被災者狙った“悪質行為”業者名乗る男…屋根にブルーシートで「12万円」市も注意喚起【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月8日)

被災者狙った“悪質行為”業者名乗る男…屋根にブルーシートで「12万円」市も注意喚起【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月8日)

被災者狙った“悪質行為”業者名乗る男…屋根にブルーシートで「12万円」市も注意喚起【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月8日)

 7日から断続的に降り続いた雪。横から、強く吹きつけたのでしょうか、電柱にはびっしりと雪が張り付いています。

 傾きかけた家の瓦にも一面に雪が積もり、その重みによる家屋の倒壊などにも警戒が必要となっています。

■被災地に雪…厳しい寒さ

 最大震度6弱を観測した能登町。倒壊した家屋の屋根に雪が降り積もっています。能登空港にも雪が降り続き、滑走路一面が真っ白になりました。

 珠洲市でも屋根に雪が積もり、車は速度を緩めながら慎重に走ります。地震発生から8日で1週間。7日は、大地震発生以降最も寒い日となり、被災地を雪が襲いました。

 雪が積もると道路の亀裂や陥没の状況が確認しづらくなり、通行が危険な状態に。路面もうっすらと白くなり、視界が悪くなっていきます。

 避難所の現場では、寒さへの対策を強いられています。これから冷え込みが厳しくなるため、志賀町では自衛隊から毛布が届けられました。

避難者
「(Q.下に温かくするものは?)断熱材、そこの体育館の屋根。落ちて来たものを使っているんです」

■元日のだんらん一変…土砂崩れで倒壊

 最大震度6強を観測した穴水町。地震による土砂崩れで家屋が倒壊した現場では、懸命の捜索活動が続いています。

 雪が降り続く中、捜索を見守る男性。

親族を土砂崩れで亡くした 寺本直之さん(52)
「あとうちの妻と長男だけが出てきていないので、捜索をしてもらっています」

 元日、帰省していた寺本さんの妻と子ども4人、親戚ら合わせて10人が、この家で過ごしていました。

 親戚一同が集まってのだんらんは、突然の地震で一変。土砂崩れにより、家が倒壊したといいます。

 次男(21)、三男(19)、長女(15)は7日までに発見され、死亡が確認されました。

寺本さん
「年を越えてすぐに起こったこの地震で、全員いませんってなったら…。今までおった人が、次の日にはいないって思ったら苦しいでしょ…。なんか…信じられんというより考えたくないというか…」

 次男・駿希さん(21)は東京で調理師として働き、金沢で日本料理店を開く夢を持っていました。

 帰省した日も、家族を喜ばせようと、自ら作ったおせちを持参していたといいます。

寺本さん
「帰省したら(おせちを)みんなに食べさせるって…。みんな子どももいなくなって…どうしようかなと思って。つらいですよ、もう…。なんなんですか、これ。なんで私がこんなことにならなきゃいけないのかなって。地震がはっきり言ってみんなを奪ったんですかね」

■93歳女性…124時間ぶりに救出「わずかな空間で」

 珠洲市では6日、地震発生からおよそ124時間ぶりに93歳の女性が救出されました。

 救助にかかわった医療チームが撮影した映像です。

 救助活動と同時に、点滴などの医療措置が行われていました。

救助隊員
「頑張るよ!頑張るよ!」

 救助隊員らが、女性に何度も呼び掛けます。

救助隊員
「いったんストップ!」「分かりますか?分かる?」「毛布かけて!」「搬送開始!」

 ストレッチャーで運ばれる女性。救出された際、はっきり受け答えができる状態だったということです。

 一夜明け、救出された女性の長男が、地震発生当時の状況を明かしました。

救出された高齢女性の長男
「母親は退院したばかりで、ちょっと体が弱っていたので、ベッドで食事しとったと思います」
「(Q.お母さんが寝ていたところも潰れた?)そうです。ぺしゃんこで、わずかな空間で耐えとったんかなって思います」

 女性はなぜ、がれきの下で5日以上も生きることができたのでしょうか。

 救助にあたった医療チームによると、一定の水分が摂取できていた可能性があるといいます。

救出された高齢女性の長男
「みなさんが、命懸けで助けていただいたんで感謝しています」

■歴史的町並みの「一本杉通り」…軒並み倒壊

 最大震度6強を観測した七尾市。600年以上の歴史を持ち、道沿いにはいくつもの登録有形文化財が立ち並ぶ「一本杉通り」は、古い建築物が軒並み倒壊するなど、街の姿は大きく変わってしまいました。

