております」
派手な衣装を手掛ける池田さんが、毎年のように話題になっている北九州市の成人式の派手な衣装を作り始めたのは、20年前のことだった。
当時は貸衣装専門で行っていたが、2人の男性の依頼で作った金と銀のはかまが評判になった。すると、次々と依頼が舞い込むようになり、要望に応えるうちにデザインも派手になった。今では1回で1000人以上の衣装を手掛けている。
そして今年、池田さんはあるイベントを企画した。それが派手な衣装によるファッションショーだ。一体なぜ、ファッションショーなのか。そこには、ある思いが込められていた。
■ニューヨークのファッションショーから依頼も
豪華絢爛、ド派手な衣装が毎年話題になっている北九州市の成人式。この衣装の「生みの親」とも言われる池田さんは、式典の裏である準備を進めていた。
池田さん
「新成人のためのファッションショーです。自分が主役になれる。人生の中でそんな一日ってないじゃないですか。今年はぜひ明るい未来へ続く道を作って、新成人にランウェーの楽しさを味わってほしいなと思いました」
ファッションショーがスタートすると、若者たちが次々に登場し、派手な衣装をアピールした。それにしても、なぜ池田さんはファッションショーを企画したのか。それは、自身の体験にあった。
実はこれまで派手な衣装に対し、「北九州のイメージが悪くなる」「成人式の場にふさわしくない」、時にはそれ以上の批判を受けてきた池田さん。それでも自分のデザインを貫いた結果、なんとニューヨークで派手な衣装のファッションショーの依頼を受けたのだ。派手な着物がアートとして受け入れられたのだ。
池田さん
「古典的なんだけど、『みやび』のスタイルは現代の若者の感性を取り入れているところが本当に素晴らしいと言われました」
池田さんは「自分を信じていれば誰かが見てくれている」と実感し、「若者に自分の個性や表現を大切にすることを伝えたい」という。
池田さん
「現代の若者は本当に繊細で輝いていて、新しい視点とか新しい風がどんどん吹いてくるんですよね。新成人の皆さんにも一生懸命目の前のことをコツコツと愚直に続けていれば、いつか日の目を見る日が来るんだってことを伝えたいです」
■「派手な衣装」新たなインバウンドの名物に？
北九州市の成人式で生まれたド派手な衣装が、実はインバウンド向けの名物になるかもしれない。
小倉城の広報によると、去年6月、北九州市のシンボル的スポット小倉城で開催された「ド派手新成人なりきりイベント」では、2日間で500人を超える人がド派手な衣装を着用した。そのうち、少なくとも3分の1以上が海外の人だったとしている。
そもそも期間限定で行う予定だったそうだが、多くの反響があったため、今では小倉城が開いている日は、いつでもド派手衣装を体験することができるそうだ。ちなみに、小倉城のド派手衣装も池田さんが手掛けているものだ。
小倉城の広報は「新年を迎えてからも多くの外国人観光客が来て、ド派手衣装を着て記念撮影をしている。終了時期を決めず、喜んでいただける間は続けたい」と話し、派手な衣装が北九州市のインバウンド向けの名物になることを期待するとしている。
（「大下容子ワイド！スクランブル」2024年1月8日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