 寒さが厳しくなるなか、被災した家屋から荷物を運び出す人の姿がありました。

避難所で過ごす女性
「使えるものを出しています」
「(Q.雨降って雪になるかもしれないですね?)今のところ、考える余裕はないですね。寒さをしのげれば、いいかなという感じで」

 自宅が被災し避難所で過ごす女性は、これからの寒さに備え体を温められるものを取りに来たと言います。

避難所で過ごす女性
「(避難所に)新品の毛布は来ていますけど、こういう敷物とかないから、みなさん床の上に寝ているような状態。シートを敷いて、寝ているような感じなので」

■業者名乗る男…屋根にブルーシート「12万円」請求

 いつ元の生活に戻れるか、不安な日々を過ごしている被災者たち。そうした中、被災者を狙った悪質な行為が問題となっています。

 自宅が被災した女性(72)の家には、大地震発生から2日後の3日、業者を名乗る若い男が来て、壊れた屋根をブルーシートで覆うことをすすめられたといいます。

自宅が被災した女性
「(Q.ブルーシートの業者はどうやってきたんですか?)いきなり来たんよ。『この辺にブルーシートを今、僕たちがつけて来た』と。お宅も見たら天井の鬼瓦が傾いているから、ブルーシートをつけた方がいいですよ。予約はいっぱいあるんですけど、うちを一番先につけますからどうですか?」

 72歳で一人暮らしの女性は「瓦の落下を防いでくれるのなら」と、ブルーシートの設置をお願いすることにしました。

自宅が被災した女性
「バンみたいな車から、はしごを下ろして。20分ほどしてから『終わりました』って」

 作業が終わり金額を確認すると…。

自宅が被災した女性
「『ブルーシート12万円です』って言うたの。払わなかったら、ここで暴れられたりしたら怖いなと思うから結局払った」

 恐怖心から、その場で12万円を支払ってしまったといいます。

自宅が被災した女性
「(Q.12万円は現金?)息子が正月にコロナで、4年ぶりに来たもんで。私に『おふくろ春になったら友達と温泉行くって言ってたから』と、20万円持って来てくれた」

 しかし、そのブルーシートは設置してからわずか2日で屋根から外れてしまいました…。

自宅が被災した女性
「(Q.あっち側に落ちちゃっていますよね?)完全に素人がしたっていうのは分かってる」

 業者を名乗る男から名刺と領収書をもらっていた女性は、警察と市役所に相談しているといいます。

自宅が被災した女性
「これからどうすればいいかという時にやられたら…本当にやめてほしい」

 七尾市では同様の被害の情報が寄せられていて、町内アナウンスで「不審だと感じたら1人で対応せず、家族や警察へ相談してください」と注意喚起を行っています。

■焼け野原…朝市通り「電気も水も来ない」

 雨どいから伸びたパイプにビニール袋を巻き付け座りこんで作業をする男性がいました。

80代 男性
「(Q.何をされていたんですか?)トイレの水がちょっと足りないので、雨水をためて使おうと思って、とってました」

 断水のため、トイレなどの生活用水がないといいます。

 輪島市の朝市通り近くに住んでいた男性は地震直後、近くの体育館に避難。火の手は、すぐそこまで迫っていました。

男性
「どうしようもないなと。あとは神頼みだなと。(2日の)朝6時前後くらいにこちらへまた来た時に、焼け野原になっていて。私のところは、何とか助かったんですけど」

 火事はまぬがれましたが、自宅前の電柱は大きく傾いています。避難所では眠れないと、2日から自宅に戻って生活しています。

 かつて輪島塗の販売元だったという隣の家は、屋根から崩れ落ちてしまいました。

知り合いの女性
「まあ、かわいそうにね」

 隣の家では、60歳の女性が亡くなったのだといいます。

知り合いの女性
「かわいそうにね…」

 訪ねてきた、知り合いの女性が手を合わせます。

 男性の案内してくれた自宅の屋上から見えたものは、辺り一面の焼け野原でした。

 日本三大朝市の一つとして愛されてきた朝市通りも…。

男性
「ここ上がってきてびっくりした。あぜんとした。今までの顔(場所)じゃないよ、全然。うわー、これからどうなるんだろうなというのが、正直ありますね」

 停電のため、暖を取るのは電気の通っていないこたつ。風呂にも入れない状態が続いているといいます。

男性
「(Q.給水車は来ないんですか?)もうちょっと後になるだろうな。やっぱり道路ガチャガチャやもん。電気と水が来なかったら、どうしようもない…」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年1月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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